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輝操・場所紹介2

第二章に登場する地名の紹介です。

本編とは関係無いので読み飛ばしても問題ありません。


――――――――――――――――――


 赤空界政府


 独自の国家名を持たない自治集合体。そんな国の形でならば緑空界と同じだと言える。しかも指導者である大統領界隈は政策だけに注視しているので市民への干渉はほぼしない。おかげで市民は割と自由気ままで地元ルールに根付いた行動をする事が多く、国柄もあって差別的発言・行動が非常に少ない。(ただしこれもバウカンの努力のお陰でもあると言えるが) その点から現実にとても近い文化国家と言えるだろう。

 

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 教習所


 この世界にも教習所はある。車と同じレベルで機空船が存在するので。違うのはその台数だけでしかない。

 ただしここで習わなくとも機空船に乗る事は出来る。基本的には操縦士にルール厳守を任せている状態で、何があっても自己責任という風潮があるからだ。もちろん国ごとに運航ルールがあるので、それだけは守らねばならないが。


 その為この教習所はもっぱらプロになる為の登竜門とされている。高い金を払えば素人でもプロレーサーレベルへと引き上げてくれるそうだ。その分時間もかかるらしいけれど。とはいえ、ここもバウカンの息が掛かっていたらしく、事件後はひっそりと店じまいしたのだとかなんとか。きっとここが八百長指導の現場だったのだろう。


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リゾート都市サング・ラム


 赤空界に観光で訪れた人が真っ先に来る場所。観光設備はおろか海水浴を楽しむサンセットビーチまで有し、ホテルなど宿泊施設も充実。おまけに少し北に行けば国立競船場まであるので楽しむ分にはここだけで事足りるほど。

 ただし働く分には少し不便。請け負える仕事は限られ、あぶれれば屋台でしのぎを得るしかない。実は結構な競争都市と言えるだろう。働くなら南の工業地帯に行くのがベストだ。


 なおケバブの店が最も多い街としても有名である。


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スカイフライヤー国立競船場


 赤空界が誇る伝統競技はじまりの地にして、今なお熱いレースが繰り広げられる空の戦場。毎日多くの選手がトップを目指して駆け巡っていた。おまけにその勝敗を巡り、博打師達の金欲への滾りまでもが迸っていた。


 会場はとても広く、一目では見尽くせないほど。中継用の巨大モニターが無ければ彼方では何が起きているかさえわからない。

 そんな敷地の中には入り組んだようにレースコースが造られており、地上に象られた道筋に沿って飛ばなくてはならない。コースから外れれば減点、空を飛べるからといってショートカットしようものなら最悪は失格にさえなる。

 そのレースには多くの障害物が存在し、起伏のある山部や狭い洞窟路、スピードダウンを引き起こすシャボン地帯など種類にも富んでいる。これらは週一パズルの様に組み替えられ、時折新しいコースなども設置させられる事がある。なので毎週一日だけは組み換え休みが存在するそうだ。ちなみにその組み換え様子もかなり圧巻なので、それを見に来る観光客も少なくないのだとか。ただ、お陰で意外と金が掛かるのでバウカンの悩みの種ともなっていたらしい。


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ダンジョン


 昔はこの世界にも多くのダンジョンがあったそう。それこそ誰が設置したかもわからない宝箱があったり、最奥にはボス的存在がいたり。しかし大昔のとある伝説級冒険家によって踏破し尽くされ、おまけに世界が分断された事で殆どのダンジョンが消え去った。おかげで目立った形で残っているのは識園の塔だけとなっている。とはいえ今回の一件でそのダンジョン的場所も崩落する事となったが。


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緑空界第一機空船発着所街


 正式名称が存在しない、機空船発着所傍の街。そもそも緑空界は魔動機を良しとしておらず、本公共施設を管理する事に否定的だった。故に命名される事無く今に至る。今ではあって当たり前という風潮があるからこそエルフの管理人がいるが、まじめに仕事をしている様にはとても見えない。

 ちなみにこの一帯は機空船運航公社管轄の公共地帯であり、開発は基本的に自由とされている。そのルールのお陰で移住者の家が建ち始め、気付けば街になったという。今では古臭い緑空界の中でより現代に近い街並みを有している。それでも他国と比べれば質素ではあるが。


 この国で最も人の出入りが激しい為、クアリオの様な駄賃狙いの小間使い屋が多い。ただ、日銭の為には手段を択ばない者もいるらしく、治安はそこまで良くない様だ。


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魔導宗国ペタラプリモ


 緑空界を纏める集合国家。一三の州領で成り立っており、各地の州長同士で密に連絡を取り合う事で秩序を保っている。主な種族はエルフで、人口の六割を占めている。次に樹人と妖花人で共に一割、残りは移住系の住民。


 魔法産業が盛んで、識園の塔を中心に各都市にてあらゆる魔法関連製品を製造・精錬され続けている。メディポット本社もこの地にあり、世界中に良質のヒールポーションを安価で提供。そうして生まれた財力を足掛かりに、今なお多くの新製品が開発され続けているそうだ。


 ただし治安は非常によろしくない。元々縛られる事が苦手なエルフ達は個々のルールを設ける事が多く、州法の中には盗賊推奨とも言えるものまでが。おまけに街境界を保護する結界なども張る事を禁じており、魔物が入って来る事などザラなのだという。お陰で毎年行方不明者が多発しており、よほど生活力に自信が無いと生きてはいけない。


 かつて世界が地続きだった時代にて、この国より魔法という概念が生まれたという。当時は驚異的な軍事力を誇り、魔導士軍団を率いて世界を席巻。一時は世界の半分を牛耳るまでに至った。しかし急激な発展に人員統制が間に合わず、思想の違いなどから勢力が分裂。そのまま魔導技術の分散に歯止めが効かずに対策を立てられて本陣が敗退、衰退の一途を辿る事に。その後は他国への侵略を辞め、緑豊かな森で魔法と共に生きる事を選んだそうな。そんな事から昔の文化が今なお残され続けており、その理由から【古来の地】とも呼ばれている。


 奥地は未だ未開の地が多く、原住民が暮らしている場所もある。中には全裸で暮らす原始的な部族も居るらしく、物好きな者が足を踏み入れたりする事もあるそうだ。ただし命の保証は出来ないので推奨はされていない。


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識園の塔


 ありとあらゆる知識を集めて納められた古代の塔。全身が青緑の石状建築物で、頭頂部は雲まで貫き立っている。更には地下深くにも続いており、大地底面から先が突き出しているという。その余りの巨大さ故に内部の半分が手つかずで、空き空間もまだまだ多い。おまけに最上階層と最下階層は未だダンジョンのままで、魔物さえ潜んでいるそうだ。ただ、遥か昔に伝説の冒険者が宝を漁り尽くした所為で価値は無くなり、今はほぼほぼ放置状態となっている。


 遥か昔より十賢者がこの建造物に住み込みで研究を続けている。色んな可能性を求めて代を変え、研究対象を変えてとただひたすらに。中にはミルダの様に人助けサービスの拠点にするなど、用途は多種多様である。お陰で過去の賢者達が過ごし易い様にと魔改造し尽くし、今ではどこに何が潜んでいるやらわからないビックリ箱状態に。中には現賢者が知らない物も多く、賢者経験の少ないマオが気付いていない施設さえあった。例の会議室やチェアゴーレム、テーブルゴーレム、防衛機能もその産物の一つで、かつブブルク達にしか知らされていなかったらしい。――というより、マオが教えてもらえなかったと言った方が正しいか。


 塔の正面には立派な一本橋が架かっており、それだけでも観光名所となる程に壮観。また塔内部も書物エリアならば一般人に開放されている。ただし武具の持ち込みは厳禁で、持ち込んだ場合は速攻で防衛システムによって強制排除される。その際は自己責任となるので注意が必要。触書が塔までに幾つもあるので言い逃れは不可能だ。


 なお橋の前には十賢者を象った巨像が連なっている。ただしいずれも本物と似ても似つかないという出来栄えで、国民から嘲笑ネタにもされていたそうな。だが今回の戦いの最中、暇だったテッシャとフィーが全像を勝手に改修。全てイケメン裸夫像へと造り替えられた。

 しかしその後、その余りに見事な造形と奇跡の所業により【神の戯れ彫り】と称される事に。加えて十賢者の権威失墜も相まって、像は造り替えられる事無くクランメルウ民によって保存され続けたという。主に女性団体の手によって。


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混血の村


 クアリオの仲間達が住んでいた村。と言ってもそれ程の規模ではなく、長屋が二件あるだけ。後は大きな畑と家畜小屋が一つ。井戸もあって生活環境としては申し分ない。また治外法権とされており、この場所だけは魔動機の設置もお咎め無しとなっている。……というより国が彼等に関与したくないと言った方が正しいか。


 似た様な村は他に二か所あり、全てがブブルク達によってもたらされたもの。故にいずれも衰弱の呪いが掛かっており、どこの住民もほぼほぼ死に掛けていた。それでも生き延びられていたのはミルダの人助けコミュニティのお陰だったり、あるいは混血に偏見を持たない心優しい人の助けだったり。こんな偏見だらけの国でも心温かさはちゃんとあった様だ。それだけに、誰も報われない結果となってしまったのは非常に悲しい事である。


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識園都市クランメルウ


 識園の塔を構えている事から唯一、州領から外れて独立自治を持つ街。観光地としても有名で、主に魔導士や博士などが知識を求めて毎年訪れる。ただそれ以外に観光する場所は無く、基本的には塔を見て帰る程度でしかない。


 そんな街だからこそ観光客の呼び込みには必死で、何故かお土産だけは充実。食べ物だと識園饅頭や識園羊羹。他にも識園の塔タペストリーやミニチュア模型、塔こけしなど斜め上の戦略で辛うじて支えている。そのお陰か逆に定住者が増えているのだとか。主に創作などの執筆の為に。なんでだろう。


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