92_薬師の金庫
「アガレス様 こんなところから すみません」
僕は魔王城の謁見室バルコニーから直接アガレスちゃんに話しかける
「アガレスは驚愕して蒼白なのです ラストとわからなければもう少しで出撃して迫撃するところでした」
(ひええええ すみません すみません)
「あと ラストちゃん アガレス様は拒絶してやめてほしいのです アガレスはアガレスちゃんと呼称して呼んでほしいのです」
(・・・・・・しかし魔王に・・・・・・はいわかりました)
「ところでアガレスちゃん・・・・・・なにを読んでたんですか?」
僕はアガレスちゃんのあまりの狼狽ぶりが気になって先程アガレスちゃんがあわててしまった本のことを聞いてみる
「ななな なんでも ないのです ラストには無縁で関係ないので です と ところでラスト今日は一体何をしに来訪してやってきたのですか?」
(あやしい ・・・・・・だが これ以上聞くのは失礼だな)
僕は魔気の根源ダンジョンでのグレモの異常で祖母がテリトリアルプリズンを発動し続けていることやグレモの魂の分離に魔青雨の雫が必要なことを話す
「合点なるほどなのです しかしこの魔王城にそのようなものが存在してあるのでしょうか?」
アガレスちゃんは座ったまま指を頬に当て天井を見上げながら首をかしげた
「祖母が言うには薬師の金庫という所にそれがしまってあるということですが・・・・・・」
「ああ なるほど確かにあそこならそのようなものが実在して既存しているのかもしれません 早速 薬師の金庫へ向かって確認して立証してみるのです」
アガレスちゃんはそういうと魔王の玉座からすっくと立ち上がる
バサッ
(なにか落ちた 本? ああさっきアガレスちゃんが読んでた本だ お友達ができる本 と書いてある)
「あわわわ」
アガレスちゃんはあわてて それを拾った
そしてみるみる赤くなったアガレスちゃんは僕のほうを泣きそうな顔をして見ている
僕はとっさに何も見てないというふうに入ってきたバルコニーの外を眺める
「あああ ラ ラスト 別に アガレスはお友達が皆無でいないわけではないのです」
(そういえば 父や祖母から魔王はひどく孤独なものだと聞いたことがある)
「え?な なんのはなしですか?」
僕はしらばっくれてならない口笛をふく
「そそ そうでしたか 何も 目視して見ていないのですね あはは それでは魔青雨の雫を取得して入手しに薬師の金庫をめざして進行 す す するのです レッツゴー なのです」
アガレスちゃんは本を小脇に抱えこちらを見ようともしないでまっすぐ部屋の出口に歩いていく
慌ててついていく僕
・・・・・・
「・・・・・・ところでラスト・・・・・・ 君はグレモちゃんの中にいるのは何だと思って考察しているのですか?」
薄暗い回廊を地下へと下って行く途中アガレスちゃんはぼそっと僕に問う
「そうですね・・・・・・僕が感じたかぎりその気はインキアスのものではなかったように感じています もっとまがまがしいなにか・・・・・・きっとそれはインキアスを操っていた者の正体ではないかと推測しています」
「グレモールなのでしょうか?」
「祖母はグレモール・・・・・・あるいはなにかもっと別のものかもしれないと言っていましたね」
「合点・・・・・・ なるほど・・・・・・なのです」
・・・・・・
「ラスト ・・・・・・・入場して入ってみるのです」
ギィ
僕とアガレスちゃんは魔王城の地下にある薬師の金庫と呼ばれる部屋までやってくるとその何年も開けていないようなドアを開けた
「アガレスもここに入るのは初回で初めてなのです・・・・・・ちょっと動悸がワクワクしているのです」
「しかし かなり人が入ってないみたいですね」
「そうなのです・・・・・・ ラミスちゃんの前任の魔王・・・・・・あ ラストのお父さんでしたね・・・・・・アスモディウス様まではこのお城にも薬師が沢山いたということですがラミス様がその任に就かれたとき城の薬師たちをすべて解雇したと借問して聞いているのです」
「いったい なにがあったんでしょう?」
「・・・・・・ああ ラスト それより魔青雨の雫を探求して探すのです」
アガレスちゃんは僕の質問へは答えず焦ったように魔青雨の雫を探しはじめた
僕は少しだけ気になったがなにか言い出しにくいことでもあったのだろう
・・・・・・
「あ ラスト 存在してありました 多分これではないかと思うのです」
アガレスちゃんは部屋の片隅に置いてある宝箱のような箱の中から一本の青い小瓶を取り出した
「ひどく 厳重なところにしまってあるんですね」
「そうなのです・・・・・・アガレスも使い方までは認識せずに知らないのですが・・・・・・そもそも魔青雨は魔王因子を持ったものが転生の時降らせる雨ということ・・・・・・ 時には数千年もこの雫が作られなくって発生しないこともあるものでしょう すごく貴重で珍重でレアなものなのです まぁ 使い方を知らなければどんなに貴重なものであってもお城の装飾にも使用して使うこともできないのです」
(タマちゃんはこの雫のついた賢者の石をすでに2つ持っていると言っていたいったいタマちゃんは何歳なのだろう?)
「さ ラスト これを持ってラミスちゃんの所へ帰還して帰るのです ・・・・・・あ あと・・・・・・・」
(あと?)
アガレスちゃんはなにか小さな声で言っている
「え アガレスちゃん すみません よく聞こえませんでした」
「ダンジョンの探索が終わったらみんなで魔王城に遊びに来訪して来てほしいのです アガレスは 待機して待っているのです」
アガレスちゃんは耳まで真っ赤にしながらそういった
「わかりました みんなにそう伝えておきます 日付が決まったら僕の使い魔で連絡しますね」
僕は洞窟でのインキアスの戦いの際捕まえた使い魔を使う良い機会かとおもいあえてアガレスちゃんにこう言っておいた
「期待して楽しみにしているのです あはは」
アガレスちゃんは子供のような無邪気な笑顔を僕に向けた
・・・・・・
「それでは アガレスちゃん また・・・・・・」
「はい それではくれぐれも警戒して気をつけるのです ラミスちゃんが結界を作っているとはいえ相手がインキアスやグレモールならば一筋縄ではいかないことも存在してあるのです・・・・・・実際・・・・・・本当に気をつけるのです」
一度インキアスに魔王城を追われた経緯のあるアガレスちゃんの言葉は誰よりも重い
僕は黙って頷いたあとアガレスちゃんに軽く一礼し皆の待っているダンジョンへ開いたポータルへと入っていった




