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90_お風呂とポータル

 ベースキャンプを設営した僕たちはここからダンジョン地下15層の祖母の魔王時代の宝物庫をめざす事となっているのだが体を魔気に慣らしていくため一層下ってはベースキャンプへ戻りを繰り返すこととなる

 幸いにも僕には祖父の形見である魔導書がありこれを使うことにより一度行ったところにはポータルを開くことができる

 このポータルを使うことにより下層からベースキャンプへ帰るときはかなりの時間短縮につながるだろうと予想できた(下りは体を慣らすのが目的の為ポータルはつかわない)

 ただ 僕の使うポータルには欠陥というかバグというかそういったものが存在する 実はこのポータルは出口がなぜだか湯船の上なのである しかも女性入浴中の湯船の上にでるという奇妙な特性があった

 この特性を活かし?ベースキャンプではタマカーの隣に露天風呂を建設することとなった

 僕たちが地下へ進んでいる最中は居残り組のタマちゃん 梨花 グレモ ユグドラ ナバが24時間体制で交代しながらこの温泉を使うこととなっている

 まずはこの露天風呂がきちんと効力を発揮するのかテストだ


「おーい リストー いいにゃー ふぅ」


 湯船の中で水着のタマちゃんが気持ち良さそうに僕の見える位置で手をふり声をかけた


「行くぞ! はああああ 転移ゲート!」


 僕はそれっぽく手のひらを顔の前に出したあとその手を前にしてポータルを開く格好は水着パンツ一丁に魔導書だ まわりのみんなの失笑を感じる しかしそれでいい 

 魔導書は派手なアクションがなくとも魔法を発動できる便利なアイテムであったがこういったアクションがあることによってまわりの雰囲気が和むのは良いことだと思う

 その証拠にやれやれといった感じであるが確かにみんなニヤリとしている

 もちろんパン一であるということに対しての照れ隠しでもある


 ドッポーン


「着水 成功!」


「にゃん ・・・・・・う うまくいったにゃ ラ ラスト これで帰還の際のリスクと時間の低減を確約にゃ」


 僕の湯船に落ちた水しぶきを頭からもろに浴びたタマちゃんは顔を手で覆ってついた雫を払う

 顔は笑顔だがどこか引きつった面持ちだ


「次のかた どうぞにゃーん」


 タマちゃんはポータルの前で待っている他の面々に手を上げる 顔はポータル出口からそむけた

 祖母に小さな父をつれた母 アルミちゃん カンナさん サキさん ナベちゃん が次々とポータルをくぐる


「うお」


「きゃぁ」


「ひぃ」


「よいしょ」


「いやん」


「あらまぁ」



 皆それぞれ掛け声をかけながら落水する

 メンバーが湯船にそろったところで皆顔を見合わせると安堵の表情を見せた


「おおい みんなぁ おつかれさんだでぇ 今 タマカーから果物ジュースとってきたけぇー のみんさいよー」


 ナバはなぜだかバニーガールの格好ですごいスピードの瞬間移動をくりかえしながら皆にジュースを配っている


「なぁ なぁ タマちゃん うちぃ ここ すっげぇ なつかしいだっちゃなぁ」


 ナバはバニーガール姿のまま湯船のタマちゃんの隣に入水すると湯船にジュースの乗ったお盆を浮かべて話し始めた


「にゃはは そうだにゃ ナバはここでスキルの特訓したからにゃー おお すまんにゃ」


 タマちゃんは湯船の中で浮かべられたお盆の飲み物を手にとるとそのままそれを口に運ぶ


「なぁ タマちゃん 今回の探索 どう思う? だいじょうぶだとおもうかぁ?」


「? ん 魔獣のことかにゃ そうだにゃぁ・・・・・・  たしかに前回このダンジョンに来たときは18層の魔獣にらみやアガレスが追いかけられてそれを13層で仕留めた いや 違うにゃ 魔獣をあえて上層におびき寄せ四天の強力な力で討伐したんだったにゃ・・・・・・ああ あのときは確かに危険だったにゃ アガレスもラミも瀕死の状態だったにゃ ただ まぁ 今回は降りるのはダンジョン地下15層までにゃ そして ラミスに四天 らみにアスモディウスまでいる・・・・・・仮に地下18.19層の強力な魔獣が出てきたとしても心配はないとおもうがにゃ」


「まぁ そうだなぁ アスモにラミスに四天にらみにリスト みんな 魔王級だけぇなぁ心配はねぇってことだなぁ あはは」


「 たまちゃー おにい なばぁ ちょっとお」


 遠くで梨花が呼んでいる何かあったのだろうか?

 僕たちは顔を見合わせたあと普段着に着替えタマカーで待っている梨花のところへと向かった


「梨花 どうしたんだ?」


「おにい さっきからグレモちゃんの様子がおかしいんだけど・・・・・・・」


「イヒヒ・・・・・ 我が名は・・・・・・」


 タマカーから梨花に手を惹かれ出てきたグレモはなにか遠くを見てボーッとしながら小さな声で何か言っている

 普段見えないであろう魔気がグレモのまわりに渦をまきそれをグレモが口から吸収しているように見えた


「ラスト 梨花 離れるのじゃ」


 祖母が声を上げた瞬間グレモに渦巻いていた黒い魔気がムチ状に形を変え僕たちに襲いかかった

































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