83_サキさんのお仕事
僕はロビーで売店で触鬼ジェムからドロップしそれを加工して凍らせた ジェムラートを両手に 梨花とグレモのところへこぼれないよう慎重に運んでいく
「ユグドラもほしいじょ」
「なら うちも」
「あらぁ ラストちゃん・・・・・・私にも そのヌメヌメしたの ち ょ う だ い あふうん ねぇ」
(サキさん 言い方!)
「それなら 僕ももらうよ」
ユグドラにナバ サキさんにアルミちゃんまでが一斉にジェムラートを所望する 風呂上がりと冷たいジェムラートは組み合わせ最高な一品 ここの売店にこれをおいた人はよほど商売の才があるのだろう・・・・・・そんなことを考えていたがよく考えていたらここはサキさんのグループが経営していたのだったことを思い出しひとりでなるほどとうなずく やはり成功する人というのは人の欲望や行動パターンを熟知しているのだろう
僕は売店とロビーを往復して皆にジェムラートを行き渡らせた
魅惑のジェムラート作戦のおかげもあってかタマちゃんたちとの休憩の交代時間が近づく頃にはグレモちゃんも皆にうちとけ始めていて僕やアルミちゃんが話かけると一瞬動きが止まるがなんとか受けごたえはできるようになるまでにはなっているような感じを受けた
・・・・・・
僕たちはタマちゃんやリリスたちと休憩を交代するため一度タマカーまで戻った
「にゃんと・・・・・・ では その女の子が古の魔王グレモールとインキアスの精神を食べてしまったってことにゃのか?」
タマちゃんはタマカーの操縦席に座り隅の方でユグドラや梨花と遊んでいるグレモちゃんをながめる
「・・・・・・魂はどこ・・・・・・にいくのかにゃ?・・・・・・」
タマちゃんはポツリとつぶやく
「え? なに?」
よく聞き取れなかった僕はタマちゃんに聞き直す
「にゃはは にゃんでもないにゃーよ それよりラミスにはもう報告したのかにゃ?魔王不在はこの世界のバランスを著しくくずすことになるにゃ これからの対策は元魔王であるラミスやアガレスが考える必要があるにゃよ」
「ふふ あらぁ ねこちゃん ラミス様には 伝言を私の従魔で もう 送ったわよ ねぇ」
「にゃはは さすがは サキ 仕事がはやいにゃ」
タマちゃんはその後少し何かを考えていたようだったがなにかをひらめいたように急に声をあげる
「・・・・・・とりあえず お風呂にいってくるにゃ」
そうしてタマちゃんとリリスたちは僕たちと交代で休憩に入った
・・・・・・
「ただいまーにゃ」
タマちゃんたちが温泉から帰ってきた頃サキさんの従魔によって連絡を受けた祖母の返信の従魔がタマカーの操縦席の丸い窓の外をうろうろと飛んでいた
サキさんは窓を開きその従魔から手紙を受け取るとそのままタマちゃんに渡した
「フムフム にゃるほど・・・・・・サキ ラミスやアガレスは魔王城で落ち合おうと言っているがどうするにゃ?」
「あらぁ ねこちゃん ラミス様が そう言っていらっしゃるのであれば 従うだけよ ふぅ」
・・・・・・
僕たちはタマカーで川の温泉街を北上して毒霧の森を通り魔王城へと向かうこととなったが
サキさんはサキさんの経営するマナボード国立公園の有料駐竜車場の事務所へ一度顔を出したいという事でそこへ立ち寄った
「姉さん お疲れ様でございやす おい てめえら 姉さんがたにお茶くらい入れやがれ」
今 サキさん タマちゃん アルミちゃん そして僕は駐竜車場の管理事務所の応接室にいる
駐竜車場へ見慣れない車が止まったことに素行の悪そうな2,3人のレプラコーン族の黒服がタマカーの周りをいぶかしげに見回していたがタマカーから降り立ったサキさんを見て驚いたその中の一人が事務所へ猛ダッシュしたあと少し太り気味の男がこれまた2.3人の男を引き連れてふうふう息を切らせながらやってきた
「姉さん 来るなら来るって 言ってくださらねぇと・・・・・・はぁはあ」
この男黒服は着ているもののネクタイは曲がりズボンのチャックは半分降りている状態で繕ったであろうその狼狽ぶりが手に取るようにわかる
僕たちはこの男により事務所の応接室へと通されたのだった




