表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

81/115

81_うさぎと少女

「なんだぁ ばかっていうもんがばかだぁ アルミちゃんのばかぁ」


 ナバは小さく馬鹿といったアルミちゃんに返答すると 「なぁ」 と言いながらグレモににっこりと笑いかけた


「えーと グレモちゃんだったかいなぁ こわがらんでもええけぇ こっちにきてナバおねえさんの横にはいりんさいなぁ な」


 湯船に浸かったままの僕の頭上をグレモちゃんが通り過ぎていく 僕はその気配に体をこわばらせた


「うひゃひゃひゃ おねえちゃん やさしいね イヒヒ 」


 グレモはそういうと湯船に入りナバの隣に行くととらばさみのように尖った歯を持った口を開いて笑った


「なぁ グレモちゃん あんたぁー ひとりでここにきたぁあかぁー? おとうちゃんやおかあちゃんはおらんだかぁー?」


 ナバは湯船に浸りボーッとしたままリラックスして足をのばしたまま開いたり閉じたりしながらグレモにきいた


(なんて格好だ・・・・・・)


「うひゃ? んー おとうさん? おかあさん? んー いない とおもう お父さんインキアス お母さんグレモール なら 食べた イヒヒ グレモちゃんは魔王城から歩いてきたの イヒヒ」


 グレモからの返答に僕たちは緊張した体をさらにこわばらせる


「ふーん そうかぁ グレモちゃんは一人でここまできたぁかあー すげーなぁ」


 ナバはグレモの返答の中にインキアスやグレモールを食べた 魔王城からきた というワードがはいっていたにも関わらずそこをスルーしたようだ どうやらこのうさぎには温泉の気持ちよさにかまけて都合の悪いことは聞こえていないようだ


「ふああ ずっとこうしていてえなぁ それでぇー グレモちゃんかいなぁ あんたぁ これからどうするつもりだあ 本当にナバねえちゃんやあについてくっだかぁ?」


「うひゃひゃひゃ んー グレモちゃんはナバ姉ちゃんについていきたいなぁ でも そっちのお姉ちゃんたち怒ってるみたいだし・・・・・・」


 ちらとこちらを見るグレモちゃんの真っ赤な目に僕らはいっそう緊張する


「ちょっっ ナバ」


 たまらずナバに話しかけるアルミちゃん そしてすぐにグレモの方をむいて厳しい顔で言った


「グ グレモとか言ったか? お前はなにが目的だ! なにをしにここへ来た! 僕たちに近づいた目的はなんだ!」


 ・・・・・・


「・・・・・・う」


(あ)


「・・・・・・う」


(なんか)


「・・・・・・・っく」


(グレモ)


「うわ・・・・・・・」


(泣きそう)


「ゔえーーーーーん」


 その時グレモのまわりから大量の魔気の渦と覇気が噴出し湯船のお湯を上方へ巻き上げた とっさに植物の蔦で梨花とサキさんのまわりを囲うユグドラ


(やばい)


 そして僕は反射的ににナバとグレモの体を強大な魔力で抱え込むような結界を作る


「ぐわあああ だ 大丈夫だでぇ っぐ アルミお姉ちゃんは こわくないでぇ なぁ っく 大丈夫 大丈夫 ないたらいけん な ないたらいけんでぇ」


 この魔気の中声を出すのも辛いはずのナバは必至にグレモをあやしている 普通の人間なら失神しているレベルだ


「ヒック ほ 本当? ック」


「そうだでぇ っっグ こわくないでぇ ほら このお兄ちゃんもこわくないでー」


 そう言って瞬間移動で僕の後ろにまわりほっぺたをひっぱって変な顔をつくる


「・・・・・・」


「いやぁあああああああ」


 グレモは僕の顔におびえおどろき更に魔気を噴出させる


(失礼だぞ グレモ)


「あわわわ グ グレモちゃん い 今のは 冗談だでぇ ほ ほら みてみんさい アルミおねえちゃんも おこっとらんでぇ」


 ナバは厳しい顔のまま放心しているアルミちゃんの後ろに分身を登場させほらほらと後ろから小突く

 アルミちゃんは小さな子どもを泣かしてしまった罪悪感からかひきつった笑顔をかろうじてつくって見せた


「っく っく 本当? 怒ってない?グレモちゃんおねえちゃんといてもいい?」


「ええでぇ でもお姉ちゃんやぁ ちょっっとだけグレモちゃんに聞きたいことがあるだけどええかぁ?」


 グレモはしゃくりあげながらアルミちゃんの引きつった笑顔でなんとか落ち着きを取り戻した

 ナバがアルミちゃんが思っていることであろうことをやさしくグレモに聞いていく


「えーっとなぁ まずはグレモちゃんは確か魔王城の方から来たっていったけど家はそっちのほうかぁ?」


「うひゃひゃ ナバお姉ちゃん違う 魔王城のほうじゃなくって魔王城から来たの イヒヒ」


「うーん あと お父さんインキアス お母さんグレモールって言っとったけどお父さんお母さん今魔王城におるだかぁ?」


 僕はナバがグレモの話を聞いていないとおもっていたがそれは間違いだったようだ ナバの今までの力の抜けた行動はグレモの情報を引き出すための作戦だったようだ


「・・・・・・ナバねえちゃん」


 グレモはここに来た経緯をぼちぼちと話し始めた


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ