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80_温泉と少女

 川の温泉についた僕達はさっそくタマちゃんたちと別れサキさんの経営している温泉旅館へと向うこととなった

 この温泉街は昔タマちゃんと祖父の勇者リストが川の中で偶然源泉を見つけそれから発展していった町だと聞いている

 温泉街入り口にはこの偉業に敬意を表し祖父とタマちゃんの銅像が大きく飾られていて温泉街のシンボルとなっているが祖父が死んでしまってからは墓の概念のないこの世界ではまるでこの像が墓標のように感じられる

 僕はこの像に一礼をして温泉街に入った


「おにい お風呂いこ」


 梨花はうれしそうにナバに手をつながれそれをぶんぶん振り回しながら僕にいう

 この温泉旅館の温泉は入り口は男女分かれているが裸で入る浴槽部分を通りぬけると水着で入る男女共用部分があり僕らはいつもこの共用部分で湯船につかる

 さっそく僕等は共用部分で待ち合わせをした


「ふぅ ラストちゃーん あはぁ こっちよう ねぇ」


 サキさんが皆と入っているジャグジー風呂風の泡の出るお風呂から僕を呼んだ 僕は何の警戒心もなくそのお風呂につかった


「あはぁん そろそろ わ た し 出ようかしら・・・・・・体がほてっちゃうわぁ ねぇ」


「そうだな 僕もそろそろ別のお風呂を楽しもうかな」


 しばらくそこで談笑しているとサキさんとアルミちゃんが場所を移動しようと一斉に立ち上がった


「あ ふぅ」


「!」


 目の前で信じられない光景を目の当たりにした 僕の視線はその光景に釘付けになった


「サッササキ ちゃん ききき 君はなんて格好しているんだ ば 馬鹿 ラスト き 君はこっちを見るな」


 こともあろうにサキさんの水着はほとんど 紐 だ

 どうやらアルミちゃんはサキさんの格好が泡の出るお風呂の泡のため確認できていなかったようだ


「あはぁ あらぁ アルミ この格好 かわいいでしょ あふう ねぇ」


「サキちゃん・・・・・・ 走れー」


 ぱちーん


 アルミちゃんは次のアトラクションに走っていくようサキさんの尻を弱くはたいた


「いやーん いったーい ひっどーい わぁ ねぇ」


 ・・・・・・


 そんなドタバタを楽しみながら僕らの時間は過ぎていこうとしていた

 僕等がアトラクションをほぼ一巡しジャグジー風呂へとあつまりそろそろ風呂場から出ようとしていたそのとき 1人の少女がこの共用部分へと入ってきた


「な なんだ あれは・・・・・・ だめだ ラスト目を合わせちゃいけない」


 その少女は縦ロールにした碧い髪をふわふわと揺らし一見普通の子供にも見えた しかし纏う魔気は魔族の持つそれをはるかに超えている アルミちゃんはいち早くそれに気づき皆に伝えた サキさんとユグドラもすぐ気づき梨花とナバの隣にそっと移動した


「・・・・・・」


 僕等はジャグジー風呂の中アイコンタクトを取りながら黙ってその場をやりすごそうとしていた


「あひゃひゃひゃ グレモちゃんもここに入っていいかなぁ ねぇねぇ どこから来たの?これからどこ行くの?」


 グレモちゃんと自分で名乗ったその少女は億劫もなく楽しげに僕たちに話しかけた


「あ 僕たちはもう上がるところなので・・・・・・」


 アルミちゃんはさらっとそういって立ち上がりみんなに湯船から出るように促した

 しかしその声は小さく震えているように感じた


「あひゃひゃ えええ グレモちゃん 今来たところなのにもうあがっちゃうの?やだよぅ イヒヒ お話しようよぅ」


 ・・・・・・


 その不穏な雰囲気にその場の空気が凍りついた感じがした


「なんだぁ あんたぁ ひとりかぁ おとうさんやおかあさんおらんだかぁ お姉ちゃんたちといっしょにおりたいだかぁ?」


「バっばか!」


 アルミちゃんの焦った声が漏れた そのとき能天気な声を上げたのはナバだった


















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