79_失策の魔王
僕たちの乗ったタマカーは魔力の消費を抑える小魔力モードで走っているため通常よりゆっくり目のスピードで目的地へと向かっている
小魔力モードとはいえ魔法迷彩を発動しているため外からはほとんど見えないらしい
タマカーのコックピットではタマちゃんが毒霧の森を作ってしまったといわれている古の魔王グレモゴールについて話をしていた
「みんなぁ お茶いれてきたでぇ なに難しい顔しとるだぁ これのみんさい のみんさい」
タマちゃんの話を聞いている僕たちにナバは機転を利かせてお茶を入れてきたようだ
ナバは自分の残像を残しながら皆の前に現れ極上のスマイルを見せながらお茶を置いていく
「ナバ こんなおいしいお茶どこにあったんだ?」
アルミちゃんはそのお茶を一口飲むと一息ついてからナバに聞いた
「ああ これユグちゃんがもっとったでぇ」
「じょじょじょ ユグはすごいじょ おいしいお茶を持ってるじょ」
ユグドラのほうに目を向けると両手を広げた状態でなにやら葉っぱのようなものをマジシャンのようにひらひらと床に落とした
(このおいしいお茶の正体はユグドラが出した葉っぱのものか さすがは植物の精霊 あとでこのお茶の名前と生息地を聞いておこう)
「あ わりいなぁ タマちゃん 話をとめちゃったわぁ 続けて 続けて 続けてなぁ」
ナバは残像をひとつにすると部屋からそそくさと出て行った
「にゃ すまんにゃ ナバ お茶をいただくにゃよ」
タマちゃんはナバの入れたお茶を一口すすると話の続きをはじめた
「それでにゃ 毒霧の発生後グレモゴールは穴を掘っていた人員の数倍の魔族を投入してこの穴を埋めようとしたにゃ ・・・・・・しかし魔族たちは感染して死人を増やすばかりでいっこうに毒は止まらなかったにゃ グレモゴールはどんどんと人望を失っていき 1人の術師の女がグレモゴールを討伐せよと声をあげたらしい そして声をあげた術師たちはグレモゴールを討伐し毒霧の森へと封印したといわれているそうにゃ・・・・・・まぁ これはもう伝説のようなもので本当に魔王と呼ばれる者が封印されたのかどうかは眉唾ものにゃ タマはもし本当にグレモゴールが封印されたのであればその女はその頃敵対していた神の使途ではないかとみているにゃよ」
「へぇ そうなんだ・・・・・・それじゃあ 毒霧の発生はいわば人災ということなんだね」
僕はタマカーのコックピットの窓から流れる景色をながめながらタマちゃんに相槌をうつ
「にゃ あとわかっていることは毒霧発生のメカニズムはどうやら魔気の根源の活動が関係してるらしいってことにゃ・・・・・・まぁ そんなことがわかったところでどうしようもないんにゃがにゃあ にゃはは」
「あはん そうよ ラストちゃん 私ができるのは 様子を見て事業が続けられるか見極める だ け な の ねぇ」
サキさんはゆっくりと吐息のような言葉でそういった
「にゃ それはそうと そろそろ川の温泉の近くに来ているけど食料の補充もかねて 少し寄っておきたいとおもってるにゃ どうかにゃ?」
タマちゃんはグレモゴールの話を切り替えると川の温泉へ向かうことを提案した
状況を考えると危険な行動ではあるのだろうが補充が目的であれば仕方のない選択だろう
「2班にわけて行動するにゃ ラスト アルミ 梨花 ユグドラ サキ ナバが温泉に行っている間にタマ と リリスたちは食料などを調達するにゃ その後ラストたちはタマたちと交代してタマカーで待機・・・・・・行動は逐一魔力レシーバで連絡でいいかにゃ?」
「おにい おんせん ユグちゃんおんせん おんせん おんせん」
ユグドラ ナバと手をつないでくるくる回りながらはしゃぐ梨花を見ながら僕とアルミちゃんは目を合わせ少しだけ緊張を約束した




