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78_病原の沼

「ふう あはぁ なんだか 2人からあま~い香りがするわぁ ねぇ」


 アルミちゃんの部屋からタマカーのコックピットへと戻った僕たちを待っていたサキさんはニヤニヤしながら舌なめずりをする

 サキュバス族のサキさんには僕たちから漂うヒールの残り香がわかるのだろう


「サキちゃんからかわないでくれ」


 アルミちゃんが真っ赤になりながらサキさんに釘を刺す


「あらぁ なんのことかしらぁ ねぇ ラストちゃん うふふ」


「おにい なにかお菓子たべた? 梨花にも」


 梨花は甘い香りが何かわからず無邪気にお菓子をねだる


(梨花 おにいは少しだけ甘い果実をいただきました)


「ああああ 梨花 お お菓子はこっちにあるでぇ でへへ」


 どこからかお菓子を持ってきたナバがすごいスピードで梨花やユグドラの手にお菓子をおいた


(グッドジョブだぜ ナバ)


 僕はこっそりナバに親指を立てるとコックピットで少し難しい顔をして前を見つめるタマちゃんの横に近づいた


「おお ラストゆっくり休めたかにゃ」


「うん タマちゃん・・・・・・助けに来てくれてありがとう」


「にゃーに気にするにゃ にゃはは」


「ところで タマちゃん タマカーはどこにむかっているの?」


 洞窟から出てからタマカーはあきらかに砂漠の方向とは違う方向へと舵を切っていた為気になった僕はタマちゃんに直接聞いてみた


「にゃ 実はサキの経営している駐竜車場ってのが魔王城のちょっと手前くらいのところにあるんだがにゃ サキが言うにはそこの経営がかんばしくないらしいにゃ なんでも魔王城麓にある毒霧の森の沼から発生している毒の霧が駐竜車場から見える位置まで来ることがあるらしいにゃ それでサキが直接その様子が見たいっていうもんでにゃ 向かってるところにゃ にゃっ サキ」


 タマちゃんはちょっとだけ笑顔を作りながらサキさんに返事を求めた


「あはぁん そうよ もし マナボードを観光するお客様にもしものことがあったら た い へ ん ふぅ ねぇ」


 サキさんはいつもの色気のある調子でゆっくりとタマちゃんに答えた

 僕は毒霧の森について興味がわきタマちゃんにそれがどういうものなのかを聞いてみた

 タマちゃんはユグドラ サキさん アルミちゃんを確認を取るかのように見回し話し始めた


「もう 数千年も前の話なんだがにゃ そうラミスやアスモディウスが魔王をやっていたもっともっと前の話にゃ その頃の魔王はグレモゴールという魔王だったにゃ グレモゴールは人望も厚くその統治時代は数百年続いていたんにゃ そんな時グレモゴールはある政策を打ち出したにゃ」


「政策?」


「そうだにゃ 魔王城の直下には魔気の根源というものがあるというのはラストも知ってのとおりにゃ 魔族はその魔気を体内に取り込みながら生きてるにゃ グレモゴールは魔王城城下にその魔気の根源へ続く道を作ろうとしていたにゃ」


「いったい何のためにそんなことをしたの?」


「にゃ 根源は魔族の象徴のようなもの・・・・・・あるいはそこから得られるものを求めてというところかにゃ・・・・・・にゃんだが魔気の根源はエルフの町から下って地下20層という試練を乗り越えた先にあるにゃ・・・・・・これは今も昔も困難以外のなにものでもないにゃ だからもっと簡単にアクセスできる方法を持っておきたかったんだとおもうにゃ まあ後は魔族に仕事を与えたかったということもあるにゃ まあいわゆる政策ってやつにゃ ・・・・・・その方針自体は非常によかったにゃ 実際その頃の魔王城城下には仕事を求める者やその人たちを相手にして商売をする者などで町もできていたにゃ・・・・・とても栄えたにゃ にゃーが・・・・・・・」


「にゃが?」


「そう 魔王城麓をダンジョン階層の地下5層程度まで掘り進めて出てきたものは魔気ではなく病を引き起こす病原菌だったってわけにゃ 毒霧の森の中にはそのとき掘った穴に

 水がたまりこの霧の発生元となっている毒霧の沼ができてしまったんにゃ その後人は去り町は荒れ果て数百年の時をへて見てのとおりの人も寄らない広大な森が誕生してるのにゃあ」


 タマちゃんに僕が聞いた話であったがみんな食い入るようにタマちゃんの話を聞いている


「当時の魔王は何か手を打たなかったの?」


「そうだにゃ・・・・・・」


 タマちゃんは思い出すように自分の耳に手をやってから話を続けた





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