77_捕食
「なに?エルフの村への侵攻が失敗しただと?それはなぜだ? な 内紛だと? いったいお前たちはなにを・・・・・・くっ 消えろ 消滅 滅殺」
魔王城の玉座の上で足を組んでいる私は軍の報告を受けると4.5人でやってきていた部下の一人の首を飛ばす
「ひぃいい そっそれが イ インキアス様 主導したのはリリスさ さまだといううわさが・・・・・・」
次に軍の中で位が高いであろう男があせったように早口で弁明する
「ほう 貴様は軍規に逆らったものに 様 をつけるのか」
私はニヤリとしながらその男の首も飛ばした
ついでに1人を残して他の男の首も飛ばした
1人残った人間は恐怖のあまり目をこちらに見開いたまま微動だにせず固まっている
「行け」
事の真相を大まかに知った私は静かにそういって残った男を退かせたあと玉座の間にある隠し扉を入っていく
「ブロロロ・・・・・・ インキアスどうやら失敗したようだな・・・・・・ブロロロロ」
私が入った部屋のその醜悪な生き物は呼吸音であろう音を部屋に響かせながら話しかける
魔気暴走により瀕死となり魔王城麓の毒霧の森の中を彷徨っていた私に魔王の力を与えたこの粘膜の集合体のような生き物の名はグレモゴールと言う
「どうだ ブロロロロ インキアスよ・・・・・・ もっと力がほしくはないか? 今のお前の姿を見てみるがいい・・・・・・ブロロロ 元魔王たちに力が及ばず片腕を失い・・・・・・そして軍勢たちまで失い・・・・・・ブロロロロ・・・・・」
「苦悩 弱者 強要 グレモゴール 私はいったいどうすればいい・・・・・・」
「ブロロロ・・・・・・ なあに 簡単なことだ魔王・・・・・・もっと根源より来る魔気を蓄えられる 体を作ればいい ブロロロロ・・・・・・」
「そんなことができるのか?」
いや この生き物にならばそのような芸当をやってみせるだけの力があるのだろう 私はすでにその提案を呑む準備ができていたのかもしれない
「ブロロロ インキアスよ・・・・・・魔獣化した触鬼を3体ここへつれてこい ブロロロロ・・・・・・」
魔王となった私に高慢に命令するこの生き物は非力だ・・・・・・私がその気になればこの生き物を一瞬にして霧散させることができよう だが今は私はこの者に従う他はないのだろう 私はいらだちながらもこの生き物の言うとおり行動する
・・・・・・
「ウギャアアアオオ」
魔獣化した触鬼たちは猿轡をかまされているにもかかわらずそのうめきはけたたましい
「騒音 雑音 強制 うるさい だまれ!」
私はつれてきた3匹の魔獣をぞんざいな扱いではたきながらグレモゴールの目の前にさしだした
「ほほう これが禁忌の生物・・・・・・ブロロロロ 美しい・・・・・・実に美しいぞ・・・・・・ブロロロロ ほらほら インキアスなにをしているのだこちらへ来い・・・・・・ブロロロ・・・・・・」
私はいわれるがままグレモゴールの前へ行く
「私をお前の手の上へ・・・・・・ブロロロロ・・・・・・準備はよいか・・・・・・ブロロロ」
私はグレモゴールを手に乗せたまま3匹の魔獣のほうへ向ける
「すべての・・・・・・ブロロ・・・・・・暗黒の・・・・・・いにしえの・・・・・ブロロロ」
何時間にもわたる詠唱の後魔獣をつないだ結界の外にさらに大きな結界が築かれる
「前へ・・・・・・ブロロロ・・・・・・結界の中央へむかうのだ ブロロロ」
私が怪しく光る結界の中に身を投じたそのときだった
「?!」
(っく 息ができん 何も見えん・・・・・・)
視界と呼吸は腕から私の顔に這い上がってきたグレモゴールによって封じられてしまったのだ
「むがあがああああああがが」
苦しさの中ではあるがなくなったはずの腕が再生する感覚はある
「さあ ともに生きるのだインキアス・・・・・我が怨念と復讐の糧となれ」
(こいつ こいつ こいつ 私の体を・・・・・・ぐがあああがああああ)
・・・・・・
「うふふ ようやく体を手に入れたわ これより私はイングレモと名乗ろうかしら」
私の元の意識は精神の片隅に追いやられほとんどありなどしない このグレモゴールという化け物に犯されてしまったのだイングレモは私の体を好きに変形させることもできるらしい 私の体は角の生えた少女の姿に変えられ結界の中央に乱雑に積まれた形になっている私の衣服の中からマントを取り出しそれを羽織った
「まずは 手始めに元魔王とその子孫 取りまきを始末するわ うふふ 」
イングレモは無邪気に笑顔を作っているようだ
力などない私はもう・・・・・・どうでもいい・・・・・・安らぎも・・・
・・・平穏もない この場所でおびえているだけだ・・・・・・このまま・
・・・・・この精神が消えるまで・・・・・・




