63_インキアス軍討伐隊
「きゃあああ」
またもや・・・・・・ポータルを抜けるとそこは女湯であった
(いい加減このスキル面倒になってきた・・・・・・)
僕は湯船の縁に肩肘をついてため息をついた
「かっはっは ラーストー お前も男になったなぁ いつも女湯にポータル開きやがって ったく」
僕は王国郊外の敵陣地から魔王城よりの土地にポータルを開こうとした
自分の思考の中では草原をイメージしていたが出たところは川の温泉・・・・・・前にも来たことのあるサキさんの会社の温泉宿であった
このポータルの仕様は祖父のスキルプログラミングのバグなのかそれとも意図しているものなのかまだ僕にソレを解読する力はない
首を傾げる僕をよそ目に父はいつにもまして上機嫌だ
「ラーストー ひとっ風呂浴びたら さっさと小賢しい輩共をぶっつぶしにいくぞー」
父は逃げていく女性を目で負いながら僕にあがれあがれと合図する
「さっってとだ ラスト 父ちゃんがこの世界での戦いかたって奴を見せてやる ほら 服を乾かしな」
・・・・・・
川の温泉地区を出た僕たちはインキアス魔王軍のベースキャンプに奇襲をかけるべくそこがかろうじて見えるであろう小高い丘に陣取った
「ラーストー お前のスキルに千里眼ってのがねえかぁ 」
父に言われ自分のステータスウインドウを開き確認する
前にはなかったスキルであったがどうやら会得済みのようだ
「そいつを使って敵の陣地を覗いてみな」
僕はスキルを使い敵の陣地内を覗く 別段変わった動きはないようだ
「あまり 動きはないみたいだね」
「そこじゃねえ 陣地の一番奥だ 柵のしてあるところだな」
「! ・・・・・・ 魔獣」
そこにはたくさんの魔獣化された触鬼たちが枷をつけられうごめいていた
「もとは普通の人間だったのだろうになぁ ったく ひでーことしやがるぜ・・・・・・ん?」
千里眼を使い敵の陣地を覗いていた父の様子がなにか変だ
「ラーストー お父さんちょっと急用を思い出した かえるわ」
僕は慌ててそこから逃げ帰ろうとしている父の服をひっぱる
「親父 ちょちょちょ どこいくの?」
「あー ラスト 今回のミッションな・・・・・・まじ ぱねえわ やめるべ」
「なんでだよ さっきまでぶっ飛ばしてやるって言ってたのに」
「まあ お前にだけ教えてやるけどな・・・・・・あそこに父ちゃんの苦手なやついんだわ」
「えええ 親父に苦手な奴なんていんの?」
僕は弱気な父の発言に目を白黒させながら父の指した指の方角に千里眼を向ける
そこには魔王軍であろう兵士を自らの前にひざまずかし 生気のない眼を中空に向けた濃い紫の髪をした美しい女性が立っていた
「親父 きれいな人がいるね・・・・・・」
僕は父を見てもう一度同じ場所をみた・・・・・・その瞬間 その女は目の前の兵士の頭を何らかの魔法で爆ぜさせた
そして見えないはずの僕の方をみてニヤリと笑ったような気がした
僕はとっさに千里眼を解除する
「ひ ひどい」
「んなっ ラスト あんな女に関わっちゃいけねえ あとな・・・・・・この世界で父ちゃんを封印できる人間が3人だけいる 2人はお前も知ってる通りばあちゃんと母ちゃんだ・・・・・・ そしてもう一人が あれだ・・・・・・ インキアスの野郎 あんなやつ仲間に引き入れやがって・・・・・・ってわけでかえるぜ ラスト お前一人であそこ片付けてこい だーいじょうぶだーいじょうぶ お前目からビームでるだろ それでやっつけろ んなっ なっ」
(むちゃくちゃだ・・・・・・)
一刻を急ぐがここは一度帰ってばあちゃんに報告したほうが良さそうだ
僕はその丘の上からポータルを開き なべちゃん宅へ帰ることとした




