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5_ばあちゃん無双

「ラスト 梨花 よく聞いてくれこの世界ではお前たちがいた世界のように秩序が保たれておらん 生きていくためには

 戦力 魔力というものも必要となってこようぞ」


 祖母は道中歩きながら僕たちにこの世界のことについていろいろなことを教えてくれた

 見た目は幼女のようだが僕にとっておばあちゃんはおばあちゃんだ


「ばあちゃん ってことは触鬼を倒していろいろな物を集めてギルドに持っていけばお金になるんだね」


 僕はこの世界でのお金の稼ぎ方について興味があり目を輝かせて質問する


「まぁそういうことになるの レベルの低い触鬼ならばラストや梨花にも倒せるかもしれんの だがやはり触鬼を

 倒すのは冒険者の仕事じゃの 強いものや数が多いものに素人が手を出せば痛い目をみるのが関の山じゃからの そうだ

 ラスト 梨花 王都から帰ったら薬草づくりを教えてやろう 小遣い稼ぎくらいにはなるじゃろ」


 その後も歩きながら祖母の話を聞いていたが突然祖母の様子が変わった


「ラスト 梨花 ばあちゃんの後ろに隠れるのじゃ さ はやく」


 僕らは祖母の周りから緊張感のある空気を感じ祖母の後ろへ回った

 祖母は隠れろと言ったがその小さな体の後ろ側はどこから見ても丸見えだろう


 森の脇道から武器をもった2,3人の男が現れた


「おやぁ 子供が3人 こんな山道を歩いてちゃあ あぶないぞう おじさん達が街まで連れて行ってやろう」


 3人のうち真ん中に位置どったヒゲの男がヒヒヒと下卑た笑いを携えながら近づいてくる


「お主らつまらんのう 本当につまらん 相手の力量も計らず無謀に悪さしようとする」


 祖母がひとりごとのようにいった


「あらぁ おじょうちゃん 怖いのかいそんな目をして 大丈夫 おじょうちゃんのようなかわいい娘ならきっとやさしいひとが

 買ってくれるからぁ ほら こっちにおいで」


「ことわる!今日は気分が良い 一度のみチャンスをやろう お主らがこのままなにもせず立ち去るならば持っているその武器

 だけで勘弁してやってもよいぞ」


 祖母の言葉を聞いた盗賊たちの態度が急変する


「てめぇ なに言ってんだ お前ら今自分の立場がわかってんのか なに言ってんだ なに言ってんだ ああん」


 いらついた盗賊の一人が大声で僕たちを恫喝しながら手に持った剣を自分の足元に叩きつける

 チンッ という金属の音が森の中に響き僕と梨花は体をこわばらせた

 祖母と妹 2人とも腕力のない少女の容貌であり戦えそうなのは僕だけだ 僕は拳に力をいれ戦闘準備にかかる


「ラスト ばあちゃんにまかしておくのじゃ」


「なにごちゃごちゃいってんだぁ てめえらぁ こっちこいって言ってんだろう!ああ」


 盗賊の一人がばあちゃん髪の毛を掴んだその瞬間盗賊は服や武器を残して消えた

 そして次の瞬間祖母は後2人の盗賊たちの後ろに瞬間移動しニヘラと笑いながら盗賊たちの肌の露出した部分へ触れていく


「みんな消えちゃった」


 梨花がその様子を眺めながらぽかんとしている

 祖母はついてもいないホコリをパンパンと落とす


「梨花 ラスト 武器と金目の物をいただくのじゃ 心配しなくても良いぞ あやつらは裸で魔王城の麓にある毒霧の森中央に飛ばしておいた

 運が良ければ生きられるじゃろ」


(ばあちゃん どっちが盗賊だかわかりませんよ そしてなんの心配なんですか)


 うすうす感づいていたが異世界はどうやらなんでもありな世界のようだ

 ばあちゃんみたいな魔法が使えないかな


 祖母のおかげで窮地を脱した僕たちは一路王都へと歩を進められることとなった

















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