44_バニーガールナバ
ナバ目線でのお話になります
インキュバスの街に入った私はタマちゃんといっしょに様々な情報へアクセスするためサキ・ホテルアンドリゾーツの子会社であるカジノに潜入させてもらっている
私の仕事はバニーガール おもに 表向きはギャンブル中のお客様の飲み物などを提供するとともに不正などがないかをチェックしている
タマちゃんはポーカー台の方でディーラーをしているようで仕事中は目配せなどで連絡をとりあうようにしていた
仕事が終わりタマちゃんと宿屋にて落ち合う
「ナバ どうだったにゃ?なにか収穫はあったかにゃ?」
「タマちゃん今日はなぁ・・・・・・ ちょっと興味深い話をお客さんがしとったわ」
「なんにゃ?」
「最近 魔獣を引き連れて歩いとる派手めな少年を見かけるって話でなぁ この治安の悪いインキュバスの街で派手な格好で少年が歩きょうったらすぐに目ぇつけられてどこかのグループに連れて行かれるっちゅうことだけど連れて行かれるどころか手を出したグループは次の日おらんようになるっちゅう話だで コノッ コレガッ」
私は喋りながら長めの羽織を脱ぎバニーガールのキツめのボディースーツを脱ぐため格闘する
「にゃ にゃ そうだにゃ 察するのにそいつが魔王の可能性が高いにゃ ナバ その少年の姿や特徴をもう少し詳しくしらべてもらえにゃいかにゃ?」
「ええでー タマちゃん ナバさんにまかしときんさい ウーサウサウサ」
ビリッ
「あ ゴメンタマちゃん どっか やぶれた音がしたわぁ 」
タマちゃんは片方の猫耳をピクッと動かすとスウと深呼吸する
「タマの方は一応カダ火山の情報を調べてるんにゃが今の所一般の登山道は東側にあるというくらいしか情報がないにゃよ まぁもう少し情報は集めにゃいとだめそうにゃ」
タマちゃんは毎日サキさんと連絡をとりあいカジノ内での私達の動き方などを計算しているようだ
カジノ内の更衣室などを使わないのはできるだけ既存の環境を壊さずかつトラブルを避けるための施策のようだ
私は次の情報に向けタマちゃんと食事と念密な打ち合わせを終えるとベッドで倒れ込むように眠る こう見えて仕事中は結構緊張しているのだ
カジノは24時間こうしている間にも情報を握っている者が現れているかもしれないが今は休もう
次の日タマちゃんのポーカー台に成金風の男が座る この男はサキさんの会社などを買収しようとしている新魔王の手下らしい情報をすでに入手済みだ
タマちゃんは私に作戦Aの決行を客にわからぬジェスチャーで伝える
私もタマちゃんに秘密のジェスチャーで返す いきなり胸の位置を直すバニーガールは少し不自然かもしれない
「お客さま ワインでございます」
私はお客様の機嫌を伺いながら飲み物を渡しお客に笑顔の残像を残したままタマちゃんの背後にまわり手札を伝える
タマちゃんは何事もないようにカードをお客様に配る
「おお やったぁ」
思わずガッツポーズを決めるお客様に私はすかさず声をかける
「お客様 すごいですね ラッキーじゃないですか」
そして媚びたような目をした私の残像を残してタマちゃんにカードの情報を渡す
「おおおお またきた またきた はーっははっっは」
本来であればお客様に従業員がこの場面で声をかけることはご法度であろう しかしここは私達のテリトリーだ 作戦は遂行されていく
「お客様 素敵です もう一杯ここに置いておきますね」
私はわざと肌が当たるように 飲み物を渡す お客様はもう有頂天だ こういうときは何を聞いてもペラペラと本当のことを喋りだす
そして私はお客様の隣りに陣取り情報収集に乗り出す
「お客様 随分とお金持ちでいらっしゃいますね」
「はーはっはっは わかるか? そうか どうだ この時計」
お客様は手首に巻いた少しダブついた感じの金の腕時計を誇らしげに私に見せつけると一枚のカードをテーブルに切り出した
「すごーい 時計 随分お高い時計なんでしょうね 私もほしーい」
本当は金の時計など興味はない 私の中では美味しい人参が最近のブームだ
私がさらに近づき目をぱちぱちさせながらそう言うとお客はさらに有頂天になり話始めた
「ふっふっふ そうかそうか お前もほしいのかボスに会わせてやろうか?」
本来であればここまでで有力な話が聞けない場合お客様の勝ちは没収し少しの手数料を頂いて手仕舞いとするのがいつもの方法だが今日はタマちゃんより作戦Cの決行が
ジェスチャーにより宣言された
ここは勝たせてもう少し突っ込んだ話題を引き出せという指令である




