34_タマカーリラックス
昼間の灼熱の砂漠を移動していてもタマカーの中は快適だ 魔力供給による空調システム 温度管理 揺れや振動を抑えた構造などどれをとってもこの世界の世界観をくつがえすほどの発明だ 確かに数世代先を行くようなこのような発明品は下手をすればこの世界での戦いの火種となりかねないだろう
「ん 大丈夫ニャ タマカーには認識阻害システムが搭載されてるにゃ 砂漠を走ってるときは他の人には見えにゃいにゃよ まぁ問題もあるけどにゃ・・・・・・」
僕が心配してタマちゃんにそれとなく大丈夫なのかと聞くとタマちゃんはあっけらかんとしながらそう答えた
「おにい シャワー開いた 交代」
タマカーに乗った興奮も落ち着いてきたであろうタマカー出発の次の日 妹の梨花はタマちゃんのすすめでシャワーを浴びシャツと短パンというなんとも緊張感のない格好で僕の前にあらわれた
皆 順番にタマカーに備えられたシャワーで体を流したあと最後に僕の番が回ってきたのだ
シャワーから出てきた皆はリラックスしている様子でかなり緊張感のない格好でいるため一人男の僕にとってはかなり気まずい空間になっていてそそくさとシャワー室の方へ移動する
「それじゃあ いってきます」
「おーう 行ってくるにゃ 行ってくるにゃ」
シャワー交代制の為アルミちゃんと運転を代わっているタマちゃんが前を見ながら僕に手をふった
「おおお 生き返るー」
数日ぶりのシャワーに体が癒やされる
今回この旅のために用意された水はユグドラが用意してくれたらしい 通常水魔法の使い手がいない場合 水は王都のショッピングモールで固形の水を買い使用する際生活基本魔法で展開し圧縮を解いて使う 固形水はかさばる上高価であり料理や飲料にしか使えない 本来ならばシャワーに使う水はなかったのだが飲料用タンクに水を給水しようとしていたタマちゃんにユグドラが植物を使った給水方法を提案したそうだ
ユグドラは足元から何本かの植物の蔦を出現させたあとそれをタマカーの飲料水のタンクへと伸ばしいとも簡単に地中の水分でタンクを満タンにした
そのあとはユグドラの勢いでシャワーのタンクや水洗用のタンクなどもフル充填されたらしい
(すごいなユグドラ)
「おにい すぐ出て!」
シャワー室のドアが開く
「お おま なな・・・・・・」
驚いた僕は前も隠せないまま呆然と立ち尽くす
「いいから はやく!」
「生命の危機ミュー すぐにここから離脱するか戦闘態勢を取るミュー」
梨花の肩口に乗っているミューがけたたましくアラートをがなりたてている
僕は濡れた体を拭くのもほどほどにしてパンツ一丁で服を抱えてコックピットへと飛び出した
「ラ ラスト き きみは な なんて格好をしてるんだ いや それどころじゃないか」
アルミちゃんはさっきまで自分も露出の多い格好をしていたのを棚に上げ僕を横目でチラチラ見ながらコックピットから見える砂漠の砂煙を指差した
「ああ やっぱり 来ちゃったにゃあ みんにゃー サンドワームにゃ どうするにゃ?」
「あれ タマちゃん この車認識阻害システムで他の人に見えないんじゃなかったっけ」
「ラストそのとおりにゃ 確かにタマカーは認識阻害システムを搭載しているんだけどにゃ それは魔法によって周りの景色と一体化させてるだけにゃ 車が走る際に起こす振動は抑えられてないにゃ もともと目のないサンドワームにはこの手の認識阻害は通じないにゃ」
(ああ それが問題だったのかぁ)
タマカーは全速力でサンドワームと反対方向へと移動しているが追いつかれるのも時間の問題だろう




