31_カリブラ
ほどなく川にかかる橋を通った僕達は眼下に広がる河原におりて狩と食事をしようという話となった
「森にある若芽や木の実なら用意できるじょ ほい」
ユグドラは両手を一杯に広げると空に向かって突き出した
すると大地から様々な木々や草がいっせいに飛び出し芽吹き実を付けた
「すごいすごーい やっぱり ユグドラちゃんすごーい」
珍しく梨花がはしゃいでユグドラの手をとると自分のほうへひきよせ頬ずりする
「梨花 梨花 ちょっ ちょっと やめるじょー やめるんだじょー ふにゃあ きゃははは」
ユグドラも嫌ではないのかやめろといいつつ梨花のなすがままになっている
タマちゃんはユグドラ ナバ 梨花を木の実の収集及びカマドの設置班 タマちゃん アルミちゃん 僕を狩の班に分けて行動できるようにパーティーを編成した
「それじゃあみんなタマたちはちょっといってくるにゃ ここはたのんだにゃ」
僕達パーティーは川下から川上に向かい触鬼を狙う
「さて アルミ ラスト タマたちは河原にいる触鬼を倒して食材をドロップさせるにゃ やり方はこの前教えたとおりにゃ アルミとタマで触鬼をおびき出すからラストが好きな方法でしとめるといいにゃ」
「タマ あそこだね」
「にゃ」
アルミちゃんはタマちゃんに目線を送って2人は一斉に走り出す
眼の前にある小さな茂みの中になにかいるようで一緒に走っていた2人は途中で別れ茂みを挟む
タマちゃんは走りながら腕から一本の分銅をジャラリとたらしアルミちゃんは背負っていた大剣を抜いた
2人は茂みのまわりをを走りながら分銅と剣を下の石にぶつけて大きな音をたて茂みの中を威嚇する
ガササッ
「タマ ラスト 出るぞ」
「ニャ」
「っせいっ」
茂みの後方に来たアルミちゃんは空中で大剣を大きく振りかぶりそれを地面にたたきつけいっそう大きな音と地を揺るがすような衝撃を茂みの中にあたえた
キヒィー
悲鳴なのか怒りの咆哮かわからない鳴き声をあげてイノシシに似た触鬼が茂みの中から飛び出した
「タマッ」
「ニャッ」
飛び出した触鬼の後左腿の辺りにタマちゃんの分銅が命中する
ギャヒィー
「ラスト!」
アルミちゃんが叫ぶ 片足を引きずりながら僕の正面で突進してくる触鬼に向かい僕は足元の石を広い魔力を込める
魔法弾だけという選択肢もあったのだがいかんせん自信がなかった為 石という物質的なものに魔力込めて投げつけることにした
「大きく ふりかぶってー そりゃ」
僕の投げた石は予想に反して巨大な火の玉となり触鬼を襲う
「おい!」
「逃げるにゃ」
途中まで僕の投げた石を見ていたタマちゃんとアルミちゃんだったがその意に反した巨大な火の玉を見て数十メートン横まで飛び避けた
ドドズガーン
石が触鬼に当たったと思われた瞬間巨大な炎柱が立ち上り爆風によって巻き上げられた石が急いで岩陰に隠れたタマちゃんアルミちゃんにパラパラと降り注いだ
「やっつけたにゃ? ニャハハ 死ぬとこだったにゃ」
「むー」
岩陰から出てきたアルミちゃんとタマちゃんの反応は相対的だタマちゃんは嬉しそうにしていたがアルミちゃんは今にも泣き出しそうな顔をして岩の影からこちらに顔を出し睨んでいる
しかし様子が変だ
「アルミちゃん 大丈夫?」
「ラストこっちにくるな!」
僕が近づこうとするとアルミちゃんは大声で僕の接近を拒んだ
「どうしたのさ アルミちゃん 本当に大丈夫?」
「こっっっちに来るなと言っているだろう!」
「にゃっははは ラスト それ以上は近づいちゃだめにゃ」
そこに見たのはアルミちゃんの胸当てを人差し指でくるくる回しているタマちゃんの姿であった
「これにゃこれにゃ アルミの胸当てさっきの爆風で飛ばされたにゃ にゃはは にゃはは」
(えー そうはならないでしょうよ?)
しかしアルミちゃんの戦闘用でない胸当ては軽く紐で結んであっただけのようで今回の件で爆風に弱い欠陥があることが露呈されてしまった 今回の件以来 アルミちゃんの戦闘用ではない胸当ての紐にも皮と金属の固定具がついたことは知る人ぞ知る事実だ
「ラスト ちょーっとそのまま待ってるにゃ アルミほーいにゃ」
アルミちゃんは岩の横から手だけ出しタマちゃんから胸当てを奪い去るように受け取るとそそくさと付けて真っ赤な顔をして岩陰から現れた
「ラ ラスト き き きみって奴は・・・・・・いつもいつも」
「にゃはは アルミ今回はラストのせいじゃないにゃよ 別にラストもアルミのお胸が見たくてあんな魔法放ったんじゃにゃいよにゃ?」
タマちゃんがすかさずフォローを入れる
(ええ ちょっと魔法は自分でもびっくりしましたが正直お胸はちょっとみたかったですよ)
ドゴッ
僕のお腹をアルミちゃんの大剣の柄が突き刺さった
その後3人で仲良く?ドロップ品を採取した後ベースで待っている梨花たちのところへ帰ることとなった




