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29/115

29_誤差

「ユグドラ こっちが梨花 ラストの妹にゃ こっちはナバ こちらの世界にはいない兎人族の娘にゃ みんなタマの友達にゃあ」


 タマちゃんはユグドラに僕達を簡単に紹介して今回の旅のこと これから僕が転移ゲートを開くことを伝えた


「タマ ユグドラもいっしょにいくじょ」


「え なんでにゃ?」


「ああ 新魔王による触鬼の魔獣化はこの世界の自然界にも大きく悪影響をあたえはじめているじょ ユグドラもここにじっとしていても新魔王に関する情報が入ってこないとおもっているじょ だから ユグドラも一緒にいくんだじょ」


「・・・と言ってるにゃけどみんなどうするにゃ?」


「僕は 反対だ!」


 アルミちゃんが即答する


「えー アルミちゃん そんな ひどいじょ 絶対 ラストにちょっかい出さないから やくそくするから ユグドラもいっしょにいきたいじょ いきたいじょ」


「むむ」


 まるで駄々っ子のようになってしまった ユグドラは腕をジタバタさせながら転げまわっている

 それを見ているアルミちゃんは少々タジタジになっているようだ


「私のなら吸っていい」


「?」


「ちょっとなら マナ あげてもいい」


 声を上げたのは妹の梨花であった


「ユグドラ かわいい タマちゃんアルミちゃん 梨花は ユグドラつれていきたい」


 梨花は転げ回るユグドラをそっと抱きかかえると子供のように撫でた

 梨花の肩越しにアルミちゃんを見ているユグドラは一瞬ニヤリと悪い顔をしたように見えた


「チッ」


 小さく舌打ちをしたアルミちゃんは苦笑いでやれやれという感じでその場に座った


「ふう ユグドラ 君は強いんだからなにかあったら加勢してくれよ いいかい」


「わかったじょ なにかあったら加勢するじょ」


 梨花のわがままのおかげで話はついたらしい しかしマナを吸っていいとは梨花も思い切ったことを言ったものだ

 梨花とみゅーとユグドラで幼女パーティーのできあがりか?今後の活躍に期待したいところだね


「さて それじゃあ ラスト 転移ゲートの準備をしてもらえるかにゃ?」


 大きな木の下タマちゃんが僕に転移ゲートを開くよう勧めた

 僕が今転移ゲートを開くことができるのはナベちゃんの家と最初に降り立った草原の小屋 草原の小屋からナベちゃん家へ行く途中で祖母がつくった簡易小屋 そして川の温泉街だ


「ラスト あんたぁ だいじょうぶかいなぁ ちゃんと目的地につくだかぁ? きゃはは」


(ちかい)


 またナバが僕の顔の前にぬっと顔を出す ナバは美しい顔立ちだがびっくりするので程々にしてほしい


「うーん ちょっとまだあまり自身がないんだ この前もちょっとおもいもよらないところに飛んじゃって・・・・・・」


「わー わー」


 あわてて赤くなったアルミちゃんがナバを引き離し僕を泣きそうな顔で見る


「コホン あー ラスト君 今度はうまく行くように願っているよ あっはっは」


 アルミちゃんは僕の背中をバンバンたたきながら何かをごまかそうとしているようだ


(いたいよ アルミちゃん)


 程なくして僕はじいさんの魔導書を使って森の温泉街への転移ゲートを開くことに成功した

 転移ゲートの照準は温泉旅館の玄関先だ


「さ 行くにゃ」


 タマちゃんの指示でまずは僕が転移ゲートへはいってみることとなった

 僕が転移ゲートをくぐると一度目の前がホワイトアウトしたあと視界が開けた


「?」


 唐突に感じる重力になすすべなく落下する


 ザッパーン


「きゃああああ」


 ザッパーン

 ザッパーン

 ザッパーン

 ザッパーン


 みんな次々と落ちてきた

 裸の女性が右往左往しながら逃げ惑っている


「あ 温泉 だね あはは・・・・・・」


 僕は放心状態のまま逃げ惑う裸体をぼんやり見ていた


「ラ ラスト 君はまたやらかしたようだね そんなに女性の裸がみたかったのかい?」


 アルミちゃんは半ばあきらめにも似たような目で見ながら僕をせめる


「いえ あの・・・・・・」


 その後僕はナバとアルミちゃんに両腕を抱えられ浴場から引きずり出され宿屋の玄関前で正座させられ説教をくらった


(ひどい・・・・・・)



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