26_女神の接吻
「あ あの・・・・・・ 女神さま なにか僕に御用でしょうか?」
窓から侵入してこようとしている女神様に僕は冷淡な視線を放ちながら問いかける
「ちょーっと待っててねー 今 入るから よっこらしょ」
ガタ ガターン
(あ こけた)
「だだ 大丈夫ですか?」
女神とは思えないパンツ丸見えの格好で盛大に転んでいる女神に手を差し伸べる
「いてててて あはは ダイジョーブダイジョーブ ミカエルちゃんは神なのよ す すべて計算どうりよ ど どう 今のでラストちゃんの心を鷲掴みできたでしょ」
「ま まぁ シマシマのパンツには心を掴まれたかもしれません」
「きゃあ う うそ 見えてたの」
咄嗟に真っ赤になってスカートを抑えるが後の祭りだ
「あ あの それで僕になにか御用でしょうか」
「コホン あ 」
ミカエルちゃんはとってつけたような咳払いをするとここに来た経緯を話し始めた
「実は・・・・・・私 ラストちゃんから呼ばれるのずっと待ってたの・・・・・・」
「呼ばれる?」
僕に神を呼んだ覚えはない
「んー ラストちゃん私を呼んだわよ おーまいがー ってね」
「?」
(そのワードを叫んだのはじいちゃんの魔導書を持ってると詠唱だけで魔法を発動できるって知ったときだっけ?)
「思い出した? 私 あなたに呼ばれるのずっと待ってたのよ いつもは儀式を通さないと下界に降りられないんだけど・・・・・・」
(ってずっとつけられてたって事? ストーカーじゃないですか 神こわ 神こわー)
「ってまぁ そんなことはどうでもいいの」
(それをあなたが言うんですか?)
「まずはおじいさんの事ですが心から哀悼の意を表します リストちゃんはこの世界で勇者として神の意向である現魔王の討伐にて命を落とされました これは神界においても最高の功績とみなされ神々たちはリストちゃんにこの世界での復活と輪廻の法則を与えようと議論しています。しかしどちらにしても現魔王が君臨している間はその話は実行されないでしょう そこでリストちゃんの勇者の力と同等かもしくはそれ以上の力を内包しているであろうあなたに魔王討伐の白羽の矢が立ったというわけなのです」
僕は魔獣が怖かった 祖母がかんたんにやっつけた盗賊でさえ勝てる気がしなかった そんな僕が祖父を殺した現魔王に勝てるわけなかろうと心の中で思っていた そんな僕の不安を見透かすかのようにミカエルちゃんは僕に言う
「だいじょうぶ だいじょうぶ あなた 自分の姿を鏡で見たことある? 白銀の髪の色は元魔王アスモディウスの物 瑠璃の目色は勇者リスト 紅の目色は元魔王ラミスの物 すべての力があなたに宿っている証拠よ 言っておくけどこれってとんでもないことなの・・・・・・ まぁ あなたがその力をうまく使えるかどうかは別問題ではあるけどね」
ミカエルちゃんはそう言うとしばらく黙った後なぜかもじもじし始め耳まで赤くなった顔で僕を見た
「そ それで 私もちょっとラストちゃんに神の加護 さ さずけようと思ってるの」
「え 加護ですか」
(おお 神の加護 いい響きだ つけてつけて)
「アー ソ ソレデハ カ カミノカゴヲ アタエルー」
(何だ 急に片言になったぞ)
「ちょっ たーんま たーんま ラ ラストちゃん ちょーっと 目を 目を閉じてく くれる?」
「あ はい」
僕は言われたとおりに目を閉じた
しばらくして唇に感じる柔らかな感触と首筋に巻き付く腕の感触
(こ これってもしかして キキキ キス されてません?)
バタン
後ろで扉の開く音がした
「ば ば ばかアニィ な な なにやってんの?」
僕は唇の離れた感覚と同時にミカエルちゃんに抱きつかれたままその声の聞こえる方に振り向いた




