20_リストの死
今回はラミス目線でのお話です
「ああ ラミス ちょっと失敗しちゃったなぁ」
リストは妾がここについたとき 現魔王との戦いで痛手を受け瀕死状態で岩場に倒れていた
リストはシワだらけの顔に少しのにが笑いを作りながら妾の肩にに頭を寄りかからせてきた
「すまぬ リスト 妾がもう少し早くここについておればこんなことにならなかっただろうに・・・・・・帰ろうリスト」
「ラ ラミス 魔 魔王のやつ・・・・・・な なんて言ったと思う? お前勇者であろう?少しだけ い 生かしてやろうぞ 我が恐怖を元魔王に伝えよ だってよ く くそ あんな呪いくらっちまって みっともねえなぁ ラミ・・・ス」
「もう よい しゃべるでない リスト 大丈夫だ 妾がおる だから もうしゃべるでない」
妾がリストに肩を貸したときリストは安心したかのように気を失ってしまった
「お母さん どうしたの お父さん お父さん」
家の玄関を入ると娘は自分の父がボロボロになっている姿をみて狼狽しだした
無理もない 娘は父のこんな姿を見たことがない
「ラミ 悪いがサキちゃん呼んできてくれんかの」
「・・・・・・」
何も言わず涙を浮かべて部屋を出ていく娘を見送る
妾にはわかる
リストはもう助かることはないだろう
魔王が直接呪縛を放ったのだ
たとえ回復を受けたにせよ確実に絶命を迎える
魔王の呪術とはそういった類のものなのだ
ましてやリストは人間である この世界でも魔気の影響もなく年をとりほっておいても死ぬ運命に抗えない
魔族 もしくはこの世界の住民であるのであれば輪廻の法則によりどこかで出会えるやもしれなかった
リストの世界にいたのならば同じように老い同じ頃に死ぬこともできたのかもしれなかった
妾は知っていた わかっていたはずなのだ
この世界に戻れば必ずこのような日が訪れることを
じっと リストの顔を見る
「リスト 妾はもう少し生きることになろうぞ」
涙が頬をつたった
涙はリストの頬に落ちた
「泣いているのか ラミス 大丈夫?」
薄っすらと眼を開いたリストは妾に大丈夫か?と聞いた
なにも返すことはできなかった ただ笑顔を作ろうとした
涙がまた頬を伝った
「ふぅ」
リストは大きなため息をついた
「はぁ」
妾も大きなため息をついた
静かな異世界の2人だけの時間
「リスト 家に帰りたいか?」
妾はリストに問う 元いた世界に帰りたいかと
「ラ ミス がいるところなら どこでも いい・・・ふぅ ありがとう ごめん な」
リストの息は次第に小さくなっていく
妾はただ泣きながらリストの手を取る
「いい 人生だった な」
リストの最後の言葉は聞き取れなかったが妾にはそう聞こえた
その言葉は妾にとってのリストの最後で最高の贈り物だった




