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2_驚愕

 妹梨花が母らみに賢者の石と呼ばれる石を見せた次の日僕たちは父の軽バンにのり郊外にある祖父の家へ向かった

 父は酒も抜け久しぶりの家族ドライブで少し上機嫌だ


「みんなぁ あいしてるぜぇ マイファミリィ〜♪」


 父は白髪の長髪を風になびかせ鼻歌を歌っている

 ポンコツ親父だが顔だけはよく外に出ると相当もてるらしいが家族からするとトラブル以外のなにものでもない

 母はこんな父のどこがいいんだろうと時々思うが夫婦仲は良いようだ

 しばらくして母の実家につき僕はここで驚愕の事実を知ることとなった


「おお よく来たね 羅磨都 梨花」


 満面の笑顔で僕らを出迎えるおじいちゃん


「なんだ まだ生きていたのかアスモディウス」


 父に対する祖父の態度はきびしい

(アスモディウスってなにかの嫌味?)


「あんだってぇ このくそじじ」


「お父さん 明日都!」


 すかさず母がフォローに入り シュンとなった2人は顔も見合わせないで居間へとはいっていった


「ささ とりあえずお菓子でも食べるのじゃ」


 居間のテーブルについた僕たちに祖母がお菓子をもってきた

 祖母は最近なにかのドラマにでもハマっているのか言葉遣いがすこしおかしい


「早速だけど 家族会議を始めるね」


 母がそう言って場を仕切る


「梨花 あの石を見せて」


 少し怯えている梨花に母は例の石をみんなに見せるようにいった

 そして梨花はおずおずとその石をポケットから取り出し机の上においた


「こいつは」


「おお」


 それを見た瞬間声をあげたのは祖母と父であった


「梨花 これをどうしたのじゃ」


 祖母はその禍々しく光る石を手に取りやさしい口調で梨花に訪ねた

 梨花は祖母や父がその石のこと知っていたという安心感からか少しだけ緊張を解き話始めた


「私病院で寝てるときこことは違う世界に行ってたの そのときにね タマちゃんっていう猫耳の子から渡されたの」


「タマちゃん!?」


 僕を除く家族が一斉に声を上げる


「うん それでこっちに帰ったらこれで門を開いてっていってた 向こうの世界はすごく大変な状況になってるって 

 ホントはもっと早く伝えたかったんだけどお兄ちゃんに見せて信じてもらえなかったから」


 そう言って伏し目がちになった梨花であったがその気まずい雰囲気を破るように祖母が声を出す


「リスト」


「うむ」


「あ あと おばあちゃん これ なんかいっしょに手紙みたいなの預かってるの」


 そして梨花が出した石と手紙を祖父が手に取り


「梨花 すこし借りておくよ ああ 羅磨都2階の部屋にあたらしいゲームの試作があるからやってみておじいちゃんに感想を聞かせてくれないか?」


 祖父は祖母と父母をみやりながら僕と梨花を2階の部屋へとあがるよう促した

 梨花と2人いつものように祖父の作ったゲームをしばらく遊んでいると下から母の声がした


「羅磨都 梨花 おりておいでー」


 居間に降りると祖父が腕を組んだまま僕に言葉を投げかけた


「羅磨都 驚かないで聞いてくれ これからわれわれ一族はこの賢者の石を使って異世界へ転移する」


 祖父のこの言葉をきいて僕が驚かないはずもなく何が起こったのかわからないふうに口をあけて天井を眺めていた


「ああ お前のばあちゃんとお前の父ちゃんは里帰りになるな」


(おじいちゃん 何言ってるかわかりませんよ 僕の名前わかりますか?)


「羅磨都 おじいちゃん別にぼけてないよ」


 呆けている僕に祖父は続ける


「今 お前のところの父ちゃんと母ちゃんにどうしたいのか聞いたところだ 」


 僕はとっさに父と母の顔をみた




















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