102_傷心の板さん
「・・・・・・板さん」
「おぅ みんな集まってやがんな あ これはイシューお兄様はじめまして・・・・・・私 いつも妹さんにお世話になっている者でしがないマナボードの精霊でございます あー 突然ではございますが つきましては本日お兄様の為にあるものを持ってまいりやした」
またタキシードのようなものを着てきた板さんはイシューをお兄様などと呼びながら懐から小さな箱を取り出した
「な なんだよう お兄様って気持ち悪いなぁ ラスト君 お前の知り合いかよ お おい ピ ピンキー な なんとかしろ・・・・・・」
イシューは慣れない呼ばれ方にたじろきながらマスターに救援の声を上げた だがにじりよってきた板さんが持っている小箱を開いて見せた瞬間顔色が変わった
「こ これは・・・・・・」
そしてニコニコしながら箱を開いて見せる板さんの顔を見上げた
「ほしかったのはこれじゃねえのか?」
板さんは急にまじめな顔になってイシューに言った
イシューはその箱の中身をみると顔色を変えた
「板さん それなんだぁ?」
ナバがすぐ興味をもち板さんに問い詰める
「おう これは有翼の巫女像の核となって魔力を大量に封じるための媒体だ」
「・・・・・・な なんでそんなもの もってるんだ?」
イシューは信じられないといった感じで箱の中に入っている欠片を手にとった
「コホン お兄様はこれがどういった物なのかはご存じないようですね あーこれはマナボードの欠片でございます 非常に貴重なものでマナボードが
育つ過程で数万年に一つ落ちるかどうかって代物でございやす かりに欠片が落ちたとしてもマナボードのすぐ近くに落ちればこいつはすぐに本体に吸収されてしまうため発見するのは極めて難しいんです まぁ 現存しているとすれば女神像のそれとここにあるこの欠片の2つだけでしょうね 実はこれ・・・・・・私がある人との結婚指輪作成の材料にするためとっておいたのですが・・・・・・」
そういってちらっとイシューを上目遣いで見る板さん
「この マナボードの精霊の板・・・・・・がお兄様がこれを必要だと感じもってきた次第でございます」
「こ これがアスモディウスがあのとき持ってきた物とおなじものだというのか?」
イシューはそういってしばらく手にとったマナボードの欠片をじっと見るとボソリと言った
「・・・・・・わかった そういうことか・・・・・・板さん・・・・・・ミカエルと会おう」
僕はイシューのこの心変わりの意がわからなかったがともかくミッションはクリアできたようだ
僕達はその日一度アジトへともどったあとミカエルちゃんに連絡をとりイシューとのミッションが成功したことを告げた
ミカエルちゃんとイシューの再会の時は明後日ピンキーキャッツにてとりおこなわれることとなった
ガチャ
「お兄様ぁ あいたかったぁ」
スナックピンキーキャッツにてその日ミカエルちゃんは扉を開けるなりイシューに抱きついた
(兄妹の久しぶりの再会だ これぐらいの愛情表現はあるのかも・・・・・・・本当に兄妹?)
「や やめろ ミ ミカエル お前の婚約者もここにいるんだぞ 少しは考えろ」
イシューに抱きつきタコのような口をしてキスをしようとしているミカエルちゃんの動きが止まる
「? え お兄様 婚約者って?・・・・・・」
「え? ミカエル 今日は板さんとの結婚を報告しにきたんじゃないのか?」
ミカエルちゃんは急にイシューから抱きついた腕を振りほどき魂の抜けたようなしてはいけない顔を僕らに向け一言こういった
「ないない」
「ミカエルがお慕いしているのはお兄様だけ・・・・・・他の男など眼中になどありませんわ ふふ」
現場の空気がゆっくりと凍りついたあと 板さんから色が消えた
ナバは板さんの近くへ行き肩を叩きいっしょに泣きながらうんうんと頷いている
(板さん こんな女神のどこがいいんですか?)
「私の願望は叶えられました ありがとう板さん ラストちゃんとみんな・・・・・・お兄様 賢者タマちゃんの魂の分離手伝ってくださいますか?」
ミカエルちゃんはイシューの腕にひっつきながら上目遣いで話を切り出した
「ああ 話はだいたいラスト君から聞いている 俺とミカエルがいればその猫人族の魂の分離はできるだろう・・・・・・だが問題はグレモのほうだ おそらくグレモの魂の分離した実体の2つの魂の内一つは凶悪なものだろう・・・・・・」
「お兄様 杞憂がすぎます 大丈夫 今グレモを封印しているのは古の大魔王であるラミスなのです そして後方にはその臣下にして四天王のナベちゃんにカンナ サキそしてここにいるアルミもおります」
「・・・・・・なるほどな俺は猫人族の分離だけすればいいってことか・・・・・・ ピンキー そういうことだそうだ ちょっとこの世界留守にする・・・・・・悪いが後のことは頼む・・・・・・会社には身内の不幸で実家に帰るとでも言っておく」
「あら あなたが動くなんて珍しいわねぇ わかったわ こっちのことはまかしといて 無理するんじゃないわよ・・・・・・」
マスター?はそういうとカウンターの中から僕達に手を振った
・・・・・・
「あーあー ナバ またそんな格好になって・・・・・・もう人の形してないよ・・・・・・このままだとラミスちゃんたちが待ってる世界にいつまでたっても帰れないよ」
僕達は神の創造した世界を離れるため神の箱庭という試練を受けていた・・・・・・




