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101/115

101_イシューの悪友

 待ち合わせ場所のホテルのロビーから出た僕達はイシューとのタイアップ用の広告の撮影をするため某所のスタジオまで徒歩で移動中だ

 ナバと僕はイシューたちをある程度フレンドリーな関係に持ち込めるよう楽しく会話している


「だけぇ ラストがそりゃ いけんでぇ・・・・・・」


 などと時折飛び出すナバの方言もイシュー側にとって力を抜くいい材料となっているようだ

 僕はそろそろというタイミングでとキーワードを入れていく


「イシューさん この前の試合で見せたあのトップロープから飛んだ技 すごくきれいでした まるで羽のついた女神が乗り移ってるかとおもいました」


「お ありがとう」


(どうやら反応は薄いようだ やはりキーワードは有翼の巫女とはっきり言わなくてはならないのか)


 ・・・・・・


 その後僕達は無事撮影を終了し次の再会の確証も獲られぬままイシューとその付き人との別れの挨拶を交わし帰路へとつこうとしていた


「おい これな」


 別れ際に唐突に呼ばれた僕はぶっきらぼうにイシューから一枚の紙切れを受け取った

 イシューは付き人にバレないようにその紙切れをすぐにポケットへしまうようジェスチャーするとそそくさとその場を離れていった

 その後アジトのホテルへ帰った僕達3人はその紙切れを開いて見た


「これって・・・・・・」


 アルミちゃんは額のあたりに手をもってきてさすりながら僕とナバにつぶやく・・・・・・そこには僕達が最初にいったマスター?のいるスナックの名前 ピンキーキャッツの名前と時間らしい数字が入っていた どうやらイシューはあのキーワードで僕達がミカエルちゃんの使いであることを悟ったらしい反応が薄く見えたのは付き人にそのことを悟られたくなかったからなのであろう


「まぁ 普通に考えたらこの時間にここに来んさいっちゅうことだぞなぁ」


「だね どうする? ラスト」


 ナバとアルミちゃんは僕に確認をとるようにこちらを見た


「もちろん 行く イシューがマスター?の所で待ち合わせということはこちらがすでにミカエルちゃんの差し金で動いていることはわかっているはずだからね」


 ・・・・・・


「あっらぁ いらっしゃい イシューちゃん奥でまってるわよう さ みんなはいってぇ」 


 次の日の夕方ピンキーキャッツへつくとマスター?が機嫌良さそうに入口で中を伺った僕達に声をかけ奥のボックス席へと誘導した


「お きたな こっちだ」


 僕達三人がソファーに座るとイシューはひと呼吸おいてから話し始めた


「・・・・・・さて ここにあの紙だけ見て来たってことはみんなミカエルのことは知ってるってことでいいかな?」


 僕は他の2人の確認の意も込め一度みんなの顔を見てからゆっくりとイシューにうなずいた


「っかぁー ったくもう見つかっちまったかぁ ったく ミカエルは探偵でも雇ってんのかって ピンキー トマトジュース」


「はいはい」


 ピンキーはマスターの愛称だろう マスター?はカウンター中でせわしなく働いている


「ホントはここに来るのやめようかっておもってたんだけどな・・・・・・君 ラスト君だっけ この前どこかで会ったことあるみたいだって俺いったじゃん おもいだしたんだよ 君 俺の昔の魔法学校の悪友にそっくりなんだよ ま そんなとこでさ ちょっと前の世界のことも懐かしくなっちまって」


「どういうことなんですか?」


「まぁ ちょっとはずかしい話なんだけどな とても とても 昔の話さ 友人の顔も忘れちまうくらいに・・・・・・ 俺とその友人は魔法学校のとき一人の女性に恋をした だが不幸なことにその女性は魔法学校での魔法実験中に俺達の目の前で魔法の暴発によって亡くなっちまった・・・・・・ 俺達はその女性のともらいのため最大級の魔力を込めて像を作りこれをもって恋の証としたかった・・・・・・ 転生 ああ 魔法学校は神の領域でも魔王の領域でもないまた別の空間に存在してるからな ・・・・・・それは叶わなかった」


「イシューちゃん トマトジュースどうぞ みんなにもオレンジジュース入れたわよ こっちとりにきて」


「アルミちゃん うちぃ とりにいってくるわぁ」


 ナバはマスター?の作ったジュースをカウンターに取りに行くため席をたった


「それってもしかして・・・・・・」


 アルミちゃんはイシューに静かに問う


「そ それが 有翼の巫女像・・・・・・とまあ ここまでで話が終わればあいつもあんなふうになることはなかったんだろう・・・・・・」


「はい ジュースとってきたで のみんさい」


 ナバはカウンターからとってきたジュースを僕達のテーブルに置くと僕の隣の元の位置へと座った


「俺達が彼女の鎮魂の為に作った有翼の巫女像は他に類を見ないほどその魔力と効力が強かった・・・・・・まあそれほどに奴と俺の魔力は強かったんだろうな・・・・・・ 俺達はまさか彼女のために作ったその像が盗まれるなどとは思ってはいなかった 女神像を盗まれた俺達はひどく落胆した・・・・・・そして奴はその世界からいなくなった・・・・・・あいつのその後は壮絶なものだったらしい闇落ちした奴は誰も手がつけられず魔王となったとも聞いている・・・・・・名を アスモディウスという」


「親父!?」


「やはりな・・・・・・」


 おもわず叫んでしまった僕の顔をみて納得するように一度頷くとイシューはナバの持ってきたトマトジュースを一口飲み話を続けた


「その後時は流れて風のうわさで行方しれずの有翼の巫女像はとある古の魔王の封印に使われたなんて聞いている 一度は探そうかとも試みたが残念ながら情報はそれ以上出てこなかった そしてまた時は過ぎ去り・・・・・・」


 イシューはもう一度トマトジュースを一口飲むとふぅとため息をついた


「で ラスト君 俺の妹ミカエルに何を頼まれたんだ ったく手のこんだ真似しやがって・・・・・・」


 僕はミカエルちゃんが会いたいと言ってたこと・・・・・・現在暴走寸前のグレモちゃんが祖母に抑えられていること・・・・・・タマちゃんの魂を救うため魂の分離を行う方法がもう一ついることなどを丁寧に話した


「・・・・・・なるほど・・・・・・な まぁ ミカエルが俺と会いたかった理由 君たちを俺に合わせたかった理由はだいたいわかった・・・・・・ミカエルが俺に会いたかったのはおそらく古の魔王の封印に使った巫女像の作成法を知りたかったんだろう・・・・・・」


 チリンチリン


 お店のドアがゆっくりと開く


「へい おまちっ」


 いきなり甲高い声が部屋に響いた 入ってきたのは突然用を思い出したとこの件から抜けたマナボードの精霊板さんであった

































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