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夜が灯る五分前  作者: 秋乃アキ
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ツイノベ 001-005

眠る五分前に読んでください。

クリアできなかった古いRPGをまた始めてみた。主人公の名前が「ああああ」と付けられている辺り、自分の適当さに苦笑してしまう。せめて世界を救えていたのならば、自分と似たこの間抜けな主人公も報われていたのだろう。ごめんな「ああああ」。世界もお前も、救ってやれなくて/№001「ああああ」


この公園がまだ草原だった頃、私は男の子と約束した事がある。「十年後もここで一緒に遊ぼう」と。アカシアの花で作った冠を交換し、指切りの代わりとした。その約束が果たされる事はなかったけれど、私はここに来る度に思い出す。記憶の中の草原は、今でも鮮明に緑色の光を放っていた/№002 アカシアの花


あいうえお、かきくけこ、さしすせそ、たちつてと、なにぬねの、はひふへほ、まみむめも、やゆよ、らりるれろ、わをん、ABCDEFG、HIJKLMN、OPQRSTU、VWXYZ、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9。これが私の全てです。これで私が全てです/№003 私の全て


自動販売機でアタリが出た。けれど、惜しむべきは間違えて私が苦手な緑茶を買ってしまった事だ。なので嫌いな友人に一本差し出す。「俺、お茶苦手なんだけど」「知ってる」「お前が飲めよ」「私も苦手なんだ」「知ってる」。嫌いな友人と飲む嫌いな緑茶は、ほんのりと甘い味がした/№004 自動販売機


「ワーレーワーレーハーウーチュージーンーダー」と、扇風機に向けて彼女が呟く。良い歳して何やってんだとおかしくなる。「馬鹿なことやってないで行くぞ」。「うん」と、彼女が振り返りながら微笑む。透明感のある水色の皮膚と、顔の中心に一つだけある眼がとても可愛らしかった/№005 地球人ごっこ

起きた五分後に思い出してください。

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