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お出かけは計画してるときのほうが楽しかったりする

「電器屋さん...あんまりたくさん来たことがあるわけじゃありませんけど、入る度になんだかワクワクしますよね〜 ...うふふふ....」


「り、莉亜さん...? 大丈夫すか...?」


昨日の莉亜さんの、「お買い物行きませんか?」発言を経て翌日、俺と莉亜さんは2人で茨城県内某所•ショッピングモール内の電器店にやってきていた。


のだが...莉亜さんの様子が変だ。

足取りはふらついているし、目の下にクマあるし、ついでにどことなく虚ろな瞳をしているではないか。


「やっぱり昨日の夜は眠れませんでしたか。申し訳ないっす...」


「いえいえ、そんなことは.. あうっ」

と、何もないところで転びそうになる莉亜さん。


やっぱりまずかったか••••••


と、ここで話は一度昨夜に遡る。


***************************************

「買い物? 俺と莉亜さんとで??」


「はい!是非!!」


コンビニ弁当を食べる手を止め固まる俺と、いつも通りのニコニコ笑顔で言う莉亜さん。


「そのお誘いは俺も興味ありますし嬉しいですけど...

何か欲しいものでも見つかったんすか?」


「ええと...私の個人的な買い物と言うよりは、私と柚斗さんの...この家に必要なもの、いろいろ買えたらなと思いまして。 い、今の私でも50万円くらいはありますから! はした金かもですけど、色々買えるかもしれませんよ?」


「莉亜さん...」


そんなことを考えてくれていたのか。

もちろん俺としてはこんなありがたい申し出はないし、素直に嬉しい。というか今ちょっと泣きそうだ。


「ありがとうございます莉亜さん。買い物、行きましょうか!」


「は、はい!行きましょう行きましょう!! 最初はどこ行きますかー?」


「えっとですね、今回の買い物の目的はですね」


「..? はい」


「莉亜さんの部屋に必要なもの揃えることにしません?」


その言葉を聞いた瞬間


「い、いえそんな! 私個人のものは別に..!! それに部屋って..?」


と、反発と疑問を同時にぶつけてくる莉亜さん。


「今は物置と化してて使ってないですけど、もうひとつ空いてる場所があるんすよ。 だいたい今のままじゃ莉亜さんの寝る場所も確保できないですし、莉亜さんだってそれは困るでしょ?」


「そ...それはそうですけどぉ...」


「なら決まりっすね。

莉亜さんの持ってる50万は紛れもなく莉亜さんのもの。俺は使い方に極力口出ししないですけど、 全然はした金じゃないですし、少しは自分のために使うほうがいいと思いますよ?」



「わ..わかりました... ありがとうございますっ」



納得してくれた様子の莉亜さんを見つつ、食べ終わった弁当を片付ける。


「じゃー明日は 電器屋とか家具屋とか、色々見ることになりそうっすね。歩いて行ける距離に総合ショッピングモールありますし、そこ行けばだいたい揃うはずです」


それはこのボロアパートに住む上で明確なメリットの一つだ。莉亜さんがここにくる前から、週に一回は必ず行っていた。


「楽しみです..!」


と、心底ワクワクした様子でいう莉亜さんに、俺は非情な事実を告げなくてはならない。


「ところで莉亜さん、ひとつだけ...」


「何でしょう??」


「俺言いましたよね?『今のままじゃ莉亜さんの寝る場所も確保できない』って... だからその.. 明日は絶対物揃えて、片付けも俺がバッチリやるんで今日はここに••••••」


俺はとあるビジネスホテルまでの地図をスマホ上に表示

し、宿泊料を手渡した。



翌日、うちに戻ってきた莉亜さんの様子を見て、俺はかつてないほどの申し訳なさを覚え、それでも目的地へ向け歩き始めたのだった。









ここまで読んでくれたあなたに最大の感謝を。次回から「初めてのお出かけ」編になります。

よろしければ今回もブックマーク、評価感想等頂ければ、モチベーションが天元突破します。

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