一人より二人で食べたほうが美味しい
夜に更新することになっちゃいましたね...おのれ仕事。
今回もお楽しみいただけますように。
「莉亜さん...もしかして....」
元々は俺一人ぶんの、今日の夜と明日の朝用にと用意しておいたコンビニ弁当の、のり弁のほうを手にとってまるで見たことのない宝石を見るように目を輝かせている莉亜さん。
その様子を見て俺は一つの疑問を抱く。
いやいや、莉亜さんだって現代人なんだ。さすがにソレはないだろうが.....
「もしかして、コンビニ弁当とか初めてですか...?」
「はい!というかコンビニ自体ほとんど入ったこともなくて。 こういうのが売ってるんですね••••••!!」
「ま、マジすか••••••」
流石に絶句した。
なんとなくそうなのかもしれないとは思ったが入店したこともない....??
「ところで柚斗さん、コンビニって確か略語ですよね?なんの略でしたっけ??」
「そこから!?」
金銭感覚もヤバいが、この世間知らずっぷりもまた凄まじいじゃねーか......
大富豪の娘はみんなこうなのか......?いやそんなはずはない。と信じたい。
「コンビニエンスストア、の略っすね。コンビニエンスってのが確か...『便利』とかそんな意味だったはずです」
俺も今や高校三年生だ。大学受験こそするつもりもないが、このくらいは知っておかねばならない。
「なるほどぉ...柚斗さんは物知りなんですねえ...」
と、心底感心したように言う莉亜さん。
莉亜さんはちょっと知らなすぎるけどな!!!
「俺はコンビニ使ったことない人に初めて出会って、また一つ賢くなれた気がしますよ...」
同じ日本で暮らしていて、成人してもコンビニ入店経験のない人がいるとは。世界広いな••••••
「え?えへへ....」
「いや褒めてないです」
その嬉しそうにもじもじするの可愛いからやめて!!!
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「それじゃ莉亜さん、弁当あっためるんで一回貸してください」
「へ? あ、はい!」
•••••• 一瞬莉亜さんがキッチンの方にある電子レンジを見てキョトンとしてた気がするが...
いや一応聞いてみよう。
「莉亜さん? 電子レンジは見たことありますよね......?」
「い、いくら私でも電子レンジくらい使ったことありますよ!......な、何回かですけど..さっき思い出したんです!」
あ、多分コレ本当の意味で「何回か」だな。両手の指で数え足りるとかそのくらいだろうな。
もはや何かを諦めた気持ちで結論を出し、温め終わったのを確認しレンジから取り出す。
「準備完了〜っと。 はいこっち莉亜さんののり弁」
「あ...ありがとうございますっ」
「なんかちょっと緊張してません?」
「は...初めて食べるものですから...下手な高級食材よりよっぽど緊張しますね..」
コンビニ弁当に負ける高級食材って....
「ま、とにかく食べましょ。いただきます」
「いただきます..!!」
サクサク食べ進めていく俺と対照的に、恐る恐るといった様子でのり弁を口に運ぶ莉亜さん。
「あ、おいしい...おいしいじゃないですかコレ!」
「そりゃ何よりです」
高級食材ばかり食べてきたであろう莉亜さんだが、コンビニ弁当も気に入ってくれたか。
一気に箸が進みだす俺と莉亜さんだが、莉亜さんの次の一言でピタリと止めざるを得なくなった。
「あ、そういえば柚斗さん!」
「はい?」
「明日、一緒にお買い物行きませんか?」
ここまで読んでくださったあなたに最大の感謝を。
今日はなんとか更新できましたが、明日は更新厳しいです。忙しすぎるのです。ご理解ください....
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