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邂逅•田山家と竜胆家①

突然新キャラ登場します。


「ずいぶん久しぶりですね。 ここへ来るのも」


「••••••••••••えっと、莉亜さん」


「あ、はい! なんでしょう柚斗さん?」


「ここ、家っすか? 美術館とかじゃなくて••••••?」


「ばっちり我が家ですね! あ、でも絵とかもいっぱいあったような••••••?」


「••••••••••••」


「••••••••••••」




でかい。 でかすぎる。


莉亜さんの案内に従って親父が車を走らせ、 辿り着いた都内某所。 

俺たち家族と莉亜さんは、 無事目的地である莉亜さんの実家にたどり着いたんだが••••••


そのあまりのスケールに、 莉亜さん以外の全員が言葉を失うことになった。 

なお親父と母さんは現在進行形で絶句中。



「こういうのを『豪邸』って言うんすね••••••

なんかもう、 「大きくて広い』みたいな言葉で表せるレベルを超えてるっすよこれ」



「ね、ねえ莉亜ちゃん。ここ、何坪くらいあるかわかる?」


ここで母さん復活。


「えっと•••••• 諸々の土地含めると、たしか700くらいだった気がします」


「な、700坪••••••」


「親父、わかりやすく表すと?」


「ウチがちょうど35軒入る広さだな•••••••」


「いや広すぎだろ!!!」



隣に座る莉亜さんのことを一瞬忘れて、 俺は車内に声を響かせた。



「莉亜ちゃん。 車はどこにつければいい?」


「あ、今見えてる駐車場に入れていただければ!」


「了解した」


「わ、駐車場一つとっても広いねえ••••••」


「うちはお手伝いさんとかもあんまり雇わないことにしてるので、 使わないスペースの方が多いですけどね!」


「な、なるほど〜••••••」


どことなく曖昧な返事を返す母さん。


あの様子だと、母さんも感づいたな?



「ここです! 到着ですよー!」


「こりゃまたすごいっすね••••••」


車から降りて、少し歩いて辿り着いた場所。


目の前に広がるのは、威圧感すら感じさせる大きさの、真っ白な門だ。

普通に生活してて見る景色じゃないよなこれも••••••



「おい息子よ。 俺は早くも学習したぜ? いちいち驚いてたらそれだけで体力尽きそうってことをな••••••」


「右に同じ」


「••••••それもそだな」


大人二人の適応力にちょっと感心した。 


そして莉亜さんはと言えば、 俺たちの会話を聞き取りつつも門の目の前をうろうろしている。


「莉亜さん? どうしたんすか?」


「ん〜•••••• ちょっと待ってくださいね? もう少ししたら来ると思うので」


「へ?」



ーーその時。

ごうん、という重々しい音とともに、なんの前触れもなく目の前の門が開いた。


そして、門の奥に人影。


「お待たせしました。お久しぶりです。莉亜様」


「うん。玲ちゃんも元気そうで良かった」


「••••••ちゃんはやめましょうって、何度も言ったはずですが」


「同い年なんだしいいでしょ? ってこれも何回も言った気がする!」


「もう何回目でしょうね、このやりとり」


「誰か数えてたりしないかな?」


「誰もそこまで暇じゃないです」




「••••••なあ、親父、母さん」


「••••••おう」


「うん」


「••••••俺たち、忘れられてるよな? 完全に」


「たぶん今感動の再会ってやつだろ。 邪魔しちゃ悪い」


「そっか。••••••そうか?」



初めて聞く、どこか気安い口調で話す莉亜さん。


その話し相手の、整った黒髪の女性に興味を抱きつつ、 俺たち家族は成り行きを見つめるほかないのだった。












































ここまで読んでくださった貴方に最大の感謝を。

竜胆家編、思ったより長くなりそうです。

まだ莉亜さんの両親すら出てきてませんもんね(汗)


前にもお伝えした通りしばらくは遅めの更新ペースで行きますが、お付き合いいただければ幸いです。


執筆中BGM さよなら(beco)

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