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食べ歩きしてみた(断じてイチャついてはない)

「お腹へりました〜...」


「今がちょうど昼時っすからね。 食べ歩きするには最高のタイミングじゃないすか?」



時刻は正午を過ぎて、 射的を楽しみ終えた俺と莉亜さんは次なる目的へ向けて歩いていた。


目的は食べ歩き。美味しい店が見つかるといいけど。


「とりあえず、案内所である程度の目星はつけたんすよね?」


「ええ。 いろいろ見つけられたので、あとは胃袋と相談で!」


「りょーかいっす」


今回は俺の出る幕はなさそうだな。 場所その他諸々は莉亜さんに任せて、俺も存分に舌鼓を打つことにする。


「ちなみに、どんなとこ行くかざっくりでいいんで説明できます?」


「それ言っちゃうと楽しみが半減しちゃいますよ〜?」


「それはそうっすけどね?」


「一つ言えるとすれば、 この辺りの名物は軽食とかおやつになりそうなものが多かったですよ!」


「つまり?」


「なかなかお腹いっぱいにはならないと思うので、 いっぱい歩いていっぱい回ります!!」


「それ歩いてるうちにまた腹減ってくるやつっすね」


「無限ループってやつです...!!」


「胃袋は満タンでいいんで、 財布だけはカラにしないように気をつけましょう」


「は〜い!」



莉亜さんはいったいどんな店をチョイスしたんだろうか。 期待と、 それを若干上回る不安とともに、いざ食べ歩き1件目へ。



「柚斗さん、到着ですよ〜!」


「な、なるほど••••••?」



莉亜さんに連れられて 『射的本舗』からさらに十分ほど歩き、たどり着いた場所の前には 『賽の河原通り』の文字。



ここからだけでも何件か土産物屋や飲食店なんかが見える。 いかにもメインストリートといった感じ。


「こんな場所あったんすね...!! こりゃ食べ歩きにはうってつけじゃないすか」


「そうでしょうそうでしょう! ここならお店とお店の間隔も短いですし、回りやすいかなって思ったんです!!」


「さすが。 ナイスチョイスっす!」


「 えへへ〜」


嬉しそうに笑う莉亜さんを見て、自然と手が出た。 髪を傷つけないようにしつつ、わしゃっと撫でる。


「ふぇっ...!! えへへぇ....」



「思ってたリアクションと違うな!?」


絶対今回も真っ赤になると思ったのに、 人様に見せられない顔になってるよ••••••!?


「やっぱり私これすきです〜......」


「り、莉亜さんここ外なんで! 人の目がありますんで!」


「今後も隙あらば撫でてください••••••!」


「隙あらば!?」


蕩けかかった顔の莉亜さんを見て、俺のほうがよっぽど慌てる羽目になるのだった••••••



「煩悩退散煩悩退散••••••!!」


「柚斗さん? どうしたんですか?」


「い、いや? なんでもないっす••••••」



嘘である。


さっきからずっとフルパワーで唇を噛んでいる。 なんなら舌も噛み切らんばかりの勢いで。


さっきの莉亜さんのあの蕩けかかった顔を忘れ去ろうとして必死なわけだが、 当の莉亜さんはのほほんと俺の隣を歩いている。


親の心子知らずとはこのこと••••••いや何言ってんだ俺は。



「ほら! 着きましたよ〜!」


「ん? ここっすか?」


「温泉といえばまずはコレかな〜って!」


「たしかに」



記念すべき食べ歩き一軒目は、『温泉まんじゅう』


茶色い皮の定番のやつ。 蒸したてがめちゃくちゃ旨かった。



「次はここですっ!」


二軒目は『焼き鳥』

ネットでも話題らしく行列だったけどなんとか買えた。


「私その場で焼いたやつ食べるの初めてです••••••!!」


「実は俺もっす。 めっちゃ旨いなこれ!」



三軒目は『串焼き』


焼き鳥と被るかと思ったけど、 川魚なんかも売ってたのでそれを食べた。莉亜さんは焼き鳥も食べてた。


「シンプルに焼いただけでこんなに美味しいんですね!」


「さっきの焼き鳥といい、なんか秘密あるんすかね••••••?」



四軒目は 『ソフトクリーム』


歩いてる途中で見かけた『温泉たまごソフト』が気になりすぎたので買ってみた。


「カスタードっぽい味っすね。 俺はけっこう好きです」


「温泉たまごってこんな味なんですか?」


「これあくまでソフトクリームっすよ莉亜さん!?」


次の店で温泉たまごが買えたので莉亜さんの誤解も解けた。



そして6軒目、『揚げまんじゅう』を食べ終わる頃には時刻は午後4時を回っていた。 やっぱり旅行先の時間の流れは早いわ••••••

そろそろ旅館の送迎バスが来る時間だな。


「莉亜さん莉亜さん。そろそろバスターミナルに向かってもいいかなって思うんすけど、 満足しました?」


「あ、 はい! 美味しいものいっぱい食べましたし!」


「そりゃ何よりっす」


やっぱり食べ歩きとグルメは旅行の醍醐味。 莉亜さんもそれを満喫できたみたいだ。


「バスターミナルって、ここから歩いてどのくらいですか〜?」


「来た時と同じとこなんで、すぐ近くっすよ。 また足湯入ろうかなって」


「おお〜!」


そんなわけで 『賽の河原通り』からバス停まで十数分歩き、 足湯に入ったりして待つこと30分強。

送迎バスがやってきたので2人して乗り込む。



「莉亜さんは旅館着いたらまず何します?」


「温泉入りますっ!」


「やっぱそうっすよね〜」



もちろん俺もそうする。


温泉旅行1日目後半にして、ついに温泉を満喫するときが来た••••••!!

































ここまで読んでくださった貴方に最大の感謝を。

今回の食べ歩き編も、旅行編書くの決めたときから書きたいと思ってたエピソードでした。 草津は美味しいものもいっぱい。


それはそれとして、柚斗と莉亜さんちょっとずつイチャつき始めてますよね? どうなってるんでしょう(書いた本人)

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