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プロローグ3

昨日投稿したプロローグ1と2、予想よりずっと多くの方に読んでいただけたようでブックマークしてくださった方もいて感激してます。ありがとうございます!!

今回もお楽しみいただけますように。

「えっと....ほんとに俺の家使うんすか....?」


「はい!ぜひ使わせていただきたいんですけど....あ、やっぱり3億じゃ足りませんでしたか!?」


そこはもはや問題じゃないんだよ••••••

どうしようこの人マジで俺の家で暮らすつもりだぞおい。大富豪のご令嬢がこんなボロいアパートで••••••


何かの罪に問われたりしないだろうか。「ご令嬢に相応しい生活環境を整えなかった罪」とかないだろうか。


まあはっきり言って竜胆さんは超美人だし、 そんな美人と一緒に暮らすということを夢見たことがないわけでは決してない。しかもなんと3億円のおまけつきらしい。

そこはいまだに疑わしいが。


いや待て待ておまけとメインが入れ替わってるじゃねーか俺。いいのか俺。


あれ?そういえば••••••


「そういえば俺、名前も何も言ってなかったですね。田山って言います」


「田山さん! よろしくお願いしますね!!」


「あっ はい.......」


どうしようもう完全に 『これから仲良くやってこう!』みたいな雰囲気になり始めてるぞ。


「田山さん、下の名前は何とおっしゃるので?」


と、ニコニコしながら下の名前まで聞いてくる竜胆さん。


「柚斗...ですけど」


聞かれて答えないわけにもいかないと思い素直に教えたが、まだ会って15分とかそこらの人に下の名前を教えることなどそうそうないだろう...つくづく何なんだこの状況。


「それで竜胆さん。俺は確かに3億払えるなら使っていいって言いましたけど、言っちゃいましたけど..ほんとに使うんですか?このボロアパート」


「田山さんと柚斗さん...どっちでお呼びするのがいいんでしょう...?」



.••••••俺の話聞けやァァァ!!

いま本題入ろうとしてたじゃん! 何で今呼び方で迷ってんの!!?

なんかこの人とうまく会話できてない気がするんだけど! 俺のせい!?



「....んなのどっちでも構いませんよ。ていうか俺、竜胆さんより年下ですから敬語いらないすよ」


「あ! 私のことは莉亜って呼んでくれて構いませんので!」


だから聞けやァァァァ!!!!!


全然会話が成立してないじゃんもう••••••


「....あの〜柚斗さん? 実はひとつ、お伝えしたいことがありまして」


なんと柚斗と呼ぶことに決まったらしい。


「はい?なんでしょう」


「今回の件のお礼の、3億円についてですが....」


ああそうだ。俺は今回3億円もらえるんだった。決して竜胆さんと一緒に住むことが見返りじゃないんだったな。


「それが今すぐというわけにはいかなそうなんです...何せ私今、所持金ほとんどないですので...」



「今すぐお帰りくださいさようなら」


今度こそ家に入り、扉を思い切り閉めようとすると


「えっ あの待って! 待ってください!! 説明しますからちゃんと!」


「実は私 ...家を追い出されまして.....その時にその、私の資産もほとんど取り上げられてしまったものですから••••••」


おいおい勝手に語り始めたぞ。なんなんだこの人のこの有無を言わさない感じ。

コレは聞くしかないやつなのか••••••

それに疑問もある。


「竜胆さん大富豪のご令嬢ですよね? そんな人が家追い出されるとか、何かまずいことでもしたんすか?」


「父様に黙ってちょーっと大きい買い物をしたのがバレてしまって......まあ2億ちょっとなんですけど」


と、ちょっと拗ねたような顔をする竜胆さん。


いやなに『2億くらい許してくれても良くない?』みたいな顔してんの???普通の一家なら大事件に発展するぞ。


というか2億の買い物って一体...つくづく金持ちの考えはわからん。


あれ?でもそうなると...

「そうなると俺に3億払うのもアウトなんじゃ??」


「ご心配には及びません!!父様は『真人間になるまで帰ってくるな』とか言ってましたから。

私のここでの生活ぶりが知れれば、父様の方から声かけてくると思うので !その時仲直りして! 柚斗さんの手には

3億円が! というわけです!!」


結局何一つ確約されてないわけだな......どうか俺の元に3億円が入ってきますように....! 頼むぞマジで!


とはいえ俺も覚悟を決めた。そもそも提案自体は悪いものとも思えなくなってきたからだ。

一緒に暮らすことになる相手が金銭感覚のぶっ壊れたご令嬢であるということ以外は、だが。

本当に3億円手に入れば人生バラ色..かは分からんがだいぶ楽しくなるだろうし。それに....


「とりあえず中、入ります??」


「あっ 入れてくれるんですか..? え? 住んでいいってことですか!?」


「3億円なんて手に入れば、俺の人生もマシなものになるんじゃないかと思いまして」


「あ...あ...ありがとうございますぅぅ!!」

と、泣きそうな顔で竜胆さんは言い、そして


「今日からよろしくお願いしますね!」

と 最初に見たものよりもさらに嬉しそうに、とびきりの笑顔で言うのだった。


それを見て俺は思う。

それにやっぱりこの笑顔に魅力を感じないと言えば、嘘になるよな。

ここまで読んでくださったあなたに最大の感謝を。

これにてプロローグはおしまい。次回からは竜胆さんと柚斗のてんやわんやぶりを見ていただければ。

「ちくしょう俺も3億欲しい!」 「俺も竜胆さんと暮らしたい!」 「私も柚斗と暮らしたい!」というレアなかたも、よろしければブクマ評価感想等いただけると嬉しいです。

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