夏休みは長いようで短い
諸事情により明日は更新できないので、久しぶりの2日連続更新となりました。
今回もお楽しみいただけますように。
終わった。
俺の人生が•••••• とかそんなネガティヴな感じは一切なく!
「一学期が終わったあああ!!!」
「お疲れ様でしたー!!」
テストも無事切り抜け、 打ち上げから10日後。ついに夏休み突入だ。 こうして考えてみると案外早いもんだな••••••
特に今年は莉亜さんがうちに来てからというもの、あっという間に時間が過ぎていったように思う。
「どうします莉亜さん。 40日くらいありますよ? 毎年のことながら改めて数えると長すぎてビビりますねこれ」
「40連休....!! 嬉しい悲鳴ってやつですね!」
いつもよりテンション高めな様子の莉亜さん。
「まったくです。 好きなだけ寝れるっすよ!!」
「えー.....」
あ、一気にテンション下がった。
「何で寝ちゃうんですかー....」
「一日24時間、フルで使えるんすから。そりゃ寝ますよ」
クーラーの効いた部屋で布団にくるまってぐっすり寝る!
こんな幸せなことがあるか!
「24時間フルで使えるからこそ早起きするんじゃないですかー! 夏休みが勿体ないですっ!」
「えー......」
今度は俺のテンションが下がった。 せっかくの休み、願わくば永遠にダラダラしていたい••••••
高校三年生の夏休みといえば、俗に言う「受験の天王山」というやつで、全国の受験生が本気を出し始める時期だ。
しかし俺は大学を受けるつもりはない。 将来やりたいこともある程度定まってるので、専門学校に進学するつもりだ。
そんなわけで大学受験組ほどの勉強時間を確保する必要はない。 比較的ゆったりした夏休みが過ごせるんだから、そりゃあ多少なりダラダラしてもバチは当たらないと思う。
だが。
「せっかくですからどこかお出かけしましょうよ〜!」
「えー...... 莉亜さんも一緒にダラダラしましょうよ••••••」
「出かけたら絶対楽しいですから! お買い物の時もそうだったじゃないですか!」
「あの時はまあ•••••• 楽しかったのは認めますけど」
「ほらやっぱり! !」
ーー今日の莉亜さんすごいテンション高いな。これも夏の魔力ってやつか?
自然と、莉亜さんと2人で色々買ったあの時が思い出された。
ロボット掃除機にテンション上げたり、初めてゲーム機を手に取ったり。
寝具選ぶのにめちゃめちゃ時間かけたり、 試着した服が似合いすぎて即買いしたり。
色々振り回された感じだったけど、あの時は確かに楽しかった。
(そういえばあれ以来、二人で出かけたりしてないな••••••)
そう考えるとこの夏休み、タイミングとしては悪くないか。
よし。
「じゃあ参考までに聞きますね」
「あっ はい! 何でしょう?」
「莉亜さんって去年までのこの時期、何して過ごしてたんすか?」
大富豪とその娘。 俺みたいな凡人には想像するのも難しいが、いったい今までどんな夏を過ごしてきたんだろう。
それを知ればどんなプランを取ればいいかも変わってくる。
ーーあれ? これもう完全に二人で出かける流れになってない??
「うーん....何を、と聞かれると結構難しいですけど••••••」
「とりあえず一つ、言ってみてください」
「あ、 買った島の海で泳いだりとか、結構楽しかったです!」
「••••••前半部分もう一回言ってもらえます?」
何だろう。 『あ』と『島』の間に異様な単語があった気がする。
「買った島の海で泳ぐのが楽しかったです!」
「島って買えるんだ!!?」
どこまで常識を無視してんだ••••••
いくら掛かったんだか知らないが、つくづくお金の力は恐ろしい。 せっかくもらった具体例がこれじゃプランも何もあったもんじゃない。
これまでの夏の思い出に思いを馳せる莉亜さんをよそに、俺は頭を悩ませた。
ーーなんだかんだ言って、今年の夏は楽しくなりそうだ。
ここまで読んでくださった貴方に最大の感謝を。
夏休み編開始と同時に世間では夏休みが終わりますね。
ほんとは時期合わせたかったんだけどそうもいかず••••••
ということで、自分の夏休みを思い返しながらこの先も楽しんで読んでいただければ幸いです。
今回もブクマ感想レビュー! お待ちしてます!!




