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クリスマス〈特別話〉

鰻伊織の誕生日は12月25日冬休み中にいつも誕生日が来るのでいつも誰からも祝わわれたりしない。この話は鰻伊織が、初めて誕生日を祝ってくれた話です。


「今日で二学期が終了!冬休みはすぐ終わってしまうから受験への対策は早めに行う事。それでは三年の通知表を配ります名前が呼ばれたら取りに来いよ」

 中学三年の冬休みが始まる。ただいつもと違うのはこの休みは受験の為にあるという事を忘れてはいけない。

 通知表で受験できる高校、受験できない高校と別れる。自分達の所では少し変わっており、一年と二年の三学期の内申点と、三年の二学期の内申点への合計で決まるらしい。なのでその時だけ頑張る人も少しはいるらしい。

 ちなみに俺の通知表は聞かないでくれるととても助かる。ただ決して悪いというわけではないからな!

「鰻!お前内申どうやった?」

 しかし、クラスの中には必ず一人いるみんなの通知表が気になる人がいる。

「まぁ、良くも悪くもなかったってとこだな」

 こんな感じて言うと興味を無くす人がいるのでぜひ内申点を言いたくない時は最終手段としてオススメする。

「ねぇ、伊織!クリスマスの日空いてない?」

 帰りの準備をしていると、俺の机の前にいた直也なおやが、尋ねてきた。直也とは小学校の時からの友達で、たまに恋愛事情なども聞かされていた仲であった。

「クリスマスかぁ、まだ分かんないけど家族とどこか出掛けるかもしれないからまだ詳しくはわからないな」

「いいよなぁ!お前にはあんなに可愛い妹がいるんだからよ!」

 別に妹と出掛けるなど一言も言っていないのにも関わらず勝手に妄想を広げ俺に刺々しく言ってくる。

「まだ、妹と出掛けるなど言ってないだろ」

 何かに反応する様に直也は、ビクッと体を震わせ俺に向かって言ってきた。

「まだってなんだよぉぉ!!やっぱりか!妹と二人きりでクリスマスの中デートでもするんだろ!!」

 その瞬間クラス中の視線が俺に集まってくるのを感じた。どうせなら良い意味で注目されたかったな。しかし、今は直也の妄想を止めなければならないので無視する事にした。

「一緒に行こう!クリスマス!!」

 何とかこの場から逃れることが出来た。ただ一度言った事は守らなければいけないので、家族には早めにクリスマスの日予定があると言ったが、「彼女とデートか」など何回も言われた。特に妹からはその数倍は言われた。


 12月25日クリスマス当日。

 約束の場所に着いたが、本人さんはまだ来ておらず俺が待つことになっていた。しかし、待っていても来ない為直也にメールを送った。するとすぐに返信がきて、こう書かれていた「ちょっと、友達呼んでいるから少し遅れるわ」

 きっと、直也は友達は沢山いたほうが楽しいと考えたんだろう。たしかに二人の時よりも盛り上がれるだろうし。

「おーい鰻ー」

 遠くから直也の声がして、ちゃんと来てくれたと思うと少し安心した―

「お、伊織じゃん笑」

「伊織くんだ。今日は宜しくね」

「伊織さん、おはようございます。」

 そこにいたのは勘が鋭い人は、分かったかもしれないが今まで直也が、告白し見事振られた女子三人がいた。直也が言うには三人は直也の事は嫌いではないが、恋愛対象としては入っていないとの事だ。直也は、少し女子好きというのがあり、様々なタイプの女子に惚れてしまう。

 まず少しギャルっぽい喋り方をする方は、渋木(しぶき)(あおい)。クラスメイトからは葵と呼ばれており、運動がとてもでき、直也はそこの部分に惚れたと言っていた。

 次は唯一俺の事を君付けで呼んでくれる女子、由紀(ゆき)彩奈(あやな)。清楚系女子として学年から人気を得ている。ただ噂で聞いたことがあるが裏はドSと噂されている。

 最後は、月夜(つきや)(つる)。こちらは清純系女子として他学年からも可愛いと言われている。月夜の、実家はとてもお偉い方らしい。なので言葉遣いがとても綺麗に聞こえる。

 今思うと直也って、凄い勇気の持ち主だな。

「あ、おはよう。何でここに三人がいるの?」

 俺は女子と喋る事は苦手ではないが、学校外で会って話したりするのはとても苦手である。

「何でって、直也が来いって言うから来た。それだけ」

 たんたんと喋る渋木に、俺はつまらない様に言ってる気がした。

(おい、直也!ちょっとカモン!)

 ジェスチャーで、直也を俺の所へ呼び出し小声で言った。

(なんで、女子三人も連れてきてるんだよ!?)

(メールで言ったろ。友達呼んでるって)

(友達って言ったら普通男子連れてくるだろ!何でお前の告白相手と一緒にクリスマスの日に会わなきゃいかないんだよ!?)

(そんな小さい事気にすんなって)

(小さくないわ!地球ぐらい大きいわ!まず俺の立ち位置考えてみろよ!そうと気まずいからな!)

(あ、確かに…分かった。あいつらには悪いが帰ってもら―)

(いや!俺が帰る。そっちの方が悲しむ人も三人から一人に減らせるだろ?)

(いや…でもな…)

「どうしたのですか?直也さん達」

 一番不思議がっていた月夜が、俺達の怪しさに気づいたのか声を掛けてきた。

「あ、いや何でもないんだ!ちょっと俺用事思い出したからごめん!帰らせてもらいます!そーゆーことで」

 俺は駆け抜けた。直也達が見えなくなるまで走った。いつの間にか空からは雪が降っており、絶好のクリスマス日となった。

「俺は一体何がしたいんだろうな…」

 せっかくだから、家族達にちっちゃいケーキでも買っておくか…

「伊織くん!!待って伊織くん!」

 背後から、俺の名前を呼ぶ声がした。由紀の声だ。だが、今由紀達は直也達の所にいるんだから―

「伊織くん!!」

 直後目を開けてみると、俺は由紀に抱きつかれていた。俺は全く意味が分からずただ動くことのできない置物になっていた、その時彼女はこういった。

「メリークリスマス。そしてお誕生日おめでとう!」


「これが家族以外から初めて誕生日を祝ってくれた人だな」

「じゃあ今年はお兄ちゃん何人から祝われるんだろう?」

「1人で十分だ」

どうも猫家の宿です…ぎりぎり間に合った!!25日までに間に合うか不安でしたがぎりぎり!間に合いましたー良かったよかった!

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