ハロウィン〈特別話〉
今日は10月31日ハロウィンの日です!
最初は、本編では4月だが、無理やり10月にするか悩みましたが、無理だったので、過去のハロウィンの話となっております。
1年前―
「伊織お兄ちゃん!!今日はハロウィンだよ!!」
俺がリビングのソファでくつろいでいると、俺の妹彩楓が、2階から勢い良く降りてきた。
「そうだな。まぁ、俺等は特に何もしないけどな。」
基本この家では、誕生日やクリスマスの日ぐらいしか、パーティーなどは、しない。
妹からみたら、少し可愛そうな気もするが。
「ねぇ、何処か行こうよ!」
「そうだなー」
今俺なんて言った!?スマホに集中し過ぎて、てきとーに答えてしまったが―
「…!本当!?一緒に行ってくれるの?」
まぁ、しょうがないか。嘘をついてまでも、逃げようとはしたくないしな。
「一緒に行ってもいいけど、1つ言う事がある。」
「言う事って…?」
「今日はハロウィンなんだから、仮装ぐらいしないといけないだろう?」
彩楓は、どうやら俺の言っている事が、伝わっていないのか、顔を、横に傾けた。
「なぁ、彩楓?ハロウィンがなんの日かって知ってるのか?」
「秋のお祭り?」
秋のお祭りか…最近は、ハロウィンの本来の意味を知らないで、何となく祝うって人が多くなっているらしいが…そんなんじゃ駄目だ!俺が何とかして妹のハロウィン知識を正しく教えなければ!
「な、なぁ、俺がお前にハロウィンの、正しい祝い方を教えてあげるよ」
これで、妹も立派な―
「嫌だ!」
「…」
え?今、嫌だって言った?
「ちょっと待ってくれ!?だって、お前はハロウィンの事がよく分かっていないから、俺が教えようと―」
話の途中で、彩楓が顔を横に振り、鋭い眼つきで俺に言った。
「だって、伊織お兄ちゃんが今から話出すと、1時間以上もかかるから」
別に、話ぐらい10分ぐらいあれば、普通に終わるんだけど。
「じゃあ、今から仮装してくるから。絶対に着替えてるときは覗かない事!」
「覗かんわ!!」
軽い冗談を言い合いながら、彩楓は、2階に上っていった。
てか、アイツ仮装用の服とか持ってたのかよ。
べ、別に、彩楓がどんな仮装をして来るかとか、楽しみにしていないからな。
上からドアが開く音がし、階段から下りてくる足音が聞こえた。
(どんな、仮装をして来るんだ…)
「お待たせー」
(き、来た!!)
「…え?」
「どう?似合ってるかなー?」
そこに居たのは、魔女の仮装でもなく、ヴァンパイアの仮装でもなく、メイドの仮装をした妹の、姿があった。
しかも、普通のメイド服ではない。お腹辺りは、剥き出しになっており、スカートの丈も膝上といったところで、靴下は、太もも辺りまで、履かれており、もう色んな部分がギリギリ過ぎて、こんな格好で外を歩かさせたら、ただの妹キチ○イとしか見られようがない。
「ば、馬鹿じゃねぇのか!?そんな格好じゃ仮装じゃなくて、どっかの、コスプレイヤーって、思われるぞ!」
「でも、コスプレと仮装ってどっちも、似た意味じゃない?」
言われてみれば、たしかに…だが、この仮装は少し違う感じの仮装って感じになってる気が凄くする。
結局いつも通りの私服姿で、出る事にした。
「やっぱり、仮装姿のほうが良かったのに」
彩楓は、まだ先程の事をひきずっている。いい加減、忘れろと言いたいが、ここで大声を出したりしたら大変なので、言わない事にした。
思いの外、仮装をしてる人は少なく、カップルや、小さい子供が頬に軽く、メイクをしている様な感じだった。
「今日の、目的は何だ?」
彩楓から、まだ何も聞かされていなかったので、聞いてみた。
「えーと、近くに帽子屋があるんだけど、そこで買いたい帽子があるの。」
帽子?それだったら別に、1人でも、行けると思うが、きっと、初めて行くから1人じゃ行けないという事だろう。
「そうか。で、その帽子屋は何処にあるんだ?」
「この道を真っ直ぐ行くとあるらしいよ。」
「ここか、お前が言ってた帽子屋は」
しばらく歩くと、少し派手な看板で目立つお店があった。ガラス越しから店内を覗くと、壁は全体まっ黒で統一されており、壁際に帽子が飾られており、各棚の上に売り物の帽子が、置かれている感じた。
流石に、俺も少し入るのに動揺してしまうが、中に入ってみると、とても大きな音のBGMが流れていた。
(あのガラスは、防音ガラスだったのか)
「こ、これ!これが欲しかったの!」
自分の欲しかった帽子を見つけ、飛んで喜んでいる彩楓だった。
値段は、4,500円か。少し高い気もするが、この様な店ではこのくらいは、するだろうと思った。
無事、支払い(俺3,000円、妹1,500円)が、完了し途中で、小さなハロウィンケーキを、家族分買って、家に帰った。
1年後―
「そう言えば、1年経った今でも、晴れの日はほぼ毎日、あの帽子を被ってくれてるんだっけ」
ふと、去年のハロウィンの事を思い出したが…
「ってアイツ!俺に1言も、帽子買った時、礼言ってねぇじゃねぇか!!」
どうも、猫家の宿です。
最後まで読んで頂いてありがとうございます!
今日、書いてみようかなって思い急遽、特別話を出しましたが、どうでしょうか?
おもに、兄妹の仲が、とても良い事が分かるように書いてみました。