俺の平和な日常って何なんでしょうか?3
どうも、猫家の宿です。呼び名は…猫宿なんか、いいですね。3話是非見てください!
「ああ、ちゃんと覚えている…桜海…だろ?」
少し変わった質問だなと感じながら答えたが、桜海は、少し不満げな顔だった。
「その、そうじゃなくて……昔の…」
そう言うと、桜海は、玄関口を急いで出ていった。
最後の方まで聞き取れず、少し気にかかっているが、俺に何かを言おうとしていたのは何となく分かった。
そこで俺は、桜海の自己紹介の部分を思い出す。
「え、えと、私の名前は桜海雪菜です。えーと、私の得意な教科は、社会です。その中で特に歴史の分野が得意でした。えーと、1年間よろしくお願いします」
偶然にも、社会の歴史分野が得意というのが一緒であった為、他者よりも、少し印象深く記憶に残っている。
「桜海…雪菜…」
自然に口から下の名前まで言ってしまった。
(キョロ…キョロ)
周りにはどうやら、俺以外の生徒はいないようだな。聞かられたら面倒くさい為、一応の確認として周りを見渡してみた。
家に帰り、夕食を済ませ、スマホの中に入っているゲームをする。最近は、戦国系ゲームの他に、音ゲーも良くしている。
音ゲーの中でも好きなのは、バンドタイルというアプリが特に面白い。
アイドル系のアニメが、音ゲーとして、アプリ化される事が多くなってきたが、ああいうのは、ある程度課金しないと強くなれないらしいから、あまりしない。
少し画面を見すぎて目が疲れたので俺は、いつもより早く寝る事にした。
時刻は夕方5時を過ぎ、太陽が沈み、月が輝き始め出す時間帯。
春の初めてというのもあり、気温は10°程度で、長袖上着を、着ていないと外は出れない程、寒くなっている。
そんな中で、2人の少年少女は、公園の砂場で寒さに負けず遊んでいた。
「いおりくん、またあした」
「うん。じゃあね、ゆきなちゃん」
2人の少年少女が、そう言い合うと、公園の砂場から、少女は去っていった。
地面には、薄く雪が残っており、空が暗くなるにつれ、風も強くなり、気温はさらに下がっていった。
しかし、少年はずっと、先程まで少女と、一緒に砂で建てた城を見ていた。このあと、少年は2時間近く1人で、砂場に残っていた。
朝7時ぐらいにセットしておいた、目覚まし時計が、俺の頭上で、鳴り始めたが俺は、気付いているにも関わらず、布団の中で潜っていた。
母がちょくちょく、「起きなさいー」と、言ってくるがその程度では俺は、起きやしない!!
ずっと、布団の中で籠城戦を続けていると、ドアの向こうからドアを勢い良く叩いている音が俺の耳元まで振動が、伝わった。
何なんだおい⁉こんなに大きな音が伝わってくると、嫌でも目がさめてしまうじゃねぇか⁉
「うるさいぞ!」
布団の中から、叫ぶとドアの向こうの相手にはどうやら伝わっていない様子だった。
「なんだって⁉全然聞こえないよ!」
そう答えたのは、
「伊織お兄ちゃん!!」
俺の妹、彩楓でした。
「なんで、お前は毎回毎回毎回!!俺を起こしに来るんだっ!」
俺の妹は、人一倍面倒見が良いのは良い事だが、この様に俺が起きるまで、起こし続けるという面倒くさい所もある。
「だって…だって、伊織お兄ちゃんの事が好きだからっ!!」
「お、おい!?お前何言ってるんだ!!」
恐らく今言った、彩楓の声は、家の壁を通り抜け、外まで聞こえただろう。こ、これ以上何か言ってもらったら、俺が困るので、仕方なく降参の言葉を言う。
「わ、分かった!起きるから、起きるからね?」
「う、うん。それで良し!」
今でも、耳元に先程の声が焼き付いて離れない。
すぐに、彩楓は、軽く鼻歌でも歌いながら、階段を降りていった。
いつも通り、学校に行くと、いつもはあまり廊下に溜まっている生徒は少なかったが、今日はBクラスの窓際に、他のクラスの男子生徒達が、誰かを見つめていた。
少しうるさいなぁ。今日朝から、大声を出したせいで、少し頭が痛い。
人混みを抜けながら、教室に入りふと、目に入った桜海を見ると―
俺は、桜海を見た瞬間、俺の脳裏に、何かが思い出した気がした。
今回も最後まで読んで頂いてありがとうございます!
ついに次話から本編突入?です。