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序章 ヒルギの木の神話

 原初の時代、この世界には泥が満ち満ちていた。

 泥は次第に渦を巻き、集まり、一つの種になった。

 その種は泥の中で育ち、やがて一本のヒルギの木が生えた。

 ヒルギの木は、七つの種をつけた。

 泥の中に一つの種を落した。

 落とした種からは、澄んだ水が溢れ碧い海になった。

 ヒルギの木はもう一つの種を落した。

 落とした種からは、岩や土が溢れ大きな島になった。

 ヒルギの木はもう一つの種を落した。

 落とした種からは、多くの木々が生えヤンバルの森になった。

 ヒルギの木はもう一つの種を落した。

 落とした種からは、魚や虫、豚、ハブ等の多くの森に住む獣が生まれた。

 ヒルギの木はもう一つの種を落した。

 落とした種からは、竜や鳳凰、唐獅子等の多くの空に住む獣が生まれた。

 ヒルギの木はもう一つの種を落した。

 落とした種からは、一人の女が生まれた。アマミキヨである。

 ヒルギの木はもう一つの種を落した。

 落した種からは、一人の男が生まれた。シネリキヨである。

 

 アマミキヨとシネリキヨは結婚し、多くの子を産み、そして国を作った。


 そしてヒルギの木は最後に三つの種をつけた。

 黒い種。白い種。赤い種である。


 黒いヒルギの種は、泥被りて悪葬る神となった。パーントゥーである。

 パーントゥーは泥をこね、木々を植え住みやすい土地を作った。アマンデーである。


 白いヒルギの種は、雲従え恵みもたらす神になった。ミルクである。

 ミルクは海の彼方に雲を集め、豊穣の地を作った。ニライカナイである。


 赤いヒルギの種は、火を持って光もたらす神になった。キミテズリである。

 キミテズリは天の上に光を集め、偉大なる都を作ったオボツカグラである。


 キミテズリは、空から火の粉を森と、海と、島と、空と、そして人々に振りまいた。


 キミテズリは言った。

「この光は森を育てる。この光は海を照らす。この光は島を守る。この光は空を助ける。そして、この光は人を導く」


 そして、キミテズリはもう一度言った。

「人が住み、竜が住み、海が有るこの島に、永劫の幸あれ。私の火の粉は、人と、海と、森と、空を永劫守るシーサーとなれ、この島よ、レキオスとなれ」


 こうしてレキオスは生まれ、 

 キミテズリの光は、シーサーとなった。

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