大罪型ハーベスト戦で 4
「筵兄って、結構女の子には甘いんですね」
ジト目の祭は楽しそうに話している筵と憂鬱に声をかける。
「心外だな〜、祭ちゃん。僕はなるべく自分の手を汚したくないだけで、男子とか女子とかは関係ないよ?」
筵は当たり前のことを言っているかのように胸を張りながらそれに答える。
そして続いて憂鬱の方を見る。
「人を見る目はある方だから大丈夫だとは思うけど、念のため母さんの世界の住人になってもらうけどいいかい?」
「まあ、いいと思うよー。状況が掴めないんですけどねー」
憂鬱は筵の問いかけに答える。
「母さんの世界の住人になってしまうと、母さんには逆らえなくなるんだよね。それ以外なら特に悪い事にはならないんだけどどうかな?」
「そうですね。ブラックではないなら全然いいですよー」
「こき使われたりはしない筈だからそこは大丈夫。嫌なら別にもといた所に帰ってもいいけれど、大変、申し訳ないんだけど、この世界の主人公たちによって君達の仲間は倒されてしまうらしいんだよね」
「それなら、別に良いですよ。アイツらのこと嫌いだったし。出来ればそいつも殺してくれて良かったんだけどね」
憂鬱は祭の後にいる、恐らく未来の技術で作られた光のロープでぐるぐる巻にされている虚飾に目を向ける。
憂鬱がそれに触れたことによって筵も便乗する。
「祭ちゃんもイケメンに甘いってことかい?」
「違いますよ筵兄、私はただイケメンを小間使いにしたいだけですよ。特に自信過剰なタイプのヤツを」
祭は動けない虚飾の背中をバンバン叩きながら答える。
「結構なSだね。・・・それでそっちの方も住人になるって事でいいのかな?」
筵が虚飾に質問すると口を塞がれている虚飾は首を必死で横に振る。
しかし祭はその虚飾の腹を殴りそれを止める。
「どうやらイイみたいですね」
祭は再びドヤ顔で言いながら笑う。
街の遠くの方では恐らく主人公達が違う大罪型ハーベストと戦っていると予想されるような爆音や閃光がほとばしっていた。
筵たちはそんな英雄達を尻目に祭の能力でもといた時代の栖の所へ行き、亡命の交渉をして、その後再び昼食中の教室へと戻っていった。