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大罪型ハーベスト戦で 2

 「私の能力は私の知り得る攻撃では私を傷つけはる事は出来ず、私の知り得るものでは私の攻撃を防御出来ないというものだ。そして我が聖剣、ウィズダム・オブ・レコードは古今の英知の詰まった聖剣。これにより何人(なにびと)も私を傷つける事は出来ない」


 筵と離れた祭はもう1人の歴史上存在しないはずのハーベスト、虚飾と対面していた。


 虚飾は自己愛の強そうな容姿と、他の大罪型ハーベストにも共通する悪魔の様な外見を持つ小奇麗な感じのハーベストであり、手には美しい形の剣が握られている。


 「"唯一の真の英知は己の無知を知ることにある"という言葉がある。だがそれは私には当てはまらない。完璧なる英知を持つ私には関係が無い話だ」


 「へぇ、あなたって何でも知っているの?」


 祭は無表情のまま質問をする。


 「無論だ、歴史上の出来事から、物理の理までこの聖剣に記録されているからな」


 虚飾は祭の質問を鼻で笑いながら答える。


 「なるほど、じゃあ"一週回ってユートピア"って知ってる?」



 ・・・・・・。


 祭の言い放った謎の言葉に虚飾は困惑する。それを見た祭はあることを確信して静かにほくそ笑んだ。


 「分からないみたいだね。正解は未来の世界の私の好きなお笑い芸人のネタだよ。そこまで人気じゃないから知らないのも無理はないよ」


 祭は何回か頷きながら、手を銃を持っているように構える。


 すると手の中に銃のようなものが網目状に輪郭だけで現れ、暫らくするとそれが具現化する。


 その銃はまるでタコ型の宇宙人が持っていそうな玩具の銃のような形をしていた。


 「でも、それならきっとこれも知らないんだろうね。でも恥ずかしい事じゃないよ"無知は恥ずべきことだと誰かが言ったが、無知とは時に力となり得ると私は思う"未来の大リーガーの言葉だね」

 

 祭はそう言うと玩具の様な形の銃を虚飾に向けて、引き金を引いた。 


 すると僅か0.数秒のチャージ時間で、その銃の形状からは想像がつかない威力のレーザーが発射され虚飾に近づいていく。


 「くっ!!何なのだそれは」


 虚飾はそのレーザーを翼を翻して何とか避けた。それが何なのか理解出来なかったため避けるしかなかったようであった。


 「あれはデッドスター。魔剣や聖剣に匹敵するほどの科学だよ」


 虚飾の後ろから祭の声が聞こえてくる。しかし、おかしな事に虚飾は目視で地面に立っている祭の姿を確認していた。


 虚飾がゆっくりと振り向くとそこには、いやそこにもと言った方が正確であるのだが、紛れもない祭の姿があった。


 その祭の腕には機械で出来たグローブの様なものがはめられている。


 祭は振りかぶり機械のグローブで虚飾を殴り飛ばすと、まるで反発力が働いているかのように虚飾を吹き飛ばして地面へと叩きつけた。


 「くそ!!」

 

 虚飾は地面に寝ている状態から顔を上げた。


 自分が地面に叩きつけられた事にとって生じた煙で周りがあまり見えなかったが、数名の人影があるように伺えた。


 煙が晴れてよく見るとそこには数名の祭が虚飾を囲むようにして立っていて、その内の1人が虚飾にデッドスターを向けている。


 「このデッドスターには未来でもタブーとされるテクノロジーの内、超小型粒子砲のテクノロジーと高効率なクリーンエネルギーの永久機関のテクノロジーが使われているんだよ。・・・・・・おや、あまりピンと来てないみたいだね。"あの"タブーテクノロジーの内2つも使われているんだよ?」


 「・・・・・・」


 「ああ、そうか知らないのか。分かった分かった無知な君に教えて上げるよ。タブーテクノロジーというのは研究する事すら禁止されているテクノロジーのことだよ。心システム、完全洗脳、未来予知、時間停止、死者復活、そして、タイムマシン。あとはこのデッドスターに搭載されている超小型粒子砲とクリーンエネルギーの永久機関だよ」


 祭の説明に対しても虚飾は唖然としている。分からないことが多すぎて混乱しているのだろう。


 「"人類の英知は遂に科学的に聖剣を作り出すことに成功した"とまで言われてるからね。さっきのグローブとかもその一つだね」


 祭はドヤ顔で説明を続けていると、いよいよ持って訳が分からなくなった虚飾は遂に口を開く。


 「ちょ、ちょっと待てお前は一体何の話をしているんだ?」


 虚飾が祭に質問する。しかし祭はその言葉を待っていたようにさっきまでのドヤ顔をさらに強調させ、"お決まりのあの台詞"と言わんばかりにこう言い放った。


 「お前の居ない、明日以降(みらい)の話だ」

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