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裏任務でも平常授業 4

 ”ビンゴ・・・ですね”


 寝首搔きは(むしろ)の思っている事を代弁する。


 筵がたどり着いたのは、沢山の下手に触ってはいけなそうなボタンが付いた機械とモニターが設置されている半分がガラス張りの部屋であった。


 ガラスの内側には人が一人座れるような椅子があり、その椅子には、あまりよろしくない実験が行われていると予想させるような機械が無数についている。


 支給されたUSBを機械に挿入し、学園側に連絡するとその機械は面白いように情報を開示してきた。


 それにより分かった、ここで行われいる研究の内容は、能力の、特に肉体強化と回復能力についての物であった。理由は間違いなくあの子の病気をどうにかするためだろう。


 そして、この実験に協力した能力者のプロフィールのような画面には、そのいずれにも”死亡”の二文字が記されていた。


 確実に黒。動かぬ証拠であった。


 筵は再び携帯電話を取り出して理事長に電話をかける。


 「あ〜、聞く必要無いかもしれませんがどうしますか?」


 「聞く必要が無いのなら、その通りにしなさい」


 「ここに来るまでに、ここの所長の娘と思わしき女の子に会いましたが、そちらはどうしますか?」


 「そのくらい自分で考えては如何ですか?」


 理事長はこの一件についてしらを切るつもりなのであろう。もしバレたとしても爆弾は持たせただけで、使えと入っていないなどと言い出すかもしれない。


 「では、爆弾を使って爆破するということでいいのですね?」


 「最前を尽くしなさい」


 理事長はやはり言葉を濁した。


 「そんなんだから、母さんに父さんを奪われたのでは?」


 「な、なんですって!!」


 筵の言葉で理事長は、先ほどまでの堂々とした態度から一転、焦ったような言葉使いに変わる。


 「知ってますよ。ずっとぼくの父さん。本田根城の事が好きだったのでしょ?でもずっと思いを伝えないでいたら、ぽっと出の母さんに奪われた」


 筵は言葉を失っている理事長をよそに話を続ける。


 「僕はプライドとか無いんで危うくなったら平気で母親に頼りますよ。あなたの大嫌いな本田栖に。それよりは自分で決断した方がいいのでは?」


 「・・・分かりました。研究所を爆破しなさい。女の子は安全な所に避難させておきなさい。こちらで回収します」


 理事長の言葉を聞いて筵はほくそ笑んだ。


 「はい、おおせのままに」

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