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魔王再臨と平常授業 6

 「遂に1人になってしまったか。早く帰って学生らしく勉学に勤しみたいものだね」

   

 筵は名前も知らない学友騎士団の数人と共にいるにも関わらず、その様に呟く。


 がそう言いつつも、しっかりと探索を続けて行き、敵の能力者と出会う度にこちらもそれに能力者をぶつけ、残りの人は先に進むと言うのを繰り返していた。


 そのせいで次の階にたどり着くまでにだいぶ人数を消費してしまい、部屋中に御札のような物が大量に貼られた奇妙な部屋にたどり着いた頃にはCチームの人数は筵を入れて5人位にまで減ってしまっていた。


 「お久しぶりですね。本田筵さん」


 「えーっと、確か貴方は結城社さんでしたっけ?」


 その部屋で待ち構えていた少女に向かって筵が問い掛ける。


 「ええ、そうですいい記憶力ですね・・・」


 そう言うと社は僅かに手を前に出し、自身の後方にいる身体中に御札のようなものが貼られた男、大門義真に指示を出す。


 この男は天地堕としのすぐ後、筵のリーク情報で新羅達を襲撃した協会の刺客であり、尋問された後、社の能力で身体や心を操られてしまっていた様であった


 そして、その他にも身長が3m程でキョンシーの様に顔に札が貼られた醜悪な容姿のハーベスト化された人間の姿もあり、数の面では相手が数段有利に思えた。


 「正直、茶川の野郎の研究なんて使いたくはないんですけどね。でもまあ、仕方ありません。新羅風に言えば、"したくない事もしなくてはならないのが仕事"ですからね」


 本当に気に要らなそうな表情の社はそう言うと僅かに前に出していた手を完全に突き出して、義真とハーベスト人間に命令を下さし、筵達の襲わせる。


 そして義真は自身の能力、鋼鉄の雄牛(アイアンメイル)により身体を棘の生えた鋼鉄に変化させ筵へと突撃を掛けてくる。


 「うおおおおおぉ!!」


 「ぐっ、厄介だね」


 突撃してきた義真の攻撃をもろに受け、身体に無数の鉄の棘が突き刺さる筵。


 しかし、そんな中でも思考を巡らせてサバイバルナイフを取り出し義真の身体中に貼られた御札に向けて突き立てる。


 だが、結果としてはサバイバルナイフと御札の間にバチバチと電気のような物が走ったのみであり、その後、筵の攻撃は弾かれてしまう。


 結局、その攻撃ではこれを剥がすことは出来ないと悟った筵は1度、心臓を止め、光へと姿を変え、数m後方に下がって再び姿を表す。


 そうして、筵がその一連の攻撃により御札について得た感想は、剥がせない事は無さそうだが、サバイバルナイフでは無理っぽいというものであった。


 「おーい、誰かこの人と相手してくれない?」

 

 と検証結果を踏まえ、周りのが学友騎士団の面々を頼ってみる。

 

 だがしかし。


 「ぐっ、無理だ。このハーベストが多すぎて手が回らん」

 「それにこいら、なんて言うか・・・その・・・」

 「な、なあ、そうだよな?」


 と皆ハーベスト人間に苦戦している様子であった。


 更には、このハーベスト人間が茶川風土の発明で、人間をハーベストにしたものなのではないかと薄々感ずいた者が出てきてしまい、皆、動揺し始めてしまう。


 「ちっ、勘のいい人達だな〜」


 そんな事を独り言で呟き、筵は義真の攻撃を避けつつ、続けて語り始める。


 「しっかりしてくれよ君達、感受性が豊かなのは素晴らしい事だけど、自分を殺しに来てる敵に対してもそんな優しい考えをしてるのはいただけないぜ?それに、幸いこれらはほんのちょっと人っぽいと言うだけでほぼ化物だろ?天使型ハーベストを相手に戦った君達が何を躊躇うことがある?」


 と、こんな事を(とぼ)けた様子で首を傾げつつ言う筵だったが、実際は、彼らがこのハーベスト人間の事を"罪の無い一般人"なのでは無いかと考えてしまい攻撃を躊躇っているということが想像出来ていた。


 なので続けて筵はこう口にする。


 「あー、でもそう言えば、以前、能力が使えなくなる異変が起こった時にコイツらを作った人と戦ったんだけど、なんかその人が"死刑囚を拉致って来て使った"とか言っていたような、言なかったような気がするんだよね〜(言っていない)。ちょっと良くは思い出せないんだけどさ、命の有効利用的な?そんな事だったんじゃなかったっけ?(違う)」


 「・・・」


 そんな感じで大法螺を吹く筵だったが普段の行いが悪過ぎるせいか学友騎士団の面々は一向に信じる様子がなかった。


 「はあ・・・まあ仕方が無いか」


 色々と諦め、ため息を吐いて気持ちを切り替えた筵は、心臓を止めて光となり、義真の前から姿を消すと一体のハーベスト人間の背後の上空で姿を表す。


 そして、細身の人の腰ぐらいの太さのある首に向かってサバイバルナイフを突き刺しそのまま掻き斬って見せた。


 「グゥグゥアアアアァァッゥ!!!!」


 とそんな慟哭が響き、その場に倒れ込むハーベスト人間。

 

 「じゃあここは僕がやるからさ。君達は先に行って千宮寺新羅を止めてきてよ」


 ハーベスト人間の返り血を浴びて身体が血まみれになってしまった筵はそう言って笑い、直ぐに死んでまた復活する事で返り血を取り除いた。

なるべくもう1つの方と交互に投稿する事を心掛けて頑張りたいと思います。


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― 新着の感想 ―
[一言] 珍しくすげー真面目に戦ってるな
[一言]  気軽に死にまくる……  こいつもう、「お風呂に入るのが面倒だから」で死にかねない……いや、「お風呂に入るのが面倒なくらい疲れてるから死んで疲れを取ってお風呂を満喫する」とかそっちの意味で。…
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