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強くて弱い男

トレーニング回と不穏な日常です。


『―――まぁ、理論上はそうね。死に際して魔力やステータスは最も高まるわ。――結構ひどい"DV男"に見えなくもないけど……』


 ………え?


 その表現はちょっと……!!


「強い女だな。……幼馴染だったか? おまえらのことは少し聞きかじったが、その様子だと恋人ではないのか?」

「……………なんでしょうね。――幼馴染で家族、ですね」

「なんならさっさと"腹を括れば"、お互い幸せになれるだろうに」

「う〜ん。難しい話ですね」

「向き合ってないだけだろう? あとから手遅れになるパターンもある、とだけ言っておく」

「一般論ですか」

「―――我が身に宿る教訓だよ」


 どうりで説得力があった。


『ラクミヤエイっ! いい加減にするんだポン。おまえの基準でやったらすぐにマナが死んじゃうポン。少しずつでいいから援護を頼むポンよ』


 それはそれでキツい気もするが――了解した。


 いつでも倒せる戦力差。

 リアルタイムで変動する武闘力は、ロックイーターに味方する。

 どうやら、身体強化の魔法で戦闘中に強くなるらしい。


 対して、エイポンの回復も、ポーションを含む暇もないマナは蝋燭の火が弱々しくなるがごとく生命力を失っている。


 ――この時点で手を出したら……?

 ――もっと濃密な死に際しての底力が得られないのでは?

 これは練習だ。この戦闘室での死亡は復活の対象となる。例によって攻略済みダンジョンの一部を使用しているからだ。

 だからこそ、空間を拡張できる。


「考えてることはわかるが誰だっておまえの感覚に着いて来れるわけじゃない。負荷をかけてダメにするのが目的ならアリだと思うが」

「………ん、何のために?」

「せっかくの美人だ。ゴリラ女になるのを防げる。冒険者業はおまえがやって、帰る家をともにすればいいじゃねーかよ。――言っとくが、夫婦ともにプロ冒険者なんてロクな家庭にならんぞ?」


 やけに、グイグイくる。


 下では、ついに糸が切れた人形みたいにマナが床に倒れ伏したので、ここでようやく介入する決断ができた。


 僕であれば――意識が途絶したあとも人体を操作し、その肉体が死んだあとも呪いとして動く。


 ―――じゃあ、呪いとして死んだあとは……? そのあとはどうなるんだ……?


___________________________________________

『シャドウ・ロックイーター Lv.15』

【HP】 1204/1204

【MP】 538/538

【武闘力】 810(+130)

___________________________________________

 VS

___________________________________________

『ヒグレマナ Lv.4』

【HP】 26/121

【MP】 82/104

【武闘力】 15(-120)

___________________________________________



 これほどまでに武闘力は"上下する"のだとぼんやり考えながら、虫の息になった獲物マナを捕食しようと突進するロックイーターに魔剣を構える。


 そういえば、こいつ捕食できんだろうか? くだらないことが脳裏をかすめ、消えたあと――


 僕の思考は戦闘用に切り替わる。


 ―――《オーラフィールド》。


 マナへ突進する巨虫が見える。


 ―――《剣閃界》。


 魔剣を軽く切り上げる。

 そうすれば、ブヨブヨ虫の巨体は弾かれて分厚いカラダを無数の刃が蹂躙した。


「やっぱ一撃じゃムリかぁ」


 大きくのけぞり、身をくねらせた腹に魔剣を突き入れる。

 そして、もう一度――強く薙ぎ払うと、僕の全方位を包む剣が一斉に敵を切り刻むべく殺到した。肉厚の皮をズタズタに引き裂いたのだ。


 そのまま跳躍し、巨体に並走しながら両腕を振るう。


 鈍重な体が小刻みに揺れる時間。

 本能的に距離をとるロックイーターにスキルの刃を押し付ける。


 そして、数秒間だけ攻防が続き、最後に振り抜かれた魔剣が宙を指した。


 ――遅れて、大量の血しぶきがそこかしこで降り注ぐ。


 なんとも言えない臭気と白濁の海が広がる戦闘室。


 振り返れば、交通事故を起こしたバスが横倒しになったみたいに、もがき苦しむ巨虫が見える。その体躯には、無数の刃が通り過ぎた斬撃跡が痛ましく残る。


 おぞましい絶叫があがった。僕は残心して、攻撃の成果を確認する。


 ………よし、魔石は残した。


___________________________________________

『シャドウ・ロックイーター Lv.15』

【HP】 633/1204

【MP】 425/538

【武闘力】 540(-140)

___________________________________________

 VS

___________________________________________

『ラクミヤエイ Lv.5』

【HP】 80/89

【MP】 1136/1196

【武闘力】 2130(+1420)

___________________________________________



 ―――なるほど、黒羽さんにはこの数値が見えていたのだろう。


 あの人には通じなかったが、《剣閃界》はかなり攻撃的なスキルだ。それでもまだピンピンしてるロックイーターを褒めるべきなのかどうか。

 

 ―――こいつ、やっぱりボスだよね……。


「《エネルギーバースト》」


 差し向けた手のひら。

 すると、肉を打つ鈍い音が生じて胴体が少しだけ揺れる。

 このぷるぷるボディは、気弾ともめちゃくちゃ相性が悪いのはご存知の通り。


「あーマナ。――大丈夫?」


 通りがけに振りかけたポーションとエイポンのスキルで徐々に小康状態に落ち着く。


 それからマナが目覚めるまで、僕はロックイーターと遊んでいた。


 ―――あのね。こいつサンドバッグにちょうど良かったんだ。


 耐久力特化のデカブツ。

 『身体強化』と『攻撃の魔闘』を練習するのに最適。エネルギーバーストを蓄えて打つのはあくまで放出系魔法に過ぎない。

 オーガやあの武闘家の真似事で、鋼のごとき硬度を維持して殴る練習を続ける。


 ――ドムドムドムドムッッ!! 

 ――ドムドムドムドムッッッ!!!

 ―――ドムドムドムドム……ドボッッ………!


 規則的なリズムで両拳を叩きつける感触からして正解かに思える。

 なぜなら、ロックイーターの肉体は攻撃を吸収し、受け止めることに長けているから。


 ほんの少しだけ、技の通りが良くなって、反発力を超えて風穴ができるまで時間はそうかからなかった。


「―――たぁー! たのしい〜! しあわせだぁ〜!!」


 脳がぐずぐずにとろける。

 ロックイーターの体液は、高温で火傷するレベルだ。

 黒靄がしっかりと再現してるようで、溶解液はじかに触れたら焼けただれる危険物となる。


 それらを手のひらに感じなら掘り進める作業に夢中になって、未知の洞穴を探検してるみたいで――今度はこっちの穴から出てきたかぁってね!


 

 ―――とっても楽しかった。



『よかったわね。――あんたが楽しそうで私もなんだか嬉しいわ』


 そうだよね! こんなぼくでも――人生を楽しんでいいんだよねっ! 


 さしもの、"生命力お化け"もいよいよ進退極まったようだ。


「おはよう、マナ」

「…………おはよー。また服がダメになったね」


 耐性スキル狙い。

 痛みなくして成長はない。

 ――僕はマナに魔法を付与する。


「《エンチャント:白透刃》」

「《エンチャント:アーマメント》」

「《エンチャント:ブースト》」


 さすがに自分に対するほどではないが、希少な武具で固めるくらいの強さにはなる。


 マナの武闘力が『280』まで引き上がったのを見て、"ロックイーター探検隊"の一員となったマナが順次魔石に相当する部位(濃い黒靄)を破壊することで、ようやく――大物を倒せたのである。




「いやぁ若いっていいねぇ。――しみじみそう思う」


 きゃっきゃとはしゃいでいた僕らを見て年寄りみたいな発言をする。彼も十分"若者"の範疇だろう。


 30代前半くらいかな? 無精髭を生やしてくたびれた雰囲気を出すのは、擬態の一種なのかもしれない。


「楽しかったねー」

「私はさんざんな目にあったよー! これからどうする? シャワー浴びて朝ご飯にしよっか、もう7時回るよ」


 ――7時……まだかっ!?


 いつもなら電車の中で眠ってる時間だ。充実感がものすごい!



「まーたーまたまた強くなった〜」

「なにそれ? 珍しく歌なんて歌って」

「―――身体強化の運用方法。魔闘術だよ。明らかに『魔力の移動速度』と『効果の決定』が早くなった。もう少しで実用に耐えうる練度になると思う。スキル化マダカナー。これで上級者の仲間入り」

「はぁ………まさか、休みでも関係なしに一日ごとに強くなるつもり? もっとゆっくり楽しもーよー。―――学園は三年もあるんだよ? 先生たちも教えることがなくなって困るよ」

「なら先生も一緒に成長すればいいよ」

「――くくっ、それは言ってやってくれっ。耳が痛くなるやつだらけだろうぜ?」


 悪だくみする顔で黒羽さんが笑う。

 僕らは近くのシャワールームで汚れを落とし、朝のバイキングを求めて食堂に向かう。



「―――あ、やっぱり学校休みだって。ノゾミちゃんが遊びに来るってさー」

「やった、嬉しい」

「――フーン? まぁいいけど。ここで寝泊まりするの超快適だよね。……ダメになりそー」

「いいじゃん。家事しなくていいの。モンスタードロップだけでも稼げそうだよね? ――最悪、僕の付与魔法を使えば、装備の破損も最低限に抑えられるし。――回復魔法セルフヒールの付与はムリだったけど、《ヒューマンドミネイト》前提だったら回復もいける気がする」

「――エイくんは何を目指してるの? 万能型は理想論、机上の空論ってよく聞くけど、この勢いが止まらないなら、本当に"万能の魔法使い"になりそうで困るぅ〜!」


 万能は器用貧乏と紙一重。

 重点を絞って取り組まねば、何から何まで中途半端になりそう。


『今の時点で、じゅうぶんでしょうに。贅沢な悩みね……?』


 まぁね。しかしこんなにも朝を優雅に過ごせるなんて素敵だ。朝は弱いんだよね。――もう夕方くらいの疲れを感じるけど。


 そんな中、食堂にある大画面テレビに注意が向いた。静謐な時間を台無しにするほど慌ただしく、速報や中継映像を流すからだ。


『まもなく突入部隊が動くようです! こたびの大規模な"包囲作戦開始"から九時間あまり、現場の一つと中継がつながっています。………そちらの状況はどうですかー?』

『――はい。こちらブラックレギオン『灰狼の三重爪』の拠点と目される大型倉庫の上空よりお伝えしています。……あっ、見てください。たったいま噴煙が上がるのを確認できました!』


 現在、都市中に隠れていた犯罪者の大規模な一斉検挙とあって警察や治安維持に協力する大手レギオンが参加した大規模な作戦が行われている。


「――こればっかりだ」

「ねー。目をそらしてたけど、なんかすごい大事件に発展してて困惑するよ。よほど確度の高い情報だったのかな……?」


 どうやら、ヒエイやアリアさんたちの裏切りによって皇都の『スパイ組織』と化していたレギオンや会社、店舗などが一斉に制圧されていて非常に盛り上がってる。

 ネットやテレビもその話題ばかりでうんざりするのだ。


「そこんとこ、逆に聞きてェくらいなんだが……」


 同じテーブルを囲む黒羽さんはフレンチトーストを上品に切り分けて食している。背筋もピシリと礼儀正しい。


「どうしたらあそこまで悪人どもが改心するってんだ? ――皇都の四天宮アリア嬢と言やァ、その一派も、新興派閥として『我王グループ』に取り立てられて勢力を拡大していた。もともと財閥の養女だったしな……」

「……え、そうなんですか? 皇都の事情にも詳しいなんてさすがですっ」


 声のトーンが若干高くなったマナとしかめっつらの黒羽さんが会話する。


「『英雄』にも届きうる凄腕の冒険者としても有名で、"絶世の歌姫"。『我王グループ』に屈しはしたが、それでも権利は死守した。むしろ業績は伸びてた。動機が全く見当たらねェ……それが今じゃ、『アクマ教団』なんてとち狂った組織を名乗ってやがる」

「―――え……"悪魔"って? 危ない違法組織の人たちなんですか?」

「――そう思うよなァ? ところが"善良な市民を守る盾"を自称する宗教団体だ。皇都からの亡命と組織の設立。――活動内容も慈善的で、実際善良にしか見えねェ。それら権利の保護を確約する代わりに都市の防衛や犯罪者の捕縛などに全面的協力を申し出た。……いや、逆だな。――悪人を引っ捕えるのにお前らが協力しろってな態度だったわ」

「んーー? わからないですね。そんなことをしたら皇都を敵に回すんじゃ……仲違いですか?」

「――ああ、だが、調べたところ。パニックに陥ってるのはむしろ皇都のほうだぜ……。蜂の巣をつついたような騒ぎで情報も錯綜してる。表も裏もめちゃくちゃだな。―――昨晩、うちにアプローチをかけてきたが、その時点で我王グループに対して"全面戦争"を起こすと啖呵を切ってきたらしい」

「その我王グループって、皇都社会の民間"最大派閥"でしたよね? いくつもの財閥を傘下に収めた。『"Aランク冒険者"ガオウアギト』が起こした武闘派レギオンが根拠となってる。――都市伝説では『悪の帝王』と呼ばれてる恐ろしい人だとか……?」


 ――フーン……。マナはよく知ってるなぁ……。


 難しい話になった気配を感じて、僕は食事に集中する。


 ―――バターロール3個、味噌汁、肉じゃが。そのほかのおかずも少量ずつ集めてきた。


 バイキングなのだ。正直ね。並んでるやつ全部制覇したいくらいだったけど……。こういうとき大抵調子に乗って結局はマナに泣きつくことになる。だから賢い僕は、食べられる分量に調整したのだ。


 今日はいつになく朝っぱらから運動したのもあって結構な量だが。


「―――と、長いこと語ったが、結論。あれは――『"狂信者"』だな。俺も直接ヤツらと話したから言うんだが、教会の関係者もガチの信徒はヤバいだろ? あの目だよ。――なんらかの"実在する神"から信託を受けて働き心血を注ぐ使徒。――おそらく、今までの悪事の分だけ、善行をさせられる"天罰"でも、降ったんだろ……? ―――なぁ、ラクミヤ」


 あの飄々とした黒羽さんが、恐る恐るといった声音で喋っていたので、ふと視線を上にすると目が合った。


「―――え、なんか言いました?」

「………っっ! …………だから、まぁ今のところは有益でしかないな。――ら、ラクミヤ……この動きが終わったら一旦挨拶をすると『アクマ教団』"代表"の四天宮アリアが語っていた。――いちおう、伝えておく」

「ああ、はい。ありがとうございます」


 ……えー? 普通にイヤなんだけどなぁ……。お互い殺し合った仲でなんと挨拶すればいいんだろう。


『天罰……? 気のせいかしら。クロバが怯えてない?』


 気持ちはわかるよ。

 僕も"宗教関係者"は苦手だからね。



『そういう話かし…………』

『―――スキル《チェーンバインド》を習得した!』

『あ、やっと望みのスキルが手に入ったじゃない。さっきからずっとやってたものねー』


 よしっ!


___________________________________________

 《チェーンバインド》

 無属性魔法。鎖の戒め。

 頑丈な鎖を自在に操り捕縛する。

___________________________________________




「あの私、こういうものですが」


 食事を済ませた僕が立ち上がるタイミングを待っていたのだろう。


「……ッ! あっ……」


 声をかけられたので、引き返してマナを呼びに行く。その最中、自己紹介や名刺を手渡され、挨拶の言葉を聞いた。なので、それらしき表情をつくり、時間を稼ぎながらテーブルに戻ってきた。


 マナにとりついで、席に座る。――ミッションクリアだ。


「あーエイくん。取材だって。……どうする?」

「…………?」


 ―――どうする、とは?


「エイくんが単身連れ去られてレギオンを壊滅させたこと、少し調べればわかるよ。――というか、掲示板に載ってるし……。すぐに帰ってきたのは知られてるから、みんな探してるんだよ」

「――あ、はは、まぁ。ありていに言えば。お時間はそうかからないかと」

「………………」

「守秘義務もあるので、多く話せることはありませんが……」

「けっこうです、話せることだけで。―――楽宮さん、あなたはどのように、桁違いの戦力差の中、それも相手を改心させたのですか?」


 ――えっ。なにか始まった……。


「称号《小さな勇者リトル・ブレイバー》にそのような効果はありませんよね? ――あったら、世界はもっと平和です……。今回の一件はなにやら尋常ではないことが起きてる……ただならない予感があるのです」


 僕は――マナの顔を伺いながら返答した。



「―――復活して……何度も戦って……あとは……ヒエイって人がぁっ……やってくれましたぁ……」

「――ほうほう、なるほどなるほど。協力者であり実行犯の彼女をまず取り込んだのですね。それは、どのようにして?」

「………えーと………………………うーん、と……」


 答えを求めて眼球を上に向ける。だが記憶にないことを思い出すのは難しく……何度も考えては目をつむって眉をしかめ、だんだんと頭がボーッとしてきた。


「…………………」


 しばし、その状態に陥って抜け出せなくなったところ――ようやく、マナが助けてくれたのだ!


「―――エイくんは、長時間の戦闘と度重なる死亡・復活のせいで記憶が途切れ途切れになっているんです。そのあたりにしてもらえますか?」

「………は、はい。――聞いていたとおりですね。……チッ、すみません、ではこれで」


 そそくさと立ち去った女の背中を見つめると肩の力が抜けて楽になる。


「――大丈夫? 今日はもう部屋に戻ろっか。ノゾミちゃんが来てからでいいからね」

「………」


 無言でうなずくとマナは席を立った。

 トレーを返却口に置いて食堂をあとにする。


 テレビではちょうど、あのレギオンハウスにいたと語る壮年の男性がスタジオでインタビューを受ける映像が流されていた。


『――ええ! わたしはこのときのために生きてきたのでしょう! あまりにも罪深いわたしを救い導いてくれた。慈悲深い主のために、この世界を光で満たすためにわたしどもは存在しているのです』

『――は、はぁ。そのための活動の一環ということですね。貴重なご意見をありがとうございます。しかし、どうしてそのようなネーミングなのでしょうか。悪魔アクマ、とは不穏な単語ですよね』

『それは――過去のわたしたちに与えられた"罪の烙印"。己の罪を忘れぬための証です。しかし、今では敵対するものにとっての"破滅を与える使者"として――悪魔と呼んでいるのです。主こそが『希望の勇者』であり、『救世主』なのです。わたしどもは、その御姿を真っ先に目にしたこれ以上のない幸福なものたち。これから、この世界を変革する運命にある『アクマ教団』をどうか、今後ともよろしくお願いしますね。―――あなたのもとに救いが訪れますように』

『――い、以上。動乱の中心的存在『アクマ教団』の"広報担当"オジサンさんでした』



 ………どこかで、見たことあるような……。


 そうか! 僕の死体を踏みつけてたおじさんだ!

 ―――名前オジサンなんだ。すごい名前……芸名かな?


 どんよりと暗くなった心が一瞬で晴れた気がする。


 ―――ありがとう、オジサン。これからも頑張ってね!!


主人公は強いかな……。

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