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【魔神転生】 〜無限の螺旋に挑む者たち〜  作者: 暗黒のグミ
第二章 白き怪物のアギト
21/73

豪華報酬! 盛りだくさんっ!

リザルト回


 泣き出したマナとそうこう言ってる間に――虚空からフワリと落ちてきた『高級なガラス瓶』と『炎のような指輪』。


 精緻な銀の細工が施された、瓶に入る水色に輝く液体。

 ―――これが『女神のしずく』。

 そして、赤々と白熱する金属指輪が『パワーリング』だろう。


「鑑定」


 さっそく手に入ったばかりのジョブスキル《鑑定》でアイテムをチェックしてみよう。


___________________________________________

 《パワーリング》

 めずらしい。力がみなぎる指輪。完全に能力を引き出せば一段と力が増す。 売却額:3200G

___________________________________________


___________________________________________

 《女神のしずく》

 とてもめずらしい。偉大なる"女神の奇跡"がこめられた水。飲めばたちどころに傷が癒やされ、欠損やあらゆる状態異常を治す。また、最高級の"魔法薬"でもあり、調合素材にも使用される。 売却額:500000G

___________________________________________




「――このポーションを使えば、腕生えてくるかも」

「じゃあ早く使おうよっ!!」

「えー、もったいない。『とてもめずらしい』は、『秘宝級/トレジャー』だよ? ショップで売ればいくらするか分からない」


 アイテムはレアリティが高いと在庫も少なく、売値の幅も大きくなる。


 『通常級/ノーマル』、『希少級/レア』、『秘宝級/トレジャー』と希少性が上がっていくのだ。(さらに上の『至宝級/アーティファクト』は『めったに見られない』)


「それより僕の腕を拾わないと……アレがあれば治療も簡単そうだ」

「そう、だけど。さっきまで、HPも『危険域/レッド』だったんだよ!」


 ――今は半分くらいはある。バッドステータス《瀕死》から、極度の疲労と少しの怪我をさす《消耗》になった。

 つまり、モンスターの襲撃がなければ死ぬこともない。


 僕らはロックイーター―――『岩盤をバリバリ砕く大顎で獲物を丸ごと捕食する習性をもつ』とされるモンスター―――の死骸が、分解されるのを眺める。


 そんなとき、左手でがっしりと握りしめたままの血塗れのホワイトソードが、目もくらむ光を発した。


 ―――『メモリアルウェポン』。


 冒険者が『試練』や『偉業』を達成したときに記念品として授与される"神秘的な武器"のことだ。


 有名なのは――勇者の持つ『聖剣』や上級冒険者が扱う『魔剣』などの専用装備。どれもユニークかつ強力なものが多いらしいが……まさかこの剣が……?


 至近で光り輝く白剣を遠ざけて目をつむる。網膜に焼きついた光がチカチカとうるさい。手を伸ばした先で"変化していく武器"をじっと見つめる。


 しかし魔力の動きを追っても、途中で"謎の光"に遮断されて何が行われているか不明だ。


「うぅ、まぶしいっ。エイくん、それどうなってるの?」

「―――さぁ? よほど、見せたくないんだろう」



 童話『鶴の恩返し』を思い出す。

 振り返っちゃダメ系・見ちゃいけない系の警告を破ってバッドエンドを迎える話はありふれている。


 超常的な存在に触れてしまい破滅するエピソードはよく聞くし、実際に"天罰が下る"こともあるらしい。


 さて今回は――別に誰にも警告されてはいない。

 ギルドも学園も「大いなる存在を敬え」とは言うがそれを実行してるとも言うべき『魔王崇拝者』や『邪神教団』への当たりは厳しいし。


 ならば、自己判断で決めるべきだ。

 これって――多分善意なんだろう。

 無茶でなりふり構わない使い方をしたせいで刃先が欠けていたのだ。


「まるで"御神体"みたいだね」


 僕が掲げた剣の光量はすさまじく、まるで後光を放っているようにも見える。


 ―――今回僕は何もせず、その威容を感慨なく見つめていた。



 しばらくして、ようやく作業が終わったのだろう。

 直視しても平気になり、次に目に入ったのは―――『真紅の魔剣』だった。



___________________________________________

 《魔剣ブラッドソード》

 めずらしい。生きた魔剣。正式な所有者以外が持てば襲いかかる。

 "刀身の保護"、"ブレード変形"、"軽度のインセクトキラー"の能力を持つ。 売却額:不明

___________________________________________




「おお〜、僕の剣がデカくなってる〜」

「てか赤っ! ―――血が材料になったの? 血管が浮き出ててグロい。コワイ!」

「そうだねー」


 ひと目で分かる、"禍々しさ"。今にも動き出しそうな気配を感じる。

 ―――しかし、強そうだ。

 『初心者装備』の細長い白剣を補強する形で――"赤黒い刀身"ができあがっている。


 簡単にいえば、"アイス"だろうか。周りの血でできた刀剣部分がアイスのようにすべて溶けても平気なようだ。棒だけ残る。

 見た目は、幅広の長剣だが驚くほど手に馴染むし、軽く感じる。


 試しに触ろうとしたマナは――持ち運ぶことはできても、柄を握って武器として使おうとした途端、威嚇するみたいに刃先を向けたのだ。……こいつ、ある程度は自分で動けるらしい。


「――そろそろ、行こうか」


 さっそく使ってみたい。


「しかも、まだ『20分』も残ってるから。――マッピングも進めていきたい」

「いや帰るのっ! 今日はもう終わり! ―――じゅうぶん遊んだでしょ?」

「う〜ん」


 マナはそう言って、"芋虫みたいになった僕の右腕"を優しくなぞる。


 ロックイーターにかじられて失った部位もミチミチとグロく修復されていき、今では肘より少し短い程度だ。だがポーションの量か、カルシウムが足りないのだろう。


 それよりも――


「くすぐったいって」


 まさか敏感な"患部"を触られるとは思っておらず、思わず身をすくめた。断面のおまんじゅうを指先で確かめるなんて――変態的だ。


 

 武器《魔剣ブラッドソード》は、鞘に収まらないサイズになってしまった。なので、さっそく『変形』を試してみる。


「うう!! んっ!」


 お、ヒモが生えてきた。念じたら。


 ――便利だなぁ。これをせっせと背中にのせて、首と腰回りで固定すれば、あのダクトも進める。


 これまで見たどの魔石よりも大きい『大地の結晶』というランクの高い魔石を収納し、すぐ隣に落ちていたブヨブヨの『肉厚な皮膜』をマナに渡す。


「う………っっ」


 両手で持てば、だらーんと垂れ下がるサイズのネチャネチャをマナは巻物みたいにして、どうにか横抱きにした。


 その中には肉片と化した"僕の右腕"がくるまれている。

 ――消化途中だった骨がむき出しのグロいやつだ。モザイクを掛ける。


 マナ、こっちの方は平気で手掴みするんだけどなぁ?

 衛生観念や感性がよくわからない。


「もしかするとコレも――魔法のじゅうたんになるかもね」

「私ヤダよっ! こんなのに座りたくないもん!」


 ごもっとも。


「あ。忘れてた」


 そういえば、と立ち止まる。


「なになに? もう無茶は禁止だよ、ホントに怒るよ?」

「宝箱だよ。一番奥にあったはず――」



 ―――パカっ。



___________________________________________

 《鉄のこんぼう》

 ふつう。頑丈な棍棒。売却額:130G

___________________________________________



 まぁ、ハズレかな。

 図鑑が埋まっていいけども!



「まさかエイくん、わざと罠にかかったんじゃないよね?」

「…………いや、誰でも通る位置にトリガーがあったから。不可避だったよ」

「ホント〜〜??」


 正直な話――分からない。地面との接触であれば、それこそ魔法で渡るくらいできたが。


 たとえば"宝箱を目指して進む"ことがトラップ発動のトリガーだったのなら、引き返すことだけが唯一の正解だった。


 ――――これは内緒にしておこう。


 

 凄まじい激戦を終えたにしては――日常的にコトは進む。


 油断すれば倒れそうな、かつてない眠気に襲われて、ひんやりしたダクト内をベッドにしたくなる。意外と快適なのではないか。


「………足手まといの私が言うのもなんだけどさっ。せめて一言でも教えてよ! 自己完結しすぎ! 私からしたら――エイくんが突然どこかに消えちゃうって怖くなるんだから―――」


 ――無事、元の洞窟にやってきた。背後に意識を向けると先ほどまであった空間が瞬時に土砂や瓦礫で埋まっていく。


 やはり、あのロックイーターよろしく、物体を入れ替えているのだろう。


「―――ねぇ、聞いてる?」

「………うん」


 何かあっても、僕一人だけならいいかなって楽観的に考えていたけれど。

 罠の種類によってはダクトも安全とは限らなかったか。――反省だ。


「そりゃ、私が頼りないのは分かるけどさー。だって、戦闘中も震えて盾を突き出すことしかできなかったもんね」

「十分だよ。――下手に近寄られたら今度は左腕を持っていかれたかも」

「全っ然、笑えないよぉ〜」


 "血剣"をうねうねと動かして能力を確かめる帰り道。

 しょげたマナに付き合うのは大変だったけど、新しく手に入った"謎の魔力"を使うのは楽しかった。


「―――ホーリー」


 称号《小さな勇者/リトル・ブレイバー》に紐付けされる形で覚えた魔法ホーリーは、"お手玉サイズの光条"が飛び出すものだった。


 道中に遭遇するモンスターを張り切って倒そうとするマナを追い抜いた―――"一束の光条"がゴブリンを穿つ。

 聞いたことのない大絶叫をあげて床を転がるゴブリンの様子からして、効果に間違いはないみたいだ。



___________________________________________

称号《小さな勇者/リトル・ブレイバー》

 いかなる困難にも立ち向かう。

 どんな絶望にも屈さない勇者の卵。

 自然界には存在しない神聖魔力を扱えるようになる。

___________________________________________


___________________________________________

 《ホーリー》

 基礎的な神聖魔法の一つ。

 モンスターや悪人に大きなダメージを与える。

___________________________________________




『これであんたも立派な勇者さまね! 思い描く勇者像とは、だいぶかけ離れているけれど。――私は嫌いじゃないわよ?』

『ポッポッポ〜。マナの相棒が勇者! 実に甘美な響きだポン。ボキュはいま、猛烈に感動してるんだポン。ポンポポォーーーン』


 いいことがあったので、二人ともご満悦だ。天使にとっては、冒険者の躍進は本懐でもある。――僕も、喜ばれるのは悪い気はしないな。


「それにしても、これは強い……。威力もそうだけど、何より"行動阻害"が深刻だ」

「ギィーーヤー!! って叫んで戦いにならなかったね」

「やっぱし勇者って恵まれてるよ」

「…………」


 ダメージ量もそうだが、激烈な痛みが襲うらしい。

 

 そういえば、《鑑定》のおかげで敵のHPも見れるようになったよ! スキルとかは僕のレベルが低くてダメそうだったけど。


「―――っていうか、エイくん『勇者』って………。もしかして目指すつもりなの? ――『希望の勇者』に……なるつもりなの?」

「ナイナイ。僕がそんなふうに見える? キャラじゃないって。――たった一戦でこのザマだよ。勇者はもっと"強くて無敵"なんだよ。……僕なんかとは違ってね――」

「………そっか。……………よかったよ」


 何が、そんなに嬉しいんだか。


 油断やハンデなど言い訳にもならない。――僕の方は、「課題と発展性」がたくさん見えてきた感じだ。


 まず、魔力。結果として"魔力切れ"はそうそう起きないことが分かったので、あとは活用法の模索だろう。


 今もこうして、『神聖魔力』とやらを使って"光の義手"を作ろうとしているが、なかなか上手くいかない。――骨組みに無属性魔法を使えば出来の悪いロボットみたいな動きはできるのだけど。


 それから、高威力の攻撃魔法も欲しい。今回グリッターボールが牽制にしか使えなかったのは相性の問題もあるが――何より根本的に火力が足りない。


 それもこれも、帰ってからになるか。明日以降になるのか。


 ―――マナの許す限り、だな。


 片手で《ホーリー》と魔剣による"血の散弾"を放って、それぞれ向かいくるモンスターを鎧袖一触にする。

 そのたびに、新しい攻撃の組み合わせを思いついて試す時間は楽しいものだ。



「エイくん。見学」


 しかしながら、むしゃくしゃしたマナに『戦闘禁止』を言い渡された。


「…………」


 仕方なく左手を眺め、魔力を一点に集中させる。


 火力が足りないのは密度が足りないからではないのか。ビー玉サイズのグリッターボールを踏み固めるようにして凝縮させる。


 けれど、いまの《魔力操作》では思うようにまとめられないしロスも多い。フィールド内でこれだ。


 一発でロックイーターを即死させる魔法なんてのは、先が長そうだ。


『イヤイヤ……あいつは、そもそも一人で戦う相手じゃない気がするわ………』


 目の前に現れたミカが腰に手を当てて呆れ顔をつくる。


 ―――アイツ、驚くほどタフだったからね。再生力を加味したら延々と耐久できるだろう。よく倒せたものである、と自画自賛してマナの奮闘を眺める。


「―――キョッ、キョキョッ」


 あの笑ってるゴブリンは洞窟の天井からいきなり降ってきたやつだ。――ゴブリンの出現頻度は一番高いな。


 一切の援護はいらないと頑なに言い放ったマナの戦いぶりは苛烈で気合いが入ったものだ。――しかし、どこか窮屈そうにも見える。


 剣の取り回しと体術のすり合わせが上手くいってない感じか。


 それでも、なんとか一人で倒し切ったマナはまったく満足した表情ではなくて、目が爛々と輝いている。


 まさに遅れを取り戻すとでも言わんばかり。ダンジョンに来て前半は僕が気を使わせることが多かったので少し嬉しい。



 広場に着くまでに、マナは一人で『五匹』も倒してレベルを上げた。

 どちらもまだ初心者、少しずつ着実に強くなれるだろう。


「―――坊主たち。何かあったら、とにかく大声で叫べ。俺たちにちゃんと聞こえるからな。広場の駐在さんにも伝えておいたから、寄り道せずに帰れよ」


 優しい大人からすれば、どうにも僕らは気がかりになるらしく。

 基本不干渉のマナーを破ってでも声をかけてくれた。


「特に坊主。あんまり嫁さん困らせるなよ」

「は、はぁ」


 僕は空返事をした。

 セリフに似合わず、おじさんの真剣な表情が不思議だったからだ。



 ―――そして、レンガ広場の治療院にて。



「―――よくがんばったね。生きて帰ってくる。これだけで満点さ。あとの治療は全部、このばあさんに任せなさい」

「はい、よろしくお願いします」


 『八千代さん』というナース服を着たおばあさんはニンマリと微笑む。


 診療台に寝転がりそれでも魔剣を手離さない目を閉じた僕の姿を見て、彼女が苦笑いを浮かべるのをジッと観察していた。

 

 ―――多分そのこともバレているからこその笑みだろう。


「よぉ〜く、お眠りなさい。終わったらお嬢ちゃんに起こしてもらうからね」


 その言葉とともに、猛烈な睡魔が襲い、まもなく意識が刈り取られた。


 ―――今度、目を覚ますとき、ちゃんと回復しているといいな。


勇者…………かっこいい! まさか主人公が勇者になるとはなぁ〜もっと地味な感じで行くのかと……ともかく快挙ですね! かっこいい! ――ですが、あくまで称号なので、マナちゃんが言ってたように「僕が勇者だ!(ドン)」とアピールしないと埋もれる感じです。クラスメイトからは「フッやるな……」となりますが。


 以下興味があれば


 レベル3

 HP 片腕欠損 最大HP4/5→

 74 80%

 59

 MP 死闘 最大MP4/5→残りMP2/5

 1006 80%

 805 腕が千切られた時点で293+レベルアップ分の回復+89

 382/805


 Lv3

 【HP】  68/68(62+6

 +6

 74

 【MP】 892/917(830+超回復+1+86 +89

 1006


 【ちから】   9(6+3

 +5→14

 【かしこさ】 23(15+8

 +9 31

 【まもり】   11(8+3

 +3 14(バングル+5→19)

 【せいしん】 28(18+10

 +11 39


 【きようさ】  17(10+7

 +8 25

 【びんしょう】17(12+5

 +7 24


『オーラフィールド』

 範囲スキル。つねに魔力を消費するが範囲内で驚異的な知覚の強化・魔力の操作が行える。


『シールド』

 魔法の盾。

『エンチャント?

 性質強化。

『ブースト』

 身体強化。全体的な底上げ。

『スラッシュ』

 力強い剣撃。

『小さな勇者』

 称号。特定のジョブやスキルの条件。

『ホーリー』

 神聖魔法。浄化・魔滅の効果。攻撃にも使えるが、毒・感染・寄生・洗脳の解除にも利用できる。

(神聖属性はわりと万能的な魔法。勇者を代表とした、『高威力の攻撃・病気や傷の回復・魔法的防御』三点がそろう)


『魔剣ブラッドソード』

 切れ味や強度はそこそこ。何よりも変形と形状記憶が特徴でメンテナンス要らず。

 グリップ部分は元々のやつ。ブラックです。


『女神のしずく』

 高等錬金や飲み薬として利用。たぶん「娘の病気を……」とか、「女神の奇跡をあるべきところへ……」みたいな人たちが家にやってくる。


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