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音村 暁人

「ゆ、悠里……なんで?」 


悠里の目に光がない…


「あきとー!お家行こ?えっちしよ!えっち!」 

 

「悠里…?まじでどうした?」 

 

「……」


ガンッ 

 

悠里が硬そうな棒でいきなり殴りかかってきた 

 

「あっぶな!」 

 

「……」


やばい……殺される……


逃げなきゃ……


「う……ああ」 


クソっ!身体がお…もい


やば…暗い……何も見えなくなる 

 

目…開けなきゃ……


あれ?時間が止まって……る? 

 

「暁人?何してるの?後ろ振り返ってから動いてないけど」  

「なに!なん…で!ん…で………そ、な事するの!」 

 

「……暁人」 

 

悠里が俺の方に歩いてきた 

 

「くんな!やだ!」 

 

ザクっ 

 

「え」  


太ももがいきなり熱くなった 

 

熱くなった所を見てみると…俺の太ももにナイフが刺さっていた 

 

「バット抜けた?」 

 

「え……ああ…うん」 

 

え…何が起きてるんだ…マジで理解出来ない…


悠里が俺を棒で襲ってナイフで刺した??え??マジで……は? 

 

「暁人♡お家行こ?」 

 

悠里の様子が明らかにおかしい……


……


いや…俺がおかしくさせちまったんだろうな…


そりゃあ、そうだよな…悠里は俺の事を愛し、信じてた 

 

それなのにも関わらず、悠里を俺は裏切ってしまった…


全部…俺が悪い 

 

「そ、そうだな…でも悠里ん家ここから遠いよな?タクシーで行こう…」


「そーだねーじゃー今から呼ぶねー」 

  

「「…………」」 


「悠里…浮気してごめん…」 

 

「……」


「俺はもう悠里に相応しくない……この後、もしヨリを戻してもまた浮気してしまう」 

 

「もし気が済むならその棒でいくらでも殴ってくれ」 

 

「本当にごめん…」  


 俺は悠里に頭を下げた 


「暁人…顔上げて?」  

 

悠里にそう言われ頭を上げたら……悠里は……


笑っていた 

 

「んーん!気にしないで!暁人は全然悪くないよ!悪いのはあの三人!」 

 

「え?は?」 

 

「あの三人が暁人を壊しちゃったんだよね?」 

 

「大丈夫だよ!もう暁人はあの三人に会わないから!」 

 

「…どういう事?」 

 

「これから暁人を私のお家に監禁するの!そして私の側にずっ〜〜と居てもらうの!」   

 

「………」


病んでた頃の空みたいな事言い出した…


まあ、空の時は一日中愛を囁きながらヤッてたら治ったから悠里もそれでいこう

 

「ああ、分かった…俺が悪いもんな…….」

 

この後空と泊まる約束してたけど今回は状況が状況だ、空に連絡しとこ……今の空なら怒んないはずだし


「もーだから!暁人は悪くないの!悪いのアイツら!」 

 

「アイツらには暁人を壊した責任を取ってもらうから安心して」

 

んん…?今なんて…

 

「私の知り合いに悪い人達が居て、その人達にアイツらレ◯プしてもらうの!」


「は?なに言ってんの?」 

 

「そのままの意味だよー、アイツらが穢れる姿楽しみー」 

 

「っ!」 

 

俺はすぐに空に連絡しようとした……が…


バンッ 

 

「がっは!」 

 

悠里に背中を思いっ切り棒で叩かれた 

 

「何してんのー?もしかして…アイツら助けようとしてる?」 

 

「ユルサナイ…ユルサナイ…またウワキだ……浮気だああ!!!」 

  

バンっ バンっ 


「ぐっ…」


早く…早く…連絡を…


「はあー…はあー…もーいい…これ使お」 

 

そう言うと悠里はリュックからスタンガンを取り出した 

 

「へへ、えへへ」 

 

やばい、やばい…よし!空には送れた!後はアイツらに…


バチっ! 

 

「んぐっ!」 

 

踏ん張れ…俺ぇ!! 

 

「ぐっ…ぐああぃ」 

 

「まだ身体動くんだ……でも次で最後…」


はぁ…はぁ…あとすこし…



バチチッ!! 

 

ーーー 

 

「暁人、遅いなぁ…早く会いたいよぉ」  

 

「お泊まり楽しみだったから今日の朝ラッシュリフトやってきちゃった…早く暁人に見てもらって可愛いっ言って欲しー」

 

「あ!メッセージ来た!!」 

 

(にげうへろ) 

 

「にげうへろ?どういう事?」 

 

「お!マジでいんじゃん!!噂通りちょー可愛いー!」 

 

急に男の人の声がした…声がした方を見ると 

 

悪そうな人5人と…クラスメイト2人がいた 

 

「マジヤバくないっすかw空ちゃんw」


「お前の言った通りだわw生の方が可愛いww」 


「やべっ…もうビンビンっすわw」


「うひひww」 

   

男達全員が気持ち悪い顔で私を見ている 


なるほど…逃げろって事か…

 

私はすぐに全速力で走った 

 

「あ!おい!待てや!」 

 

男達が血相を変えて追ってきた 

  

 


やだやだ…怖い…なんで……

  

ーーー 

ーー 

 

「はあ……はあ…もう逃げらんねえぞ…」


「………はぁ…はぁ」 

  

私は走って大きな橋に向かった…コイツらの言いなりにならないために…それにここなら来てくれるかもしれない…


「大人しくしてれば優しくすっからw」 

 

「近づかないで!それ以上近づいたらここから飛び降りるから」 

  

「おいおいw空ちゃん駄目だよー命を粗末にしちゃあ」 

 

「……」


「それに……空ちゃんwこれw見てw」


クラスメイトの男がスマホの画面を見せつけてきた 

 

そこには……


「暁人……!!」 

 

「アンタら……!!」 

 

「空ちゃ〜んww空ちゃんが俺らの言う事聞けば暁人を解放してやるよwもし断れば……わかるよな?」 

 

「………」


「よしよし…大人しくなったなw……それじゃ…いただきますかwww!!」

  

男達が私を囲むように迫ってきた 


私は橋の上に登った 


「え?は?空ちゃん何してんの?」 

 

「死ぬ」 

 

「は?」 

 

「アンタらに身体触れられるぐらいなら死ぬ」 

 

「いやいや!暁人もやべー事になるんだぞ!!」 

 

「別に、いいよ…一緒の日に死ねるなんて幸せ」 

 

私は暁人の物…髪も顔も身体もぜーんぶ暁人の物…

 

暁人も自分の物が穢されるくらいなら無くなった方がいいよね?ふふ……待っててね…綺麗な身体で暁人の所に行くから 

「クソッ!おい!あの女を早く捕まえろ!!」 

  

男達が一斉にこっちへ向かってきた 


「………」


暁人….好き……大好き…あっちならずっと二人きりになれるかな? 

 


ーーー 

ーー 

ー 

  

 

 

 

「空ちゃんんん!!」 

 

飛び降りる寸前…聞き覚えのある声が聞こえた 

 

「蓮二!?」 

 

「あぶねっ…暁人に殺される所だった……」

 

「なんだ!てめえは!!ぶっころ「ガンッ」」 

 

「早く見つかってよかったぜ…」


「幹也も……」


「なんなんだ…てめえら!」 

 

「蓮二…早くやっちまおうぜ…姫の不安を早く取り除かねーと」 

 

「だな…魔王の怒りは絶対買いたくねーし」 

 

ーーー 

ーー

 

「二人ともありがとう…」 

 

「気にしないでー」 

 

「空ちゃん怪我ない?遠慮なく言ってね」

 

「大丈夫だよ…」 

 

「マジで?本当に?」 

 

「本当に大丈夫…」 

 

「なら良かった…魔王の物に傷ついちまったら終わりだからなw」

    

「そんな事より、暁人が……!」  

 

「あー、それね…俺らも全部は把握してなくてさ…」


「うん…とりあえず暁人から空ちゃん達を助けてくれってメッセージがきてさ」 

   

「私はもう大丈夫だから暁人の事助けて!お願いします…」


「そりゃあもちろん…親友を助けない奴は居ないっしょ…でも…」


「その親友から頼まれた事もしっかり守らねーといけないのよ」 

 

「とりあえず、空ちゃん達を安全な場所に送ってから暁人を助けるよ」

  

「いやっ!本当に私は大丈夫!早く暁人を!」 

 

「空ちゃん……暁人は君が本当に大切なんだ…もし空ちゃんの身に何かあったら暁人は自分を追い込んで最悪…自分で死を選ぶかもしれない…」 

 

「空ちゃんだってそうだろ?」 

 

「うん……でも…」


「つか、空ちゃんの身に何かあったら俺らが魔王に殺されちまうんだよ!!空ちゃん頼む!!絶対暁人は助け出すから大人しく車に乗って!!」 

 

「…わかった…絶対だよ?」 

 

「おう!任せてよ」

 

ーー 


「まじで早く見つかって良かったわ…」


「…アイツらに襲われている時、助けてくれるかも!と思ってこっちに走ってきたの」 

 

「なるほどなーさすが空ちゃんー」 

  

「前はよく暁人とこっち来てたからねー」


「もし助けが来なくてもここなら飛び降れるし…完璧だよ」  


「中学の頃、空ちゃん「暁人以外に触れられるぐらいなら死ぬ!」って言ってたけど…マジだったんだな…」


「当たり前じゃん!私は暁人だけの物なんだから!!」 

 

「はは…相変わらずだねー空ちゃん…もーさっさと結婚してくれよw」


「えへへ」 


「あっ…そういえば京介ちゃんは?」 

 

「あーー、なんか岸辺桃花って奴わかる?なんかその子を助けに行くってすぐに行っちまった」 

 

「へー、そうなんだ……」   

  

「よし、ついた」 

 

「ここ、大◯栽培用マンションで一棟丸々俺らグループの物だから安全だよ」 

 

「806号室は何もない空室だからそこにいてねー」 

 

「中にカップ麺とかお茶とかあるはずだからお腹空いたら食べてもいいからね」 

 

「うん、ありがとー」 

 

「んじゃ、これキーね…あとインターホン鳴っても絶対に出ないでね…理由は…」 

 

「うんwなんとなくわかるよ」 

 

「ならおっけー!それじゃ行ってくるわ!!」 

 

「…絶対に暁人を助けてね…」


「おう!」

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