小鳥遊 悠里視点3
「大丈夫だよ?暁人…」
「……」
「仕方ないよ、暁人は悪くない」
「私は暁人の味方だから…」
「……ありがとう」
「んーん、気にしないで…また頼ってよ」
「ごめん…悠里に頼りっぱなしで…」
「いいの…暁人は私の恩人だから恩返しみたいな物だよ」
「今日は家に帰ってゆっくり休も?その顔色だと最近しっかり寝れてないでしょ」
「…ああ」
「これ…私が使ってる睡眠薬、結構強めだからピルカッターか歯で半分に割って飲んでね?」
「助かる…」
「うん、落ち着いたらまた連絡して?私は暁人の役に立てるだけで嬉しいから」
「悠里……」
「……」
ーーー
ーー
ー
ガンッ ガンッ
「クソがっ!!」
「子供が出来た?!ふざけんな!!!」
「意味わかんねえよ!死ね!死ね!」
ずっと…ずっと聞きたくもない…あのクソ女と暁人のエピソードを聞かされて………
我慢して…我慢して…暁人を慰めて……
いずれは暁人をアイツから…なんて思ってたのに!!
一条 翼………また違うクソ女が増えやがった!!
しかも子供?あ"あ"あ"!!?死ね!死ね!
もう無理……我慢できないいぃ!!暁人を監禁して寝取って私だけの物にしたいいぃ!!
はぁ……はぁ……
落ち着け…落ち着け私…… 焦るな…焦るな私!
確実に暁人の心は私に近づいて来てる!今日の暁人のあの顔……間違いない!
我慢我慢……我慢我慢…
…………
ーーー
「えー、何それー」
「いや、マジだから!」
「本当に?」
「マジマジ、んでさ………」
携帯が鳴った
「!」
「そ、空…どうした?」
「え…今? 今は公園……………い、いや…誰も居ない、俺一人だけだ…」
「………ああ…今すぐ行くよ…………うん…俺も愛してる……」
「………」
「悠里ごめん…空に呼び出された…」
「そっかー……残念…」
「…はあ……行きたくねえ……」
「……暁人、もう辛いなら別れた方いいよ…」
「……」
「彼女さんの束縛…日に日にヤバくなってきてるし、暁人もどんどん元気無くなって体調も崩しまくってるじゃん…」
「しかも、身体も……」
暁人の身体はキスマや噛み跡……何で付けられたか分からない傷?跡?も増えている……
「……別れる…なんて言ったら空に何されるか分からない…」
暁人はあの女に完全に怯えきっている…
「家も知られてるし、親同士も仲が良い…俺の事で空が知らない事なんて…ほとんど無い…」
暁人に抱きついた
「私は暁人が心配なの……もう暁人の辛い顔見たくない……好きな人の辛い顔なんて見たくない…」
「悠里…」
「何かあったら私が守るよ、大丈夫…大丈夫だから…」
「……」
「別れる…」
「えっ…」
「別れるよ」
「………」
やっ………
やったああああ!!
この数年間の努力がようやく……実ったああ!!
暁人達と同じ高校の友達にお金を渡して、暁人の女関係の不穏な噂流したり…私の友達とあの女を友達にして恋愛相談する時、あの女が嫉妬する様に仕向けたり……
ふふふ……ふふ…
あの馬鹿女…面白い様に私の思い通りになって……あーwマジで笑えるww
空ちゃーんw暁人頂いちゃいまーすww
「うん…そうだね…暁人も彼女さんとは長いから色々辛いと思うけど…このまま彼女さんと付き合ってたら辛い所じゃ済まされないとこまでいっちゃうよ…」
「……だよな…やばっ…手が震えてきたわ…」
暁人の手を握った
「大丈夫…」
「私が付いてるから…」
「…ありがとう…少し考えたいから…考えが決まったらまた連絡する」
「うん…待ってるね」
ーーー
「ヤダっ!!やだやだやだやだ!!!」
「別れるなんてやだ!」
「別れるぐらいなら死ぬ!!暁人を殺して私も死ぬ!!」
「そ、空……」
あの女が暁人の首を絞めようとした
「はい、駄目ーww」
私は暁人の首を締めようとした手を掴み、捻った
「誰!!離せよ!!」
「無理ー、カレシに暴力振るおうとする奴を離すわけないじゃん」
「はっ!!彼氏!?暁人は私の!!私の彼氏なの!!」
「もう彼氏じゃないよー、暁人言ったよね?好きな人がいるって……それがワ・タ・シ」
「おまえが…お前が!!暁人を!!許さない!!許さないいぃぃ!!」
女が私を殴ろうとしてきたがなんとか避けた
「危なーw……あっ!警察の人ー!こっちです!!」
こうなるのは分かっていた……だから事前に警察に通報しておいた
「暁人っ!!やだ!離して!!好き!好き!大好きなの!別れたくない!!」
「空……」
「ほら、暁人行こ?警察に事情話してさっさとここから出よ?」
「……」
「暁人!!」
「っ!」
「行くよ…?」
「…わかった………」
チッ……まだ…完全には心を奪えてないか……
まあ……いいや…暁人はもう私のだし…これから…今まで通りゆっくり確実に……