夢の中の龍
夢を見た
そして私の目の前には龍がいた
しかし特に何かをする訳ではなく
空高く飛んで行ってしまった
高く高く昇る龍は雲を突き抜け消えて行った
次の日の夢には
龍が雲の中から顔を出していた
こっちへ来いと言ってるようだった
でもね
私は空を飛べないの
あなたの様に大きな身体もない
翼もない小さな人間なんです……
私の声が聞こえたのか龍は再び雲の中へ去っていった
次の日も夢を見た
再び龍が雲の中から顔を出していた
だけど今日は寂しそうにこちらを見てた
まだ来れないのか?
と言ってる様な目だった
ごめんね……翼を持たないと私は君と遊べないんだ
龍はまた雲の中へと去って行った
次の日も夢を見た
今日は龍が目の前にいた
本当は飛べるのだろう?
飛べないよ……人間だもん
そうやって決めつけてはどこにもいけないぞ
えっ?
ここは夢の中だからこうして話も出来るそれはお前が話したいと思ったからだ
じゃあ私の声はずっと……
聞こえていたさ……ちっぽけな言い訳を沢山な……
飛べるかな?
飛べるさ夢の中だからな
私は両腕をいっぱいに広げたそして……
飛んだ!
恐る恐る目を開いた
飛んでいた。そしてその横には龍がいた
飛べただろう?
うん!
"やりたい気持ち"その気持ちを忘れるでないぞ
そこで夢は終わった
あの日以降龍は夢には出てこない
でも、覚えてる
あの空を飛んだ感覚を
あの夢が叶った時の嬉しさを
だから今日も
現実世界で夢を追っています
fin
ここまで読んで頂きありがとうございました
辰年ならではの作品を書きました!
楽しんで頂けていたら幸いです