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8.フローラ視点

「あ、あのこれは……」


 自室にずらりと並べられた豪華な料理を前にフローラはおどおどと尋ねた。

 目を覚ますと、すぐに侍女たちに着替えさせられ、食卓につれてこられたのだが、並ぶ料理の量がすごい。

 いつも質素なスープとパンしか食べていないフローラにとってはみるだけで胸やけしそうな量なのだ。


「お食事です。食べていただけると」


「で、でも私なんかが……」


 フローラは同盟国でもない国の令嬢である。しかも自分のせいで自国の王子が命の危機にさらされたのだ。

 恨まれこそすれ、このような好待遇を受ける意味がわからない。


「フローラ様。王子が転魂をしたことは極秘事項です。フローラ様にはこれから王子を演じてもらいます」


「わ、私がですか!? む、無理です!ロイ殿下の性格だって存じ上げないのに」


「もちろん人と接触するような事をするつもりはありません。ですがお身体が戻るまで、王子の仕事などをやっていただきます」


「仕事……ですか?」


「はい。私が仕上げた書類に判をおしていただく事だけですが、そのためには食事はとっていただきます。フローラ様、その体は王子のものです。王子の健康のためにそれなりの食事量をとっていただかないと困ります。そのつもりで食していただけると」


 そう言われてフローラは気づく。

 そうだ、この体は自分を助けるために殿下が預けてくれた大事な身体。

 より健康な状態を維持するのも自分の仕事なのだ。

 謙遜して食事をとらないで健康を害してはいけない。 


「はい。そうでした!申し訳ありません!ではいただきます」


「はい。お好きなものをどうぞ」


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