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第四話 戦ってみよう!

 模擬戦勝利に向けて本格的に魔法、剣の練習を始めてから一週間が経ち、今日がその模擬戦だ。対戦相手は直前に先生から発表されるため、まだ分からない。しかし、模擬戦を控えた今、僕はとてもワクワクしている。なんせこの一週間でできることが格段に増えた。それを早く試したい!


 「次はアルト=オキナ。相手はケン=ドラゴだ。準備をするように。」


 「「はい」」


 先生に名前が呼ばれ、相手がケンであることが決まった。

 

 「アルト、絶対負けねぇぜ!よろしくな!」


 「勝敗はともかく良い勝負をしような!」


 僕は勝負事の際、常に全力を出すようにしている。そうしたら負けても仕方ない次は頑張ろうという気持ちに早く切り替えることができるからね。確かに負けたあとは悔しいし自分はだめなやつだなと思う。けど、全力を出して負けたのなら「単に相手は自分よりも強かった。」の一言で少なくとも僕は済ますことができる。いつか相手よりも強くなれば良いかなって感じ。ここまで言ってきたのはただの負けた時の言い訳。でもなるべくは勝ちたいよね。よし、頑張っていこう。


 模擬戦は魔力の膜を纏い、それを破壊すれば勝利となる。魔力の膜とは、シャボン玉の強度が高いのもと思ってくれれば良い。纏っているからって戦闘に支障はきたさない。この膜は戦闘不能になるようなダメージを与えれば壊れる。自分が磨いた剣技、魔法を使って壊す。さらに模擬戦では自分が発明した魔道具なら使っても良いいことになっている。それらは自分の能力として判断されるからだ。魔道具とは作るのが少し特殊な魔法を使うから難しいのだ。


 僕たちは先生に魔力の膜を纏わせてもらい、向かい合う形で並んだ。

 僕の武器は剣一本、対し、ケンの腰には剣がかかっており、手には一冊のノートを持っていた。何だあれは?他に何かないかと探していると、


 「準備はできたか?始め!!!」


 先生のかけ声とともに模擬戦が始まった。


 「全力でいくぜ、ファイヤ×4」


 そう言うとケンから四つの火の玉が飛んできた。

 僕は目だけに魔力を注ぎ、飛んできた火の玉をじっくりと見て、もろい部分を探した。


 見つけた。


 「<四連擊>」


 僕が剣を振るととんできた四つの火の玉は消えた。よし!できた。


 「は?」


 ケンは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた。当然だろう魔法が斬られたのだから。しかも四つ同時に。いやぁ~大変だったなあこの技覚えるの。模擬戦までの一週間で身体強化魔法なしで一度剣を振れば四回の剣擊を起こせるようになっていた。身体強化魔法を使えば六回分にできる。


 「今度は僕から行くよ。<魔力擊>」


 この技もこ一週間の成果の一つ。これは剣に魔力をのせ、遠くにいる物に斬擊を当てることができる。威力はのせる魔力によって変わり、いま打ったのは今の僕の魔力の二割程度をのせた。


 「まずいっ。」


 ケンは風を起こしながら間一髪僕の斬擊を回避したようだ。多分靴が何らかの魔法具なんじゃないかな?目に魔力を使っていたからケンの足から風出るのが見えた。


 「はあ、はあ、危なかった。やるじゃんアルト、でもまだ戦えるぜ」


 ケンはそう言うと手に持っていたノートを開き、手を前にかざすと火の玉が五個ほど出て僕の方に飛んできた。

 

 僕は身体強化魔法を掛けながらそれらを避けた。

 あれはファイヤだった。でもなんで?ケンの魔力からしてそんなに打てない筈。だとするとあのノートか。考えているとケンが腰にかかっていた剣を抜き球を投げるみたいに振りかぶっていた。


 「いっくぜぇ~。シャイニングソードぉぉぉぉぉ!!!」


 そして投げた。てか待て、シャイニングソード?まさかあれは、あのただ光るだけの剣か?まさかね~。するとその剣からまばゆい光が起こった。まずい、目が。まさか光るだけの剣だとは思わず何が起こるか注視してたらまさか本当に光る剣だった。


 目が見えるようになるとケンは巨大な炎の玉を作り上げていた。身体強化魔法を目に集中させその炎を見るとそれはいくつものファイヤが重なった物だと分かった。そしてケンが持っていたノートも何なのか察しが付いた。あれは多分前に言っていた魔法を閉じ込めておく魔法具。まさか完成しているとは。すごいな俺の親友。でもだからといって負けるかどうかはまだ分からない。まだ一週間の成果の一つが残っている。


 さて、今からこの一週間僕がどのような鍛錬をしていたのか説明しよう。この一週間のテーマは剣術だ。魔法を覚えようかなと思ったけどやはり身体強化魔法を掛けながら剣を振るのが一番魔力を減らすのが効率が良かった。剣を振っていく中で数個の技が使えるようになった。そして今から使う技はこの一週間で最も時間がかかった技。


 「アルト。これで決める!!!」


 「僕もこれで決める!!!」


 「ウィンド。いけぇぇぇ」


 ケンはできがった巨大な炎の玉に風の魔法<ウィンド>をのせさらに火を大きくした。

 迫り来る火を前に僕は集中しその技が成功するイメージをした。いける!


 「秘剣ーー<羅針斬>!」


 僕は剣を振るとそこから無数の針のような小さい斬擊を生み、それらが一斉に炎に向かっていきぶつかると炎が消滅し、残った斬擊がケンに向かっていった。成功だ!


 「なっ!?」

 

 今出した<羅針斬>は魔力を剣に纏わせとして飛ぶ斬擊を生む<魔力擊>を分散させる技。また読んで字の如く生み出した斬擊は狙った相手は逃さない。これは僕の魔力が増えていくと同時に魔力の操作が上手くなったことでできた技。そしてこの技は僕のオリジナルだ。やっぱいいよな~自分の技って。誰もが夢に見るよね。ずっと欲しかったんだよね。これからもどんどん増やしていこう!幸い時間はいっぱいあるからね。


 パンッ!!風船が割れたような音がし、それと同時に終了の合図が出された。


 「やめ!!勝者アルト=オキナ。二人とも良い勝負だったよ。お疲れさん。今日はゆっくり休みな」


 先生はそう言った。僕この先生好きだな。特に「お疲れさん」が良い。模擬戦に勝ったのと相乗効果ですげーうれしい。

 

 「負けたか~。やるなアルト、いつの間にそんな強くなったんだ?」

 「まあな。それこそお前こそあれ前に言ってた魔法を閉じ込めておく魔道具だろ?やるじゃん」

 「だろ?まあ俺天才だからな!」

 

 相手がケンで良かった。こうしてお互い全力でぶつかり合うことでさらに仲が良くなった気がするからね。また自分が強くなれていると知ることができた。これからもどんどん強くなっていこう!!


 


 



 



 

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