第三話 魔力を増やしてみよう!
家に着くと早速借りてきた本を読んだ。もちろん、時を止めてね。
最初に読んだのは、火の魔法についてが書かれている本。次に水、雷と言った順に読んでいった。そして次は、
「さて、読むか」
そう、図書館で合った謎のおねーさんが勧めてくれた本。なんとなく後に回してたんだよね。そうして、僕はこの本を読んでいった。
「・・・マジで言ってる?」
読み終えた後の感想がそれだった。その本には僕の魔法についての知識ががらりと一転し、少ない魔力の僕にとってこれ以上なく驚愕に値するものだったから。まとめると、
・魔力の大小のスタートは人に寄るが、最終的な量は皆同じくらいになる
・魔力は筋肉と同じように酷使すれば増える(ただし、魔力が本当に空になると猛烈な倦怠感がおそってくる)
・魔法はその事象をイメージすることで出すことができる
・魔法にはもろい部分があり、そこに強い衝撃を与えれば消すことができる
こんな感じ。最初に驚いたのは、魔法の最終的な量が皆同じくらいになること。そして魔力は筋肉と同じように酷使すれば増えること。僕の前までの知識では魔力についての研究はあまり進んでおらず、魔力は年を経るごとに増えていくということだった。だから、今知ったことが本当なら、僕の「時を止める能力」を使えば僕は誰よりも強くなれる。そう思ったらなんだかワクワクしてきた。
そして次に驚いたのが魔法がイメージが大事だと言うこと。魔法は魔方陣というそれぞれ特有の物を覚えなければならない、というのが前までの知識。でも、魔方陣で覚えた方が良い魔法もある。例えば、身体強化魔法、物を亜空間に収納するアイテムボックスと言う魔法がそれ。なんでも、イメージがしにくいらしい。
最後のは、やっぱりかって感じ。というのも僕は魔力が少ないからどうやって戦おうと考え、魔法を斬れないかなと思い、ケンに魔法を打ってもらい、一度斬れたのだが、それ以来斬れていない。
やばい。自分に可能性があると思ったら楽しくなってきた。どうしよ何からしようかな?。よし!まずは焦らず一歩一歩ずつ強くなっていこう!まずは魔力を増やそう!
今後の方針が決まったから、とりあえず魔力を空にするために、いったん外に出て、魔法を何回も打つことにした。まあ何回と言っても二回打ったら使えなくなるんだけどね!ああ、前に二回打ったら空になるって言ったけど、それは二回打ったらもう魔法が使えなくなるということで本当に空になる訳ではない。まあ、言葉の綾だよね。許してくれ。てへっ^^
二回ファイヤを打った後、後の魔力をどうやって消費するか考えた結果、身体強化魔法を使って剣を振ることにした。すると、四十秒ほどしたら身体強化魔法が解け、すさまじい倦怠感が襲ってきた。やばい、これはきついなあ。何にもしたくなくなってくる。好きだった鍛錬が興味ない物になっていく感じ。なんていうのかな?燃え尽き症候群みたいな感じ。そしてしばらくすると猛烈な眠気も襲ってきた。その瞬間僕の意識は夢の中へ飛んでいった。
目が覚めると少しぼーっとしたが、さっきまでのことを思い出し、とりあえずまた時を止め、今できることを確認した。身体強化魔法はできるな。他の魔法は、・・・うん、一回くらいはできるかも。ということは、総量の半分くらいはあるのかな?本に書いてあったことを確かめるにはまだもう少し時間がかかそうかな。それまで待ってみるか。
僕は、魔力が全快するまで勉強をしようと思い、部屋に戻った。
数時間勉強をした後、魔力の上限が増えているのか確かめようと、まずファイヤを二回打ち、身体強化魔法を使って剣を振った。すると、最初は四十秒ほどしか続かなかったのに今回は五秒くらい増えて使えるようになっていた。
「マジかよ!本当に増えてる!!」
本当だった。じゃああの本に書かれてたことは全部本当なのかな?そう思っていると・・・っ来た!
さっきと同じような倦怠感が襲い、遅れて、眠気もやってきた。僕の意識は飛んでいっていしまった。
それから目が覚め、空にしを何回か繰り返し、分かったことがある
。
・一度魔力を空にすると身体強化魔法五秒分の魔力の上限が増える
・魔力を全快にしなくてもとりあえず空にすれば、魔力の上限は増える
・繰り返して行くにつれ、魔力の回復が早くなっている
数回繰り返し合計が十回ほどになり、身体強化魔法を何回も使っているうちに、ある程度の使い方ができるようになってきた。
・部分的に魔力を多く込めるとその部分の能力が通常よりも能力が上がる
・部分強化をすると他のところには強化できない
これは多分魔力が大きくなったからだと思う。例えば、目に魔力を込めると、自分の魔力が見えるようになる。これのおかげで魔力が全快になっているか、なっていないかが分かるようになった。今の僕の魔力を数値化すると、全快になった時の魔力が百九十くらい。次に、
ファイヤ:五十ほど減る
ウォーターボール:五十ほど減る
サンダー:五十ほど減る
身体強化魔法:一秒に一程ほど減る
今使える魔法の魔力消費はこんな感じ。いや~、魔力の量が見えるのって便利だよね。今までなんとなんくでやってきたからね。思ったけど、努力の結果が目に見えるのってやっぱすげー嬉しい。よし!次は目標を立てよう。やっぱ目標って大事だよね。ほら、ゴールの見えないマラソンとゴールの見えるマラソンとではゴールの見えるマラソンの方が早くゴールする的な。う~ん。どうしようか。そうだ、来週のテストの模擬戦の勝利にしよう。そのために頑張っていくか。
因みに、そんなに時を止めていて腹は減らないのかと思う人もいるかもしれない。・・そうだよね、いるよね。何でかというと、時を止めている間なぜか腹が減らないんだよね。まあ、そこが謎でも強くなっているならいいか!と思い、そこに関してはあまり考えないようにしている。だからそんなに考えないでくれ。よろしくね。