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ひょっとして一人っ子?
私は高校卒業時のGrad Dinner Dance に向けて、シャリム・マリスに本場仕込みとやらのワルツを習うことにした。パパはそれがいたく不満のようで、自分だって寄宿舎で習ったから踊れるのにと散々主張した。
「僕だって踊れるのに! 何でよりによってシャリム?」
パパには、多忙な共働きの両親を持つボリスのお守りがあるでしょう? そう言って、私とシャリム・マリスは今までよりも長く学校に残って練習を重ねた。
「痛った、この下手っぴ! また足を踏んだね! そもそもが、先輩みたいな性悪にかまけて時間を浪費したってのが不幸の始まりだ。自分の方がずっとずっと、あの人を愛しているのに」
「私に言ってどうするの? 1人じゃ何も出来ないの? アンタひょっとして一人っ子?」
「それが何か関係あるのかよ? 自分も君も、ボリスも、そしてあの人だって皆、皆一人っ子じゃないか!」




