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いつからその名前?

 そうだそうだ、たしかそうだった。それで母は、高校以来の親友であるサワと再婚して、私達は母の故郷である、この雪けぶる町へと引っ越したのだ。


「サワには本当に感謝してる。私も彼が大好き。もし実の父親と彼が同時に池で溺れていたら、私は実の父親にごめんねごめんねーって言いながら、真っ先にサワを助けるつもり」


「自分だってそれは否定はしないが、実の父親に対してそれか? しかも誤射しておきながら」


「少し冷たいんじゃないかって? 当たり前でしょ、あんな情けないアル中親父。ママの事なんて、結婚せずに捨ててくれれば良かったのに。そうすればサワは最初から私のパパになってた。そしたら撃たれずに済んだのにね」


「自惚れだよ、そんなの。サワは君らに対して何の責任も無い」


「そんなことないもん。第一あの頃、サワは恋人からプロポーズされていたけど、ちゃんと私達の所に戻って来てくれたもの。試す価値はあったという訳、仮にサワがパパになってくれなくても、アル中親父は死ぬか、生きてても少しは大人しくなっただろうし。でも交通事故は本当に偶然、実際に撃ってみたら血塗れで怖くなっちゃって、今でも夢に見る」


 確かに私は結果的に父親を死に追いやった。しかしそれが何だというのだ? 弾は決して前からしか飛んでこないとは思わないことだ。背後で虐げられるしか無かった娘の私だって、ちゃんと意思を持った1人の人間だったというだけだ。


「じゃあ、いつからその名前?」


「こっちに引っ越して来てすぐから。サワが私を教会まで連れて行ってくれたの。お世話になってるメトディオス修道司祭から洗礼を受けて、私はイズミルからバーバラになった」








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