世界の仕組み.........的な
なるほど。
神はどこまでもお見通しって訳か。
「神だからね」
また残念なほどのドヤ顔でそう言いのける幼女神(黒)。
あれ?でも幼女神(黒)って、自分の世界すら覗く力を失っているんじゃなかったっけ?
ってことは、ほかの世界を覗くことすら出来ないはずなんじゃあ......?
「.........」
なんか目を合わせようとしたら、ものすごい速度で目をそらされたんだが。
まさかとは思うが幼女神(黒)、俺の記憶を覗いたなんてことは無いよな?
「さ、さすがに分かっちゃうか~~......」
バレた途端に目に見えて落ち込む幼女神(黒)。
ドヤ顔したり焦ったり落胆したり忙しい神だな。
「あぁ、記憶を覗いたといっても、流石に今から3日くらい前までしか覗けなかったから安心して欲しい」
いや、そういうわけじゃなくて.........。
あれはかなりの魔力を使うから、かなりレベルを上げないと使えないんじゃないかと思うんだが。
「?あれなら魔力だけを強化していけば、レベル50くらいで発動できるようになると思うよ?」
えっ?あれって結構魔力必要だったはずなんだけど......。
「レベルが上がると、ステータスが上がるほかに『ステータスポイント』と『スキルポイント』っていうのがもらえるんだ。
ステータスポイントっていうのは、ステータスにある項目、君の場合は魔力値に振って、強化することが出来るものなんだけど______」
ステータスにある項目って何?
「そうだね、例えば____」
いや、全部言ってくれ。
流石に、魔力値や筋力値とかがあるのは分かるんだが、そこら辺ちゃんとわかってないとまずい気がする。
情報は大事だ。
異世界に行く前に、なるべくいろいろ知っていた方がいい。
丁度、俺の目の前にこの世界について一番知ってる奴がいることだしな。
前の世界では、言葉も解らず、魔力があるのかどうかさえ分からなかったので、自分自身を強化するのがかなり遅れてしまっていた。
というか、気が付いたらいつの間にか異世界に来ていて赤ちゃんになっていたのだから、しょうがない。
実際、俺が転生した理由が魔王を倒してもらうためだと判明したのは10歳になり、王城に呼ばれた時だったのだから。
「下界に送られてから見れば、と言おうとしたんだけどしょうがない......。
今から君にステータスを見せるから、しっかりと見ておくんだよ」
見ると同時に説明もしてほしい。
じゃないと、下に送られてから見ることと変わらないからな。
「分かったよ。
ほら、これがステータスだ」
幼女神(黒)が、俺の頭に手をかざすと同時に、頭に強いイメージのようなものが浮かんできた。
ミサキ
Lv.0
種族:霊魂
性別:男
年齢:15
称号:世界を■■者
悲劇の勇■
死人
スキル:なし
ステータス
HP:0
MP:0
筋力 :0
耐久力 :0
魔法耐性:0
巧緻性 :0
俊敏性 :0
「こんな感じに表示されるよ」
うん...........。
全くわからん。
「はぁ~......」
解説よろしく。
「まず、ステータスっていうのは、出ろ~って念じるだけで頭の中に浮かんでくるものなんだ。
ここまでは分かったかい?」
.........問題ない。
「その受け答えにかなりの不安を覚えるんだけど.........。」
俺はその説明にかなりの不安を覚えるんだが。
でもまあ、あれだろ?
俺が前の世界で使ってた鑑定魔法で見ることの出来る『世界の記録』を、自分自身だけに見えるようにしたものだろ?
「お、ぉおう、そんな感じ。
まさかそこまで分かっていたとはね......」
伊達に勇者をやっていたわけじゃないからな。
「HPはスタミナ、生命力的な感じで、0になったら死ぬ。
MPは魔力の保有量を表すもの。
筋力は力の強さ、耐久力は物理ダメージを軽減するもの。
魔法耐性は、耐久力の魔法版。
巧緻性は器用さで、俊敏性はどれだけ早く動けるかってことだね。
だから君は、ステータスポイントを全てMPにつぎ込めばいいって訳。
他に何か質問はあるかい?」
あえて分かりやすいのから説明してくれてありがとう。
「他に説明するべき点は無いはずだけど......?」
いやいや、結構分からないところが残ってるんだけど?
スキルは魔法とかがあるのは分かった。
けど、種族とか何?称号って何の意味があるか分からない。
特に、霊魂とか死人とか死人とかっ!
「種族はLv.1の時のステータスだったり、レベルアップの時にステータスの上昇に差があるんだよ。
称号は、常時発動しているスキルみたいなもので、ステータス上昇系のものが多いかな。
あ、1つの称号でもたくさん効果がある場合があるから、たくさん獲得してみてね。
獲得方法は強いモンスターを倒したり、レベルが一定まで上昇したりしたときに手に入ることがあるよ。」
.........何となく分かった。
下界に降りてから確認するからもういいや。
「はぁ......やっぱり君は習うより慣れろ派だったか。
そう思ったから下界に降りてから確認すればって言おうとしたんだけどね......」
あっ、でもちょっと待って!
種族が霊魂なのは死んでるから、ステータスが全部0なのも死んでるからっていうのは何となく分かる。
でも年齢が15歳っていうのは何で?
俺、前世と合計で15年+15年で30年くらいは生きているはずなんだけど?
「う~ん、ステータスには魂の年齢というか、精神年齢が反映されるはずなんだけどね。
肉体は精神の奴隷っていうじゃないか。
体の成長に精神が引っ張られちゃったんじゃないかな?」
えっ、俺の精神年齢って結構子供?
「もうそろそろ送るよ。
心の準備はいいかい?」
ちょっと待て、まだ終わってない。
俺の称号の効果って何?
なんか変な表記になってるし、意味わからんし死人って雑すぎない?
「それは私も思ったんだけどね.....。
視えないんだよ、あの2つは。
なんの効果があるか分からないし、効果があるのかすら分からない。
それに____________」
悪い効果があるかもしれない、か。
字面からして悪い効果ではないとは思うんだが.........。
「あ、ちなみに称号:死人っていうのは、筋力が×0される代わりに、不可視、物理完全透過の効果が得られる称号だよ」
いや、知らんがな。
「もう質問は_________」
ちょい待ち。
今回のスタートってまた0歳から?
「いや、今回は異世界転移というカタチだね」
ナニソレ?
「転生の意味はそのまま。
魂を移し替えるものだけど、転移は違う。
魂を身体ごと呼ぶものなんだ」
.........。
でも俺、身体無くね?
「そこは私が、造り直してあげるよ。
いくら同じ形をしているからといって、新しく造った体なんだ。
馴染むのに時間がかかるから、少しの時間眠ってもらう事になるだろうね」
その体、大丈夫なのか?
何か副作用とかありそうだけど.........。
「いくら私が神としての権限を失っているからと言って、ここでは色んなことが出来るんだよ?
あっ、でもレベルは1からになっちゃうかな?
その代わりってのはなんだけど、言語理解の効果がある称号をつけようと思ってるんだけど.........」
おお、マジか!
言語を覚える必要が無いってことか。
それはすごく助かる。
1つの言語を覚えるのは少し大変だからな。
「でも、その称号はかなりありふれたものなんだ。
しかも、1つしか与えられない.........。
他に欲しい称号があれば言って欲しいんだけど_________」
いや、いいよ。
それだけでかなり助かる。
「もう質問はないかい?
それじゃあ、下界に送るよ」
いいぞ、心の準備はできた。
必ず魔王を倒してくるからな。
「.........ごめん、やっぱり聞きたいことあった」
おい。
天国での会話は次で終わります.........多分