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リセットされる君 β  作者: 秋風
1/1

I am alive.

静かな教室の中で小さくて哀れむような声が聞こえた。

その声の元には、焼けるような窓から差し込む夕焼けに照らされ、大小二つの影が伸びていた。

「やっぱり君は君なんだね」大きい影は言う。

「何を言いたいんだ?」小さな声がぶっきらぼうに言う。

「いや、なんというかさ、リセットされても何も変わらない気がして」

「それはもとの私が子供っぽかったってことか?」

「そうかも知れないし、そうじゃないのかもしれない」

「訳のわからない人だな君は」少し呆れた声だった。

「ははっ。子供の君も昨日までの君も両方君なんだ。たぶん、僕も」楽しそうなのか、悲しそうなのか分からない声だ。

「当たり前のことじゃないか」

「その"当たり前"に皆気づかないものなんだ」

「それは違うぞ」小さな影が首を揺らした。

「どういうことなんだい」

「皆気づいているさ。自分の全てが自分なんだって。けれどみんな忘れたいんだよ。何故なら純真無垢は怖いからね」

「やっぱり姿は変わっても君は君だ。ひねくれてる。」

「お前さんもだろう?」意地悪だがキレイな声だ。

「だろうね。」

日が沈んだ教室は何も見えなくなった。



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