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宇宙(そら)きゃんっ! 私、ぼっち女子高生だったんだけど、転校先で惑星降下アウトドア始めたら、女の子にモテモテになりました!  作者: MITT


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第五十話「やさしい時間」②

「なら、マリネさんも付き合うのですよ。えいっ!」


 すっとマリネさんの背後に回ると、履いてたステテコパンツをするっと降ろしちゃうのですよ。


「うぇっ! ユリちゃん、いつのまに……なんで、私がっ! どぅわぁっ!」


 ミントグリーンのひもパンツが丸見えっ!


 慌てて、戻そうとするんだけど、容赦なく膝裏カックン。

 人間の構造的ウィークポイントを巧みに突くこの攻撃の前にマリネさんはなすすべなく、尻もち付く。


 そこへ、すかさずステテコパンツを足からスルッと引っこ抜く。


 この間、二秒くらい……手も出させないし、足で抵抗する間も与えなかったのです。

 マリネさん……あっという間にダボTオンリーで、生足剥き出し……お風呂上がりみたい。

 

「ユリの手の速さは、マリネさんに負けず劣らずなのですよ……これは、制裁なのです。と言うか、部外者にこう言う事しちゃ駄目なのです」

 

 ルームウェアとかゆるゆるだから、脱がすのも簡単。

 

 と言うか、こんなステテコパンツとか、ペラペラでゆるゆるの履いてるとか、脱がして欲しいと言ってるようなもの……と言うのは、マリネさん自身の言葉。


 だから、マリネさんに関しては、いつどこで脱がしても問題ないのですよ!(暴論)

 

 マリネさんのえっちなセクハラ攻撃の最大の対策。

 目には目を……なのですっ!


 脱がされる女の子の気持ち、少しは思い知れーなのです!

 

「要らないアドバイスをして、初霜ちゃんの敗因を作ったペナルティなのです。しばらく、そのえっちなひもパンツ丸出しで居るといいのですよ」


 そう言って、ぷいっと横を向く。

 ついでに言うと、情けとか同情は無用。

 

 いくら女の子だけしか居ないからって、このままこんなエッチなカッコでいるとか。

 

 まさに罰ゲームなのです。

 思い知ってほしいのです!


「ユリちゃん、いつもながら容赦ないわぁ……。今、動きが全然見えなかったで……。傍から見たら、マリネが勝手にコケて、自分でステテコ脱いだように見えたわ」


「だねぇ……。まぁ、マリネにはこれが一番効くんだけどね。ユリちゃんもそれ……返さなくていいと思うよ。いつもいつも、クラスの子にもイタズラしまくってるし、たまには自分も羞恥プレイでも食らうといいんじゃないかな」


「……ユリコさん、すっごい手慣れてた感じだったけど、これ……いつものことなのかしら? え? その気になれば、女子のスカートとかズボン一瞬で剥ぎ取れると?」


 エリーさんが両手を組んでフルガードの姿勢を取りつつ、とっても人聞き悪いことを言う。

 

 スペック上出来るのと、本当にやるってのには、高くて大きなハードルがあるのですよ。

 ユリはノーマルな女の子だから、理性ってものがあるから、やれてもやらないのです。


 なお、マリネさんのステテコパンツ脱がしたのは、それが正しい行いだと言う確信があったからなのですよ。


 勝手に変なルール作って、傍若無人にやりたい放題。

 そう言うのには、天誅ってものが下るのだと思い知ってほしいのです。


 端的に言って、優しさ?


「そうですね……。この二人……体育の時間になると脱がし合いとか普通にやってますからね。いい加減、怒るのも面倒になってきたんで、スルーすることにしたら、とっても気楽になれました」


 妙に悟った感じでオホホと笑う冴さん。

 そう言えば、最近お説教聞かなくなったのですよ。


「まぁ、ここには女子しか居ないから、別にええんやけどな。と言うか、なんでマリネちゃん……そんな勝負パンツみたいなの履いとるんや? アタシなんて、いつもこれやでー! ダッサイやろ?」


 そう言って、アヤメさんがガバっとスカートをたくし上げると、太ももまでカバーされてるいわゆるボクサーショーツとか言うデザインのパンツがチラッと見えた。


 確かに……色もベージュで、おへその辺りまでカバーされてて、お腹も冷えたりそなさそうなんだけど。

 一言で言って、とっても野暮ったい。


「アヤメ……。はしたないですわよ。と言うか、またそんな乙女らしからぬ下着履いて……。それ、アレですわよね……オバサン下着ってヤツですよね?」


 エリーさんにツッコまれて、さすがにアヤメさんもほっぺた真っ赤。


 確かに、食い込みとか気にならなさそうだし、お腹も冷えないし、機能性は悪くないと思う。

 でも、色もデザインも何もかもがダサい。


「ええやん! 誰に見せるわけでもないし、あたし……こう言うゆるっとした方が好きなんよ」


 考えてみれば、アヤメさん……一度もチラリすら見たこと無い。


 なにげに鉄壁防御だったりするのですよ。

 チラリしなければ、ダサくても問題ない……そう言う考え方もありなのですよ。


「そりゃ、寝る時とかはそう言うのも悪くないって思いますけどね……だからと言って、ずっとそれってのはどうかと思いますわ」


「エリーこそ……誰かに見せる予定もないのに、フリフリでキツキツなのばっか履いとるやん。なんやあのガーターベルトって……そこまでする意味あるんか?」


「わ、わたくしは貴族の嗜みとして、伝統に基づいたファッションをしてるんですわ! ガーターベルトも古くは地球中世期のヨーロッパ貴族子女より伝わる伝統的なものでして……機能的、かつファッショナブルで……! どうかしら、これ? 素敵じゃないかしら」


 エリーさん……。

 ガーターベルトの説明するのに、実物見せてくれるのは良いんだけど……。


 片足をテーブルの上に持ち上げてるから、色々見えてるのですよ。


「まぁ、お金持ちの下着のテンプレ……要はコスプレみたいなもんなんでしょ? 私らは、そこまで下着にこだわりないからね。けど、アヤメ先輩なかなか解ってるね! 私も普段はこれだけど、たまにおんなじの履いてるよー。普通のだと派手に体動かすと食い込んじゃったりするんだよね……」


 そう言いながら、リオちゃんもスカートたくし上げて、スパッツ丸見せにしてる……。

 

 なんで、パンチラ大会になってるのです?


 ……皆の要らない情報が増えたのですよ?

 

 アヤメさん、ボクサーショーツ派。

 エリーさん、フリフリレース下着……おまけにガーターベルト付き。


 リオちゃんは……スパッツ派。

 

 マリネさんは……ああ言うのって、何処に売ってるんだろうって謎に思う、ギリギリアウトに近いえっち下着愛用家……。


 冴さんは割と普通。

 色も白が基本だけど、微妙に違うデザインのを毎日とっかえひっかえしてるみたいなのですよ。


 はぅわっ! 皆の下着情報コンプなのですよ!


「……ゴクリ。マリネさん……これが噂のひもパンツ。しかも、この布地うっすら透けてますよね? は、破廉恥です……これが殿方の目線も釘付けと言う噂の……。ほ、本当に紐一本解けるだけで、大変な事になってしまうのですね……。わ、わたしも今度、こんなの履いてみようかな?」


 しゃがみこんで、マリネさんのひもパンツをまじまじと見つめながら、解説っぽいのを始める初霜ちゃん。

 


「う、うわっ! うわわーっ! やめて……そんな純真な目で見ないでーっ! と言うか、ユリちゃん……私のステテコ返してよー!」

 

 マリネさんも予想外だったらしく、片手でお股を隠しながら、真っ赤になってる。

 

 これは良いマリネさん……。

 いつもこうなら、大好きになったかも……なのですよ。


「自業自得なのですよ……。あ、初霜ちゃん……これマリネさんのステテコなので、交換条件にすれば、素直にスカート返してくれると思うのですよ」


 なお、ステテコパンツ自体は薄っぺらな生地で、とっても涼しくて楽。 

 ユリも似たようなペラペラな長ズボンを寝間着用に買ったばかり。

 

 ……エーテル空間は本来ヤバいくらい気温が高いのですよ。

 

 艦内やホテルとかは25度キープにしてて涼しいんだけど、環境制御してる中継港とかでも35度近くまで気温が上がることもあって、エアコンが効いてても構造材経由の輻射熱とかの影響もあって、寝る時とか割と暑いって思うことも少なくないのですよ。

 

 マリネさんも、最初は男性の乗員とか男子高校生とかが居るから、服装にも気を使ってたんだけど。

 だんだん面倒くさくなったとかで、微妙にダサいステテコ履くようになっちゃったのですよ。


 この辺のオシャレが長持ちしないってのは、女子高生あるあるなのですよ……。


 ちなみに、エーテル空間で連泊とかすると、暑いからなるべく楽な服装をって皆思うみたいで、ロンギヌスの売店にこう言う涼し気な服とか普通に売ってるし、コンビニの従業員さんとかも大抵半袖だったりするのですよ。

 

 あと、飲食店とかも何処行ってもアイスとかかき氷系みたいな冷たいものが充実してるし、自販機もハーフリッターボトルだらけ。


 ここにいる皆も上は半袖Tシャツだったり、薄手のワンピースとか楽な格好になってる。

 

 ちなみにクオンもエスクロンも暦は冬季。

 常夏環境なエーテル空間から寒いところに行くと、環境の激変で体調崩しがち……。


 今回もエスクロン到着後は、赤道直下の軌道エレベーターで丸一日の環境適応期間を設けるって予定になってるのですよ。


 ユリは別に要らないんだけど、皆は宇宙旅行慣れしてないから、余裕を持ってなのですよ。

 

 初霜ちゃんは、いつ見てもセーラー服みたいなのを着てる。

 スターシスターズの子達って、服装とか気を使ってて皆、結構個性的な格好をしてるんだけど。

 

 何故かセーラー服着てる子をよく見る。

 話によると、セーラー服って元は水兵の服で、本来それがスターシスターズの制服みたいなものなんだとか。


 おかげで、スターシスターズの子達が集団でウロウロしてると、なんと言うか学生街みたいな感じになるのですよ……。


「……いや、だから。自分だけ、こんな格好ってかなり恥ずいんだけど……」


 マリネさんが泣きそうな感じで、必至にお股を手で隠してる。


 まぁ、そのパンツ……布面積少なすぎなのですよ。

 どのくらいかって言うと、ギリギリすぎて具体的に描写できないほど。

 

 と言うか、マリネさんも恥ずかしいなら、素直にスカート返してあげればいいのに……。


 初霜ちゃんもセーラー服の上だけ着てて、下はパンツって……。

 男の人が来たら大変なのですよ。


 でも、さすが初霜ちゃん大正義。

 マリネさんに微笑むと、ステテコを差し出す。


「はい、どうぞ……お返ししますね」


「……え? こんなすんなり……」


 このまんま、意地悪を続ける……さすがに、それは許しがたいのですよ。


 腕組みしつつ、ふくれっ面でマリネさんを睨むと、マリネさんも苦笑して、初霜ちゃんに素直にスカートを返してくれる。


「ありがとうございます! マリネさんって優しい人だったんですね!」


 初霜ちゃんスマイル。

 さしものマリネさんも眩しいものでも見たような感じで、ペコペコと頭を下げてる。


 良かったのです! マリネさんの邪悪な心を打ち砕く大正義スマイル!

 

 これにて円満解決! なのですよ!


「……ところで、初霜ちゃん。いきなりこっちに来たけど、永友提督の艦隊で色々お仕事あるのではないのです?」


 ……初霜ちゃんの訪問。 

 ロンギヌスがお客様をご案内しましたとか言って、まっすぐ素通ししてくれて、こっちもびっくりだったのです。


「あー、えーとですね。ジェネレーターを新型の熱核融合炉に改装したので、試運転をしてたんですけど、ちょっと調子が悪くて、たまたま近くに居たロンギヌスで、再調整をお願いしに立ち寄らせていただいたんですよ」


「なるほど、建前は解ったのですよ。で、実際はどうなのです?」


 そう言い切ると、初霜ちゃんがビキッと固まる。

 この子、腹芸とか出来ない系なのですよ。


「あうあう……と言うのは建前でして……。実は極秘のミッションを預かってまして、そちらが本命なんです。じゃなくて、ついでです! もののついでって奴です!」


 一応、ロンギヌスから、駆逐艦初霜を収容した経緯も聞いてるし、来訪理由は友達がいるから遊びに来た。

 

 訪問申請書の拙い感じの手書きの一言は、艦長や主要乗員一同をあっさりハートフルにしたらしく、正式に受領されていたのですよ。


 ちなみに、その友達ってのはユリの事で……。

 ちょっとした縁があった程度だったんだけど、向こうはユリが思ってる以上によく思ってくれてたみたいなのですよ。

 

 武勲誉高い初霜ちゃんにそんな風に思われてたなんて、それはそれで光栄なのですよ。


 いずれにせよ、理由もごもっとな話で、そこで納得も出来たんだけど。

 

 改めて、言い訳っぽいセリフ並べられると、違和感だらけ。

 如何にもカンペでも読んでるみたいに棒読みって時点でもうその理由が建前だって解ったのですよ。


 むしろ、触れなきゃ良かったのに……。

 それにメモみたいなの読んでたけど、それ自分で考えた理由じゃないでしょ?

 

 ……おまけに、極秘ミッションとか言っちゃってるし……。

 そもそも、ついでなのか本命なのかはっきりして欲しい。

 

 もっとも、どんなミッションなのかはさすがにそこまでは言わなかった。

 核心情報は守りきった辺り、そこら辺はさすが……なのですよ。


 とは言え、初霜ちゃんから、詳しい話を聞くまでもなく、ユリはそこまで油断はしてないのです。

 

 なにせ、外部情報が急に入ってこなくなったのですよ。

 一応、銀河共有ネットとかも見れるんだけど、外部接続がオフラインになってるから、タイムスタンプも3時間前から更新されなくなってる。


 エスクロン宇宙軍の展開情報も同様……。

 仮にもエスクロン宇宙軍所属艦艇のロンギヌスにその手の情報が入ってこないとかありえないのですよ。

 

 もっとも、現在地に問題がある……それは解る。

 多分、通信中継ブイの配置が荒いか、そもそも設置されてない暗黒流域と呼ばれる普段使われない航路に入ってるから……。


 もちろん、ネットワーク不通の通達もあったから、その辺は解るんだけど。

 いくらなんでもこんな延々と暗黒流域を進み続けるってのはおかしい。

 

 なにより、護衛艦もグエン艦隊なんてバリバリの実戦派艦隊が付いてる。


 暗黒流域なんて、本来普段、誰も立ち寄らないような流域。


 ご法度の商品を取り扱う密輸船とか、後ろ暗い荷物を後ろ暗い人達へ運ぶ運び屋さんとか、そう言うアングラな人達は好んで使うらしいけど。


 はっきり言って、無法地帯で超危険。

 いざって時に助けを呼ぶことも出来ないので、裏の世界の人達同士で殺し合いとか、はぐれ黒船に襲われたりとか、人死にも結構でてるって噂なのです。

 

 こんなところにわざわざ入り込む時点で、もう普通じゃないのですよ。

 

 ちょっと軽くグエン艦隊の艦隊情報覗き見しようとしたけど、えらく頑強なプロテクトかかってるし、警戒レベルも実戦シフトレベルになってて、外部データ通信も一切受け入れなくなってる。


 いつぞやの夕凪ちゃんと違って、超手強い……無理くり、仕掛ければ行けなくもないだろうけど、ちょっとリスク大きいので、ひとまずパス。 


 運行スタッフやエリコお姉さまに聞いてもはぐらかされてよく解らないし、ロンギヌスも状況がよく解ってないらしいのですよ。


 なお、ロンギヌスの話によると、何故か所在情報については思いっきり公表されてて、銀河共有ネットでちょっと調べれば、解るくらい堂々と動いてるのですよ。

 

 そんなフルオープンと言って良い状況で、随伴する護衛艦隊のグエン艦隊は超警戒態勢。


 いつ何が出るか分からない暗黒流域の手探り航行。


 初霜ちゃんも来てるし、どうも後続に永友艦隊の分艦隊……ハーマイオニー分艦隊なんてのが来てて、やっぱり入念な対潜警戒シフトを敷いてるみたいなのですよ。


 こんな決戦前夜みたいな雰囲気で落ち着けるわけがないのですよ……。

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