表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙(そら)きゃんっ! 私、ぼっち女子高生だったんだけど、転校先で惑星降下アウトドア始めたら、女の子にモテモテになりました!  作者: MITT


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

168/275

第三十八話「スタークラスターオンライン」①

「こちらクシナ! フラッグシップ! ごめーん、抜かれた! 同数で舐めてかかってたら、一気に全部来たっ! 確認できた情報送る。ううっ……まさか、母艦デストロイヤーで残り全員ひと塊で突撃とかやってくるとは思ってなかったよ……。最初のが激安ゴブリン級だった事で気づけばよかった……思いっきり囮だった。……こっちのチームメイトは全員やられちゃったし、私も巡航ユニット大破……戦略機動力ガタ落ちでこれじゃ戦力外……」


 先行していた攻撃隊の隊長、クシナさんからの至急電!

 

 フラッグシップのブリッジ要員に緊張が走る。


「あちゃー。クシナ隊、いきなり負けてもうたみたいや。これまではクシナをフラッグシップに突っ込ませて、無双させて勝ちやったけど、さすがにそろそろ、相手もやり手が出てきたみたいやで……。このコースだと、敵の全戦力がうちらのとこにまっすぐやで! ユリちゃん、どないする?」


 ガンナーシートのアヤメさんが不安そうに、訴えかけてくるのです。


「そうね……。いきなり、クシナがやられたってのは、誤算だったわ。逃げると言っても、こっちは巡航艦だから、逃げても逃げ切れるもんじゃないですわ……何より、守りに入っても何の解決にもならないのよね」


 コマンダーシートのエリーさんも困ったような顔をしてるのです。

 でも、意外と解ってるのです。


 ここで、守りに入って旗艦の守りを固めるとかやっても、あんまり意味はないのです。

 守って、相手の攻勢限界まで粘って、反撃……と言う手もあるんだけど。


 それは戦場のイニシアチブを相手に譲るという事でもあるのです。


 それで勝てるほど、戦場ってのは甘くないのですよ。

 

「……戦力集中の原則をよく解ってるのです。たぶん、これ……いわゆるガチ勢なのです。状況は極めて不利……このまま正面からぶつかったら、戦力比の問題でジリ貧負け確なのです」


「そうやなぁ……。これって負けパターンと違うか? けど、ユリちゃん……その分やとまだあたしらに勝ち目はある……そう言うことやな?」


「なのですよー。要は敵の旗艦を沈めれば、勝ちなのですよ。幸いクシナさん達も囮とは言えゴブリン級3機も倒してくれたから、残りは14機で向こうは低コスト機中心の編成。その程度なら、旗艦単独でも少しは粘れます。恐らく敵チームは、この攻撃隊にすべてをかけているはずですから、敵の旗艦の守りは手薄、もしくは攻撃隊と行動を共にしていると思います。こちらが囮となって敵戦力を誘引、その上でこちらの残存PS全てで、敵の後背から強襲をかければ、きっと勝てます」


 一点集中戦術の対抗戦術として有効なのは、やっぱり挟撃や包囲戦術が定番なのですよ。

 力技には搦手で対抗……そう言うことなのです。

 

「さすが、ユリコさん。冷静な判断ね……。うん、カウンター戦術ってことね。いいんじゃないの? 艦長のわたくしがユリコさんの判断を支持します。皆さん、異論はありませんね?」


「はいはーいっ! ユリちゃん、そうなると私らは?」


「さすがに、旗艦だけで10機以上を相手ってのはキツイと思うわ。せめて、私達だけでも護衛として残った方がいいんじゃないかな?」


「そうだね! いかんせん私ら、これまでほとんど戦ってないんだから、ここは一緒に戦おうよ!」


 マリネさんと冴さん、それにリオさん。

 三人は直掩機のパワードスラスター……通称PSに搭乗中。

 

 マリネさんと冴さんが乗ってるのは、航続距離が短い代わりに、大型シールドと大口径レールガンを装備することで人型形態での防御力と近距離火力に特化した迎撃機。

 

 機体コードネーム「パトロクロス」


 なお、実際のパワードスラスターはせいぜい5m程度なんだけど。

 どれもこれも10m以上あるような大型機ばかり。


 機体もどれも聞いたこと無いような機体ばかり。

 実際の宇宙戦闘だと……どうなの? って感じのキワモノ揃い。

 

 なにぶん、これはリアルな実戦でも何でもなく、架空の宇宙戦闘VRゲーム……「スタークラスターオンライン」なのですよ。


 ユリ達は、現在……エスクロンの社有大型輸送艦「ロンギヌス」に乗船中。

 

 クオンの宇宙関係免許の所得希望者を集めた上で、国家レベルでの招待を受けての豪華船旅の真っ最中なのですよ。


 その旅程も航路の関係で、3日くらいはかかると言うので、皆暇しちゃって……。

 

 せっかくだから、親睦を深めようって事で、他の高校の同じ宇宙活動部の子達と即席チームを作って、スタークラスターのランダムチームバトルに参戦中なのですよ。


 今の所、いっきに5連勝決めて調子に乗ってたら、どうもベテラン勢に目をつけられたみたいで、ちょっとばかり苦戦中。


 ああ、その前にですね!

 スタークラスターのルールについて、説明ですよね?


 このゲーム……本来は6人1チームのチーム戦バトルが主体なんだけど。

 

 今回のルールは、フラッグシップバトルと呼ばれる中規模チーム戦なのです。


 フラッグシップ戦の1チームは3チーム合同、最大18人までと一気に規模が大きくなるのです。

 

 本来PSは一人一機の操作の主力メカなんだけど、今回のルールでは、フラッグシップと呼ばれる戦艦が1チーム一隻使える。


 このフラッグシップを守り切るのが、このフラッグシップバトルのルール。

 勝利条件は、シンプルにフラッグシップを沈めれば勝ち。


 もしくは、タイムアップ時点で撃墜ポイントからフラッグシップのダメージ係数を引いた総合ポイントが勝ってる方が勝ち。


 そんな感じなのです。


 フラッグシップは、最初の頃は200m級駆逐艦とかだったんだけど、アップデートを重ねるうちにkm級の超大型戦艦や無人支援戦闘機を大量に出せる宇宙空母なんかも使えるようになってるのです。


 なんだけど、その辺になるとクルー要員として6人いるから、PS隊が12機までになってしまって結構キツイのですよ。


 ユリは、もともとPSにはあんまり適正無かったからこのゲームイマイチ苦手だったんだけど……。


 重武装の重爆撃機や宇宙戦闘機、支援戦闘艇と言った一人乗りの機動兵器や艦艇の実装で本領発揮できるようになって、一気に有名プレイヤーにのし上がったのですよ……。


 要するに、経験者なのですよ。

 なので、ユリが操艦する事を前提に、フラッグシップはバランス型の巡航艦をチョイス。


 その中でも一番機動力が高いフェルミオン級を選ばせてもらったのです。

 

 このフェルミオン級巡航艦。

 装甲はデストロイヤー系よりはマシだけど、基本的に紙装甲。


 けど、艦級としては500m級の中型艦だから、そこそこ高い砲戦火力を持っていて、火力は優秀。


 何よりデストロイヤー並の高機動力を持ち、クルー要員も3人でオッケーと言うお手軽仕様。


 おまけに、防空ミサイル巡航艦と言う位置づけだから、多弾頭ハイマニューバミサイルや迎撃ミサイル、ハリネズミみたいな対空砲山盛りと言ったとにかく対空火力が優秀で、索敵能力も高い。

 

 砲戦火力特化型のストーム級や、可もなく不可もなくしぶとさだけが売りのバリアント級よりは、使いやすいという評判なのですよ。


 これより下の200m級デストロイヤーになると、クルー一人でも良いんだけど。


 速力や機動力はともかく、装甲、火力が低すぎて、PSに毛が生えた程度の性能の割に的がデカイし、速力もPSに勝てないと、割といいトコなしなので、あんまり使えないのですよ。


 ユリ的には、この巡航艦が一番使いやすいと思ってたのですよ。


 ただ、プレイヤー評価は……6人持ってかれる割にまともに動けない戦艦とかよりはマシだけど、デカくて目立つし、艦砲射撃とか全然当たらないし、デストロイヤーと鬼ごっこになったらあっさり逃げられるから、使えないと散々な評価なのです……。


 なんでー? ロボや駆逐艦よりも巡航艦が強いなんて、そんなの宇宙の常識なのですー!

再開ですが、またしても話飛びました。

文化祭終了後のユリちゃん里帰り中の一幕だったりします。


ガルパン見てたら、こんな話やりたくなったので、やってみました。


割と細々としたルールや設定やらてんこ盛りなので、これだけで別の作品書けるぜーって感じ。(笑)

なのでまぁ、外伝みたいなもんですかね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ