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宇宙(そら)きゃんっ! 私、ぼっち女子高生だったんだけど、転校先で惑星降下アウトドア始めたら、女の子にモテモテになりました!  作者: MITT


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第二十四話「ワンス・アポン・ア・タイム」④

 エリコお姉さま監修『永友提督さん、取扱マニュアル』!

 

 こんな事もあろうかと、電子書籍形式にコンバートの上で、ユリの外部メモリーに保存してあったのですよ!


 外部演算ユニットに指示、現状の酷似ケースに於ける対処法……ヒット! 75P、第二項……確認なのです。

 

『永友提督はたまに、変なことを言い出してトリップする癖があるので、そう言うときは、微笑ましく見守るのがベストです。決して反論したり、罵ったりしてはいけません!』


 解ったのです! ここは、対応5……。


『良く解らなくなったら、このセリフ言って同意しとけば、大抵機嫌良くなります』


 なのですっ! ここは、実行あるのみ!


「さすが、提督さん! なのです!」


 提督さん、ユリが同意するとそれだけで、露骨に機嫌が良くなる。

 

 さすが、お姉さまなのですよ。

 それなりの付き合いで、接待ノウハウも十分なのです。


 ちらっとリオさんにも視線を送ると心得たと言いたげに頷かれる。

 ここは一気に畳み掛ける……まさに接待攻勢なのです!


「そうだね……さすが、提督さん。こう言うのってナイスミドルって言うんだっけ? 憎いね……この上昇無敗! 宇宙アドミラル!」


「はっはっは! そう褒めないでくれよ。無敵提督とか、常勝無敗とかナイスミドルとか、ホントの事だけど……褒め過ぎは良くないと思うんだ」


「ぜーんぶ、事実なのですよ! 何より、自分からは決して、お触りとかしようとしない紳士っぷり! 最高っ! なのですー!」


「……はははっ! 別にそっちから抱きついたりしてくる分には、私は拒まないよ? けど、私からは決して、お触りや手は出さない……それでこそ、紳士なのだ!」


「……でもさー、それって自分から手を出す勇気のない甲斐性なしって事じゃないのー? それに、なんか話聞いてると、女の子だったら誰だっていいって、そんな感じじゃない? そう言うのって良くないと思うよ! そう言うのが一番モテないんだからね!」


 ……マリネさんの容赦ない直球が提督さんに炸裂する。

 女子高生から褒めちぎり作戦……なんだかもう、破綻の未来しか見えないのですよ?


「な、なんだと……。モ、モテないって……この……私が?」


 青ざめた表情で、永友提督がよろよろと席を立つ。


「うん、女の子ってのは、自分だけをまっすぐ見て欲しいものなのよ。誰でもウェルカムとか、さいてー」


 言いながら、マリネさん……一歩下がる。

 その態度は、露骨にこっち来るなと主張してて……。


「さ、さいてー……こ、この私が……さいてー。これ以上、下は無いという、マスト・ザ・ボトム? まさにさいてー?」


「そ、そうね……文字通りに解釈するなら、そう言う事になるけど、別に提督さんの事だとは言ってないからね?」


 一応のフォローっぽい言葉に提督さん、かろうじて一歩踏み出す。

 けど、マリネさん……更に一歩下がる。

 

 それがトドメになったらしく、がっくり膝をつくと、苦しそうに息を荒げている。

 

「……ぐふ、ど、どうやら……私はこれまで……らしい」

 

 提督さん、まさかのワンパンKO!


「て、提督さん! しっかりするのですよっ! あの……そのっ! マ、マリネさんは、女の子にしか興味ない変態さんなのです! だから、男の人にはとにかく、容赦がなくって……えっと! そのーっ! ユ、ユリは……提督さん、嫌いじゃないですよ? げ、元気出すのですよ!」


「へ、変態さん……って、ユリちゃん今の刺さったよ……がくっ」


 流れ弾がマリネさんを直撃したらしい。

 

 変態さんは言いすぎだったかなぁ……でも、お外で人のパンツに指をかけるとか、それは同性相手だろうが、問答無用で有罪だと思うのです。

 

「……まぁ、ちょっとはっちゃけ過ぎたね……マリネ。ちょっと、そこで反省しろ……な?」


 リオさんが、俯いたマリネさんに背中にケリを入れると、マリネさんがあっさりと潰れる。

 

 ……マリネさんは、青い顔で焦点のあってない目で、地面に突っ伏したままプルプルしてる。

 思った以上のダメージを受けてる様子なのです。

 

「今のはマリネが悪いよ。思ってても、口にしないほうがいい言葉ってのがあるの……。何も、いきなり直撃弾食らわさなくてもいいじゃない……。確かに、付き合って欲しいとか言われたら、考えちゃうけどさ……」


 リオさんの追い討ち!

 

 提督さん……もはや、白目を剥いて、地面に転がって、ビクンビクンしてるのです。

 

「……外傷なし、化学、生物兵器の使用痕跡はなし。全周スキャン異常なし……パンに毒物が混入されていたも形跡もないですね……。ユリコさん、提督さんは突然、どうしたのでしょう? 何故、こんな事に……」


 初霜ちゃんが不思議そうな様子で、この惨状を見てる。

 その分析は的確なのだけど、多分これ……ブレインチップが論理デッドロック状態になったのだと思うのですよ。

 

 人間の脳だと、無限ループ思考とかなると、途中で飽きちゃうけど、人工脳チップだと何かの拍子にこんな風にデッドロックループに嵌まる場合があるのですよ。

 

 もちろん、そうならないように心理プロテクトを施したりするものなのだけど……。

 提督さんの場合、あくまで戦闘中に恐怖心を麻痺させるとか、そう言うのが目的だと思うから、女子高生に罵倒されて、自問自答の永久ループとかそんなのを想定してるとは思えないのです。

 

 今回の場合……何か、過去のトラウマでもえぐられたか……そんなところなのです?

 

 ……うん、マリネさんも酷いことするのです……。

 

「推定ですが、脳チップがデッドロックループ状態になってるんじゃないかと。通常こんな時は、セルフリカバリーが機能して、リセット処理が行われるはずなので、ちょっと待てば復活するのです。ただし、直近の記憶とかは飛んじゃうかもなのです」


「……提督さん、たまにそう言う事あるんですけど、そう言う事だったんですね。ユリコさん、再現体にも詳しいのですね」


 詳しいと言うよりも、本社の支援ネットワークから、ユリの目を通しての情報収集の上で、対処法と推測される原因などのデータがリアルタイム転送されて来てるのですよ……後方支援チームの結論は、ひとまず問題ないから、ここは体を張って、膝枕でもしてやれと。

 

 ユリ……任務了解なのです!

 

「ユリは強化人間なので、そう言うことは詳しいのですよ。とりあえず、提督さんが目を覚ましたときに、喜んでもらえるようにしないと……膝枕作戦! なのです」


 地面に正座して、提督さんの頭を太ももの上にひょいと乗せる。

 白目剥いてるとなんか怖いので、目を閉じさせると、寝てるみたいな感じなのです。

 

「ふぅ……これで、問題ないのですよ」


 言いながら、提督さんの頭をナデナデ。

 提督さんも、ユリから触る分には、歓迎とか言ってたから問題ないのですよ。

 

「な、なんだか……それ、ズルいです! ユリコさん、提督さんは私達のものなんですからね!」


 初霜ちゃんがお怒りなのです!


 ……提督さん、所有されてたのです?

 なんだか良く解らないけど、ここで初霜ちゃんと揉めるのは、よろしくない。

 

「じゃあ、譲るのですよ……後はよろしくなのです!」


 そう言って、初霜ちゃんにバトンタッチ。

 

 初霜ちゃん、結構乱暴な感じで、提督さんの身体を持ち上げると自分の膝の上に乗せて、ご満悦って感じ。

 

 なんか、ゴインッってったけど、気にしないほうがいいのですよ。 

 平和な光景なのですよ……いやぁ、めでたし、めでたし、なのです!


 かくして、永友提督……白目リタイアと相成りまして、提督接待作戦も無事完遂!


 この調子で、次行ってみよーっ! なのですー!

別作品にかまけてて、更新進んでませんっ!(>_<)


切りが良いところなので、ちょっとお休みするのですよ。

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